2024年3月に読んだ本

今月も7冊と少なめです、、、

引っ越しとか転職とか推し関連で落ち込む事があったりと、、、(切り替えるのがド下手

全然違う会社ですが書店員、続けています。ラノベ担当でしたが暫くは担当を持たなさそうです〜。それでもラノベは気になったものを読んでいきたいと思っております。

 

1.0301 藤崎翔
逆転美人
紙の本でしか出来ないミステリとして話題になっている本。
本の内容としては美女として生まれた主人公がその美しさによって悲惨な事件にあってしまったのを、面白おかしく騒ぎてるマスコミに抗議する為の告発手記、なのですが。
ミステリ部分の仕掛けにも本当にビックリでしたが、その仕掛けを抜きにしても本文の内容が面白い。
美人は得と言われるけれど、その分嫉妬を買いやすく、その美貌を活かせるくらい知力や上手く立ち回れるコミュ力が無ければ奈落へ引き摺り込もうとする腕から逃れられない…というのもなんとなく分かります。
ある1人の女の生涯としても、とても読み応えがありました。おすすめです。

 

2.0305 凪良ゆう
流浪の月
2020年本屋大賞受賞作。
お互いを必要としている二人が、その出会い方の特殊性から誘拐犯とその被害者として世間から扱われる話。
誘拐犯とその被害者の愛というと美女と野獣という童話を思い出す。
ストックホルム症候群といって、加害者である誘拐犯でも、極限状況で優しくしてくれるから被害者は好意を持ってしまう…という例があって、よくその見本として名前が出される事が多い。
容姿が良かったから、という理由で邪魔されない「真の絆」を描きたかったから王子は野獣という姿なんだろう。家族が提唱するベルがケモナーだったという説も面白いけど。
話は戻って、もし、周りにロリコンの誘拐犯とその被害者がいて「私達は正常で、お互いが必要だから一緒にいるんです」と言われても、私は被害者の事を「洗脳されて可哀想に」ときっと憐れむ。
人の心は見えない。だから、私も世間も普通という物差しを片手に、物事を当て嵌め、納得のいく真実を勝手に各々決め付ける。
でも私が一当事者になった時、私以外に誰が私の気持ちなど分かる、と叫びたくなるほど強い気持ちを抱く事もある。
恋愛ではない、でもこの人と一緒にいる時、空気が吸いやすい。そんな必然性のある二人の描写や、心に傷を負った人達の弱った心を描くのが本当に凪良先生は上手い。
読んで良かった。心からそう思える作品でした。

 

3.0306 カレー沢薫
モテの壁
モテ力とはなんだ!?そう、それはコミュ力(ぢから)…。
人と関わるのはとてもエネルギーがいるので、一人が楽というのはめっちゃ分かる。
でも生きるのには働いたり買い物にいったりと絶対に人と関わってしまう。
そんな時に愛嬌があると生きやすくなるというのを色んなアニメやドラマやらを例にカレー沢節が炸裂したコラム集です。
ハイローの事全く知らないけど、琥珀さんがどうかしちまった事だけは知ってるのですが、その琥珀さんの人間臭さが、そりゃ構いたくなってしまうわ!に満ちていて面白い。
完璧すぎてもダメで、ちょっとばかり隙がある方がなんとなく親しみやすいのはSNSとかやってても分かるなぁ〜と思う。
新卒で入った会社の飲み会で、若い女なら歌えて当然だろうとマイクを回されて困った覚えしかない西●カナには勝手にうんざりしていたし、彼女を支持する層とは無縁だと思っていたけど、改めて自分が敬遠してた理由と向き合ってみるのも面白かったです。
モテというと軽薄と思われがちだけど、人に好かれる為に努力する事って尊いよなと思い直すのでありました。

 

4.0312 朝依しると
Vtuberのエンディング、買い取ります。
その昔、ポケモン廃人をやっていた過去があり、めちゃくちゃ対戦が強い美少女Vtuberを筆頭とした「ゲーム部プロジェクト」という企業Vtuberを追っていた事がある。
彼らは解散してしまったが、まだまだVtuber黎明期の話で、今となっては信じられない事案が当時起きていたのだ。
その事案というのが、ブラック過ぎる労働に耐えかねた中の人=魂が続々と辞め、同じ器に新たな魂を入植させた、というもの。
配信もしていたけれど、基本的には台本形式の動画を投稿していたので運営側は扱いに困る魂を捨てて、新たな魂で再出発しても特に問題は無いと思っていたのだと思う。
結果、同じ顔なだけの知らない人に誰も着いていかず、最悪な終わり方を遂げた。
魅せるプレイさえ見れればいい、と見始めた自分でさえ何処かで愛着が湧いて、新しい魂はどうしても受け入れられなかった。
可愛いキャラクターのアバターだけでは、Vtuberとしての生は始まらない。そう私は思う。
特に彼らとやりとりをしたいと思った事はない。でも、作られた創作物ではない、中の人がいるからこその温かみに魅力を感じる。
でも中の人がいるからこそ、卒業や引退、そして炎上は必ず付き纏う。
本作の主人公達はそれぞれの方法で推しの死に向き合っていく。
主人公のやり方は正直理解できないけれど、そういう支え方もあるのだと思う。
加熱する推し活時代、推しに対しての向き合い方を考えるのにも良かったと思います。
推している自分が好きというか、推している時は推しの事しか考えなくていいから「楽」というの、正直分かってしまう。
でも、純粋に好きで、元気を貰えていて、何かしら形にしないとウズウズする〜!という気持ちも本当。
読んでいて辛い気持ちにもなったけど、考えるきっかけになった一冊です。

 

5.0321 綿矢りさ
私をくいとめて
おひとり様の、一人だからこそ外部からの嫌な刺激がない生活。でもそれを受け入れるという事は良い刺激も逃してしまうという事で…。
アラサーの主人公は、久し振りに恋の予感を感じる。けれど燃えるような情熱は全く湧かない。だけれど、この人といると穏やかな気持ちになって楽しいと思う。
積極的に「恋愛!」にはならないけれど、この人にもし違う特定の人が出来たらきっと寂しくなるだろう…という確信。
でも、この思いが成就したら、人生はまるっと変わってくるし、それがとても怖い…ってのは大人ならば共感できると思う。
この作品は変化に怯える大人の繊細な感情が、綿矢りささん特有のユーモア溢れるリズムで描かれている。
優しい気持ちになれて、尚且つサクッと読めます。

 

6.0326 倉橋由美子
大人のための残酷童話
有名な童話を再解釈して、ファンタジーだから許されていた部分を徹底的に残酷に、皮肉に、リアルに描いた短編集。
全体的にエロティックなのですが、下品ではなく官能的で淫靡。そして性特有の話としてのユーモアもある。
解説を読んで、確かに童話って徹底的に感情が排除されていてファンタジーと現実の境目が凄く曖昧で「小説」ではないのだと納得してしまった。
個人的に好きなのは人魚姫をベースにしたお話。上半身が魚で、下半身が人間…までは誰もが思いつくかもしれないけれど、最終的な混ざり方が凄まじかった。
彼女の涙という名の愛液が溢れる度にボロボロと真珠に成るのがメルヘンでありながらも、色々踏まえると残酷なのが良いです。
美も、悍ましさも、気持ち悪さも描写が一級品過ぎて、視覚的に辛かった。でも、それが最高だった。
挿絵の柄澤齊さんの作品も雰囲気に合っていて素晴らしい。

 

7.0331 柳広司
ジョーカー・ゲーム
戦時中の日本軍に属するスパイ組織、D機関が活躍する短編集。
硬派だけど、読みやすくて面白い〜!
スパイものというとアクション、というイメージだけれど本作は謎解きものです。
スパイならではの感性や生き様、また向いている人間…というか化け物の素養の部分の話とか、軍人にして軍人であらぬ思考など、スパイという生き方について知る事が出来た。
事件だけではなく、スパイ組織といえど、軍の一部なので一枚岩というわけにはいかず、面倒事が起きたりするも、そこを華麗に立ち回る本作の中心人物、結城中佐が本当にシブくてかっこいい。
現場には出てこないんだけれど、存在感が凄まじい。ベテランの風格。
色んな形でメディア化されているのも納得な位キャラ立ちがしっかりとしていて、シリーズの続きが読みたくなる。

 

2024年2月に読んだ本

引っ越しの準備やら、ペルソナ3リロードとapexの新シーズンプレイしたり、ハズビンホテルを一気見してたら2月…終わっちゃった…。

今月は7冊と少なめになってしまいましたが読んだ本はどれも面白かったです。

 

1.0205 奥田亜希子
透明人間は204号室の夢を見る
私は二次創作をするオタクだし、見た目も悲しい程にイケていない。
けれど、アニ○イトの前で奇声を上げるタイプのオタクを見ては「あちら側には絶対にならぬぞ…!」と固く誓っている。
あちら側、こちら側、その真ん中というのがこの世には常々あって、それは人によって基準が違う。いくら私が「私は現代社会に馴染めてるオタクなんだ〜!」と主張してもキラキラ世界の人からすれば「オタク、キモ」と一蹴されてしまうだろう。

本書の主人公である美緒も、二人組作って〜!で必ずあぶれる、かなり重症な陰キャである。
最初はまあ地味で、学生時代のノリという狭い世界に馴染めないだけの、フツーに陰なのだろう…と思っていたが、陰仲間である筈の私すら引く程に、美緒はあまりにもホンモノなのだ。

「身の程を知れ」というペンケースのエピソードや、自分のフィールドに人が来た瞬間だけマシンガントークになる描写とか本当に辛くて、こっちが苦しくなる。

そんな美緒だけれど実は学生時代にとある文学賞を取った作家である。けれど、書けない日々に苦しんでいる。本は売れないとどんどん返品されるものなので、どんどん自著は街の本屋から消えてゆく。
人々に忘れられていく中、大型書店で自作を手に取る男が現れ、美緒はこの男がどんな人物なのかを知りたく思い、ストーキングをする事で物語は動きだす。
日々、彼=春臣のポストに書けなくなっていたはずの小説を投函し、透明人間という空想に耽っては自身の意識を彼の部屋に飛ばす。

ある日、SNS経由で知った、春臣の恋人であるいづみが巻き込まれたトラブルを救った事で、美緒は恋人達に急接近する事になって…というのがあらすじです。

この本を読む人の多くは美緒か、輝かしい未来を全く疑わないいづみを眩しく思う地に足がついた春臣に共感するのかな…と思います。私は海のシーンから春臣にグッと共感しながら読みました。
痛くて苦くてしょっぱいお話ですが、凄く好きです。

 

2.0206 山下紘加
煩悩
中学生の頃から嶽本野ばら先生が好きなんですけど、それきっかけでほんタメのあかりんと本の好みが似てるかも!?と思い、彼女がオススメする本はチェックしていたりする。
本書もあかりんのほんタメ文学賞候補作品である。

この本は女友達が題材である。
涼子と杏奈、この二人の関係性は読む人によって意見が別れそうだと思った。二人は親友?百合?それとも母娘?
無防備でやさしい杏奈を、優しい言葉で支配する涼子が気持ち悪いと思いつつも、女友達を繋ぎ止めるのって難しいよねとも思った。
女同士の特別って不思議で、彼氏じゃないのに誰かに取られるのが信じられないくらい許せない事がある。
寂しいから必要なのではなく、彼女じゃないといけない、そんな必然性がある。名前のつけられない歪んだ感情がただただひたすらにグルグルして、ストーリーが進行するわけでもなく、正直とても読み辛いと思った。
けれど、人間の感情ってそういうものだよな…と思う。
タイトルの煩悩はどこにかかっているんだろう。難しい読書体験だった。

 

3.0214 俵万智
あなたと読む恋の歌百首
短歌というものをあまり知らないのだけれど、お店でパラパラ〜っと見たらなんか、短い歌だからこそ、立ち読みでもグッと引き込まれて気付いたら買ってました。
とても良い恋の歌のアンソロジーで、百人の歌人の百通りの愛が載っている。

俵万智さんの、恋愛に関してすごいあけすけで、生活感すらある飾らない気持ちが解説としてとても面白かったです。
恋のあるある集でもあると思うので、夢女の皆さんは推しとどんな恋愛をしたいのか想いを馳せてみても楽しいかもしれない。いや嘘、絶対楽しいです。

私のお気に入りの歌は青井史さんの「月に立つ君のそびらのひとつほくろ告げざらば永久にわれのみのもの」です。
自分だけしか知らないほくろって、イイ。

 

4.0216 葵遼太
処女のまま死ぬやつなんていないみんな世の中にやられちまうからな
凄いタイトルだな…と思い手に取った。
女に生まれると知りたくないもない、商品価値としての女体を実感させられるし…そういうテーマなんかな…って思ったら、難病純愛ものと青春バンドものの両方の性質を併せ持つ♡お話でした。特盛!

読感もよく、気持ちよさと愛おしさと切なさで涙が溢れました。
闘病パートと青春パート、温度感は違くても同じ優しさが流れていて、この一冊でこの二つのテーマを描く必要性がしっかりと感じられました。
プロローグの砂羽視点の、初めてのセックス後、世界がキラキラと輝いて見える描写がとても好き。
だからこそ濃厚セックスのくだりにワンワン泣いちゃった。
クラスで浮いてる奴らでバンド組むの、ベタだとは思うけど大好物です。ギャルとオタクの組み合わせも大好物です。

 

5.0222 畑野智美
ヨルノヒカリ
優しいお話を読みたいな〜と思っていた所、この本をすすめるツイートが流れて来ました。
元々複雑な家庭育ちで、更には母親が亡くなり天涯孤独になってしまった青年と、恋愛感情が分からない手芸屋の女店主の心温まる交流のお話です。

この、ドキドキを感じるわかりやすい性愛じゃないけれど、この人といると優しい気持ちになって、離れたくないなぁ…って気持ち凄く分かる。
お互いの居場所を見つける、優しい距離の縮み方がとても好き。
登場人物皆良い人だけど、ちょっとした欠点だとか生々しいリアルの部分があって優しいだけの御伽話的フィクションじゃないのが良かった。

布を断ち切るあの失敗出来ない、張り詰めた緊張感とか、相手を想って作るお洋服の描写とか、手芸はあまり触ってこなかった分野だけれどその温もりが伝わって来て、この作品に外せない要素だと思いました。

 

6.0225 たかた
クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
次に来るラノベ〜以前からめちゃくちゃ売れていましたがやっと読めた。
2番目と容姿を評価するのどうなんだろう…AKB商法というか、美人過ぎても〜っていうやつなのかなー?って思っていたけど、ちゃんと(世間の評価的に)2番目じゃないと駄目な理由があって良かった。

いわゆる1番ちゃんとの友情や、どうしても比べてくる外野や、それ引っくるめてうまくやろうとしてストレスを抱えているヒロインの内面がしっかりと描かれているのが好き。
主人公は陰だけれど、誰かを見下したりもなく、ちゃんと意思表示もするし、好きなものがあって、それを大切にしているからこそヒロインとの好きなものを分かち合う交流が響いたのも分かる。
高校生らしい青さとキラキラした甘酸っぱい成分を摂りたい人におすすめです。

 

7.0229 杉浦さやか
世界をたべよう!旅ごはん
イラストレーターの杉浦さやかさんのイラストたっぷりな旅行ごはんエッセイ。
読んでいてすごい癒された〜!イラストの色遣いがとてもキュートでまあるい線画と合わさり明るい気持ちになります。
そして、食という身近な日常から世界を知るのって本当に楽しい!
TWGのお茶が好きっていうのもあるけど、シンガポールに行ってみたいな〜と思いました。
つやつやの鶏肉がどーん!とのったチキンライスとっても美味しそう!市場で色々見て回りながらごはんを買うのにもとても憧れる♡

 

2024年1月に読んだ本

2024年1月に読んだ10冊です。

小説以外も今年はいっぱい読んでいくぞ~!

自分の好みに偏りがちなので話題作も読みたいです。

 

1.0105 僕のマリ

常識のない喫茶店

作者さんが働いている「常識のない喫茶店」のエッセイ。

接客をやった事がある人なら分かるあるある集だ。

新年からモヤついた私のエピソードを聞いてほしい。 某電子決済が上手く出来なくて癇癪を起こすおじいちゃんに「お手伝いしましょうか?」って聞いたら「ぶん殴ってやろうか!」と言われ、連れの奥さんはギョッとし副店長が私を庇う為に飛んで来た。

副店長がくるとおじさんは大人しくなって、平和に会計が終わった。なんじゃそりゃ。

女で、おとなしそうで、店員って理不尽な目にめっちゃ合いやすいよな…って常日頃から思っているけれど、これは最近の中でも一番モヤついている。たぶん、殴り返されるとか1ミリも思ってないんだろうな…。

マリさんの働いている店では店員が不快に思ったら客を出禁にしていいし、お喋りや頭髪も自由。客と店員は平等がモットー。

金さえ払えば何してもいいと思ってる加害者にするサービスなんてねぇ!ってのは読んでて凄く共感出来た。それにね、店員が不快に感じる客は他のお客様も不快なんだよ。

基本このエッセイは知り合いの愚痴を文章で聞く感じの作品なので、合う合わないが分かれる上で言うけれど、お客様をランク付けする様な行為や裏であだ名で呼ぶのは下品だなって思っちゃったの…。

私はお店に行く時顔と名前を覚えて欲しくないタイプだからってのはあるかもしれないけど、絶対マリさんの店に行きたくないって思った…。ごめん。

でも、接客はもっと自由になっていいって信念には賛同します。

 

2.0106 三月みどり

エリート

「グッバイ宣言」でライバル役として出た綾瀬が主人公の話。

視点が変わると大分印象が変わるというか、殆どの人は多分レナより綾瀬のが共感出来る存在なんじゃないかなーと思う。

エリート=優等生は、凡人の中で優れた人で天才には決して敵わないけれど、でも「好き」を追い続ける事が生きるという事なんじゃないか?とストレートに問う話は、素直に胸に響きました。

ヘタの横好きかも知れないけど、これからも二次創作を一生続けたいし、自分の脳みその中にある妄想を出来うる限り最高の文章でお届けしたい。

 

3.0112 献鹿狸太郎

赤泥棒

表題作含む三作品で構成された本。

お客様にこの本あります?って聞かれて、印象的な表紙だったのとそのあらすじに絶句して直ぐに手を取った

まず、全体を通して勢いが凄い。「お前の繊細で守りに入った心を掻っ捌いてぶっ殺してやる」っていう風に私は受け取ったんですが、この本を読んだ人はどう思ったのか気になる。

凄い攻撃的な文章なのにシニカルでリリカルでこの本を読む事で初めて知った言葉が当然ですとばかりに居場所を文の羅列の中で得ている。

若い人の作品だ、でもそれは稚拙だからではなく、若い人にしか書けないパワー…って思ったら本当に20代前半の慶應大学院生で漫画家ってなんなんだこの人!?!?この事実が後に語る作品の事を考えると残酷過ぎて泣いちゃった…

「赤泥棒」は女装して女子トイレから使用済みナプキンを盗む主人公菊人と、女子トイレから出てきた菊人をマイノリティだと勘違いしたトランス男性である睦美の交流の話です。

読んでる途中、この作品の感想を書くのにあたって私自身のLGBT観について触れないとダメそう…って思っていたけどなんかもうそういう枠じゃ無いパワー!!!!!って感じのオチで力強いわ、ある意味って思いました。繊細なテーマな筈なんですけどね。

菊人の卑しい最悪な心情描くの上手すぎて、なんかもう嫌なのになんか分かって吐き気を抑えながら読んだので短いのに凄い読むのに時間かかった。過激なグロって訳でもないのに参っちゃったよ。

「青辛く笑えよ」は分かりやすく暴力系な毒親育ちの子が思う愛とは、な話です。

自分も子供の意見は全否定しないと気が済まないタイプの親持ちなので、愛とは相手の顔色を窺いながら築くものと思っている節があるのでトラウマを刺激されて鬱になりました。

「奇食のダボハゼ」は自分では何も創造出来ないのに、センスの良い他人を発掘しては自分のアクセサリーとしてご意見を垂れ流す高校生のお話。

ネットという匿名性が強い場においては、どっかから引用した冴えてる考えをズラッと並べとけば権威的に装えるけど、現実世界に引き摺り出された時、そいつは何の意見も持たない小せぇやつだったみたいなのはあるあるだと思う。

残酷だけど何も持たない人間というのはいて、その人達も才能に満ちた人間達と同じ道を歩かざるを得ないのが人生で…。 ってのを才能に満ちた作者が書いてるのグロテスクな現実過ぎて泣いちゃった。

嫉妬で人間はまっすぐ立てなくなるので、持っている人間は自分が上を向く事だけに注力出来て、いいよなぁと僻む自分がもう本当に嫌。

この本読んで全体的にもう本当に嫌な気持ちにしかならなかったけど、でも間違いなく読んで良かったとも思っている。おすすめです。(半ギレ)

 

4.0114 岩田徹

「一万円選書」でつながる架け橋

いわた書店さんと言えば、カルテでお客様の話を聞いて一万円の予算で本を選んでくれるサービスの先駆者として有名である。

私もチェーン系の本屋で働いているけれど、どうしてもチェーン系の本屋は経営会社が違くても出版社が売りたい物・ベストセラーが多く並び無個性になりがちである。

昨今、それもあってか店主がセレクトした本だけが並ぶ独立系書店が増えているのはご存知だろうか?

誰もにうっすら響くではなく、誰かにドーンと響く、そんな本を私も売り場に並べたい。胸を張って良いと言える本を進めたい。

前も言ったけど本屋は「推し活」なのだ。 いつか自分も選書してみたい。その為に良書を沢山読んで自分のものにしなくてはいけない。これからもがんばるぞ〜!

 

5.0116 佐原ひかり

ブラザーズブラジャー

父の再婚で出来た血の繋がらない弟は心が女性とかでは無く、ファッションとしてブラジャーを愛している。

変だとは思うけれど弟に凄く似合っているなと思う主人公との交流が、すごいぶつかり合うけれど優しくて、でもやっぱり理解してくれない人もいて心が揺さぶられました。

こういう人いるな、っていう解像度が凄まじくて特に主人公の彼氏との揉め方が高校生らしい若い傲慢さとかを感じてチクリと胸が痛んだ。

しんどい場面もありますが、主人公達に芯があるので全体的には明るく爽やかです。 痛みを感じるけども優しい気分になって、とてもおすすめです!

 

6.0117斜線堂有紀

愛じゃないならこれは何

不健全な関係で成り立つ恋愛小説短編集。

「ミニカーだって一生推してろ」は売れないアイドルが唯一のファンに対して凄まじい執着を見せ、ストーカーする話。

アイドルとファンという線引きを守ろうとするファン側と、自身の存在を初めて見つけ出してくれた人にズブズブと依存していく対比がとても良かった。好きです。

「きみの長靴でいいです」は誰もが憧れる女王のようなファッションデザイナーとそのナイトのごとく振る舞う写真家の、夢みたいに美しい世界が写真家側の突然すぎる結婚報告によって崩れる話。

人間の生活は夢ばっかりじゃ無くて現実があって、結婚はその現実でするもので…みたいなお伽話なんてないんだよ!って説教をされてるようで泣いちゃった。

「愛について語るときに我々の騙ること」&「ささやかだけど、役に立つけど」 男2・女1の組み合わせの仲良し3人組の関係が、時を経て変わっていく話。

最初は凄い少女漫画的だな!と思ったけれど、それぞれが求める関係の為に裏で歪な恋人関係になったりと、好きの為に傍目から見るとおかしな行動をとるのが感慨深い。でも誠実な愛なんだよな。

「健康で文化的な最低限度の恋愛」は片思いする人間と会話するために、全く興味がない相手の趣味に合わせ続けた先にあるもの、って話。

好きな人間の為に合わせるってのはあるあるかもしれないけれど、この主人公はかなり覚悟が決まっている。恋に溺れていく度に沈んでいく自我の描写がスゲ〜怖かったです。

一風変わった恋愛小説が読みたいって方にとてもおすすめです。

 

7.0122小池陽慈

ぼっち現代文 わかり合えない私たちのための<読解力>入門

登場人物の気持ちを考えなさい、を文法の説明と共に教えてくれる本。

この本の中で紹介されている荒井裕樹さんの「まとまらない言葉を生きる」って本の「きっと、人には、人の体温でしか温められないものがある。その体温を、単なる「温度」として捉えるのか、それ以上の「何か」として捉えるのか。この「何か」として受け止めようとする力が「文学」なんじゃないか」って一文に凄い感動しちゃって、原書も読まなくてはと思いました。

感情を表す言葉や表現は沢山あるけれど、その向こうの言葉で表せない何かって必ずあって、それをどうにか一番近しい衝動で表すけれどそれが伝わるのって奇跡ですよね。 文学というか、本って本当に対話だよな…。

 

8.0124 逢沢大介

陰の実力者になりたくて!

アニメの影響もあって爆売れな本。

学校にテロリストが突然襲撃してきて、突如活躍する俺…!を世界規模でやるというストーリーで、皆大好き中二病を余す事なくコミカルに描いている。

本の装丁的にシリアスなお話なのかな、ってタイトルしか知らない時は思ったけれど基本中二病に取り憑かれている主人公がそれっぽい事言うとマジでそれで皆尊敬しちゃう…///って感じのギャグ全振りなお話です。

有能お姉様系ヒロインが好きな人ととにかく笑いたい人にオススメ。 笑いのセンスが合わないとこういうタイプの作品は厳しいと思いますが、私は好きです。

 

9.0127 大田比路

政治的に無価値なキミたちへ

この本は早稲田大学政治学の講義を文章で受ける事が出来る本である。

まず前置きが2つあって、私は政治初心者なのでもし極端すぎる思想を間違って抱いていたら教えて欲しいという事、

そして新卒で入った会社がブラックで心身共にぶっ壊した事があるという人間の立場から見た現代日本の疑問点について考えた事を話します。

この本、一番最初にチャート的なものがあるんですよ。普段どれだけ政治に無関心でも気になるトピックに対して○か×かでざっくりとした政治思想が割り当てられる。

私は共同体主義(初めて聞いた〜!)なんだって。 個人が富む為には集団も同じ様に富まねばならない、って考えに凄く共感出来て皆もこれでしょ!って思ったら日本だと保守派が6割以上らしく初っ端から異端か…!?って頭抱えてしまった。

世界と比べて日本の生活はある程度の縛りがある故に良いところもあるけれど、やはり不寛容かもしれない、とうっすら思っていた事のデータ等も載っている。

で、この本を読んで思ったのがやっぱり少子高齢化とか不景気なのはやっぱり日本の富裕層が労働者を人として扱ってないから、一度壊れたパーツは直んないからそこから壊死がどんどん広がっているのかなあって。

貧乏人は努力不足って切り捨てるのは簡単だけど、所詮首輪自慢というか、やらなきゃいけない汚れ仕事は絶対誰かに回ってくるんだから最下層が死んで最終的に金の首輪を付けた貴方がやるのかも。って思った。

緩やかな資本主義は健全な競争を生むのでいいと思うけどなんだかコロナ後あたりから凄く中流世帯の中でも経済格差的なものを感じる様になって、やっと今回私は政治学というものに触れる気になった。

政治について話すとちょっと前までヤベー奴扱いだったけどあまりの不景気故に皆政治に関心が芽生えた気がする。

近年は日本の勤労こそ美徳って精神に僅かながら革命が起きていると思う。心のゆとりが持てる賃金と余暇があれば日本は頑張れるんじゃないかな、と理想主義者が言ってみる。

もう手遅れの段階とかその為の金は!?とか言われたら分かんないし、初心者考えで色々間違ってたらごめんなさい。 でも、明日を生きたいと思える暮らしにしないと、何もかもが上手くいかないと思う。

 

10.0130 帚木蓬生

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

フォロワーさんが読んでいて、白黒付けたがりでメンタルよわよわな自分向きだな…と思い読んでみる事に。

日薬…月日が経つと自然と癒える力

目薬…人の目があると見守られている・期待されていると奮い立つ力

という考え方と、ネガティブケイパビリティ=気分が落ち込んでも持ち堪える力という3点を強く意識出来れば負の思考のループから確かに抜け出すことが出来そうだなと思いました。

弱ってると目先の事しか考えられなくなって、余計に変な事を言ったりして事態を悪化させがちなので希望のある未来のイメージを待てるようになりたい。

正直俺馬鹿だからよぉ…わッかんねぇよ…!!って思う事が割とあったり(源氏物語のくだりとか)具体的に心が強くなる方法を教えてクレメンス、、、と消化不良な所もありました。

でもプラセボとか医学的事実に基づいたお話はとても面白かったです。

2023年に読んだ本

107冊読みました。来年もこれぐらい読みたいです。

どれも素晴らしい作品ばかりでしたが特に好きな作品は

フランケンシュタイン

・七つの魔剣が支配するシリーズ

十二国記シリーズ です!

 

2024はお恥ずかしながら炎上しているのを見て初めて知った世界の常識など、大人として知らなきゃいけない事を勉強したいなと思っています。

政治とか地政学とか宗教とかセンシティブだけど知らないと恥かくし、人を不快にさせたくないし、なにより自分を守るためにも。

 

以下読んだ本リストですが3万字もあるのでお暇なときにどうぞ、、、

 

 

1.0105 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹(訳)
グレート・ギャッツビー ❤️
3章のギャッツビーが登場するまでが読んでてしんどい!(話的に全く盛り上がらない場面が続く)けど、ギャッツビーという男が登場したら夢中で読んじゃったな。
こういう、自分本位の女(決まって蠱惑的なのだ)に振り回される感傷的な男、好きです。
正直嫌な終わり方だけれど、だからこそ記憶に残る傑作なんだろうな〜

2.0120 長野まゆみ
猫道楽 ❤️
河出文庫からでてるけれど、これはガチガチにお耽美BLである。
言葉選びがすごくオタクに好まれそう、隙がない美しさ故に苦手な人もいるだろうなって文章だ。男の色気描写を見習いたいです。
長野さんの作品は基本的にお耽美で少年愛って感じらしいのでそういうエッセンスを摂取したい時にまた読みたい。

3.0125 レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫(訳)
華氏451度 ❤️
本を読む事が禁じられている、ディストピアものとして有名な名著。華氏451度は本が燃える温度。
ブラッドベリは初めてだったんですが、凄い詩人だ。SF、ディストピアときたもんだから殺伐とした文章なのかなと思ったら、心が動く美しい言葉達が並んでる。
こんな言葉を、文章を忘れたくないな、って思った。そして本を読んで満足するんじゃなくて、考えるきっかけにしなくてはと思った。

4.0125 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。 ❤️
古き良き男装逆ハー夢小説風味でこのコテコテテンプレ感が効くッ〜って笑顔になりました😄花とゆめっぽい恋愛描写も好きだ〜
三角関係メインでいくのかな、って感じだけどどっちの男の子も可愛いですね、、続きが楽しみだ!

5.0127 又吉直樹
火花 ❤️
漫才もだけど、表現する事って残念だけど勝ち負けって概念があって、(ここでいう勝ちは売れる=多くの人に支持されるって事で、評価されないけどきっと誰かの心に刺さってる作品や表現は死ぬ程あると思ってるし、そうであってくれとも思ってる)
誰にも認めて貰えないけど、自分の中の信念みたいなのがあって、でもそれを貫くだけでは売れなくて、世の中を見るバランス感覚が必要なんだけど、バランスだけとってても日の目を浴びる事は無いんだよね。
すごい生々しいけど短くて読みやすかったので、純文読みたい人におすすめです。

6.0128 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。2

7.0129 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。3

8.0130 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。4

9.0131秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。5 ❤️
乙女ゲーを元にした世界観、なんですがちゃんと宗教観とかヒロイン周り以外でも世界の動きとかがあって、恋愛以外でも面白いんですよね
そして心の揺れ動きとか、自分の気持ちに気付く流れとかがお手本にしたい位に説得力がある。
秋桜先生、色々とTL作品とかも書かれてるみたいなのでそれも読みたいですね!

10.0205 森見登美彦
夜は短し歩けよ乙女 ❤️
逆張りオタクなので今更読みました。学生時代みんなコレを読んでいた気がする。
森見先生は特徴的な文体と聞いてましたが、確かに凄い癖がある笑でも慣れてくるとこのリズム感が心地良く思えます。
内容としては黒髪の乙女の浮世離れした可愛さを味わう作品だなぁと思いました。彼女の言葉選びがオモチロくてお腹の底から幸せになる。

11.0220 小野不由美
月の影 影の海(上) ❤️
ずっと読む読む詐欺してた十二国記をやっと読みました。強く勧めてくれたフォロワーさんが魔性の子よりまずはって感じだったので月の影〜から。
「ネズミが出るまでしんどいですがそのあとは最高なので!」という定番らしい助言を頂きましたが上巻ネズミでないやんけ〜!😂
ひたすら序盤はか弱くて繊細な陽子が振り回されて可哀想だし、陽子も読者である私も何かも意味不明単語ばかりでまあ、正直しんどかったです。何となく世界観が分かり始めてからは辛いけど物語の広がりを感じて楽しくなってきました。
悪い意味で世界に順応し始めた陽子がワイルド過ぎてカッコイイけど、上巻の締め方辛ッって感じだ。下巻もセットで買ってきたので続けて読みます。

12.0222 小野不由美
月の影 影の海(下) ❤️
壮大な世界が広がって来てから最高にワクワクするのと、陽子が自分の弱さを知ってるからこそ強い人なんだって説得力が上下巻を通して知ってるから凄い泣けてしまった。次は魔性の子を読もうかしら〜

13.0226 小野不由美
魔性の子 ❤️
確かにこれは月の影〜とテイストが全く違うお話しだ十二国記に確かに繋がるけれど、これだけだとホラー小説ですね
不気味な予兆が確信に変わり、大きな禍の波に攫われてゆく様子が淡々としつつも、そこに確かにあって、怖い。騎馬戦がトラウマになりました。
生きにくい人間が夢想する国が、私には見えない。いつだって生きるのが辛いけど、折り合いを付けるべきだと知っているから。
だから高里よりも広瀬の方が弱い人間だと私は思った。

14.0228 小野不由美
風の海 迷宮の岸 ❤️
先に魔性の子を読んでてよかった〜!泰麒の素直で繊細な感情や緊張が痛いくらいに伝わってきて、一気に読んでしまった。
景麒相変わらず言葉足らず過ぎ〜!?!?ってなったけど、そこが彼の魅力なんだろうなってのも読み取れて笑ってしまった
ちなみに驍宗みたいなカリスマ性にみちたキャラクター、凄く好きです。
んで魔性の子があるって事はこれから何か起きちゃうんですよね続きが気になるよ〜!?

15.0302 小野不由美
東の海神 西の滄海 ❤️
尚隆みたいなやる時は絶対キメる系の普段はだらしないメンズ凄い好きだな〜
今回は十二国記内の内乱や国を統べることについてがっつり深掘りしてて面白かった✌️

16.0306 小野不由美
風の万里 黎明の空(上)❤️
陽子、相変わらずかっこよすぎるだろしゅき、、、ってなっちゃった、、、
陽子以外に主に話を動かす少女二人、なんというかこう、不快感があるのだけど、その状態を本人に気付かせる人物達の深さというか、言葉が自分にも突き刺ささってウッってなった。自分ですら好きになれない自分を誰かに愛してほしいって本当に傲慢だよな
異国だろうがファンタジーだろうが、人の営みの基本は変わりなくて、色々と気付かせられる事が本当に多いなぁ。

17.0309 小野不由美
風の万里 黎明の空(下) ❤️
陽子の夢女になっちゃう〜!位には本当に陽子カッコいいなぁ。形だけの礼など不要という、心で人を見ようとする彼女の行動があまりにも高潔すぎてこれが王の器と熱いため息が漏れちゃうわね、、、
祥瓊や鈴は物を知らなかった、いや知ろうとしなかった愚者ではあったけど自身の事を見てくれる人との出会いを経て成長していく様が嬉しくなった。

18.0314 小野不由美
丕緒の鳥 ❤️
王や麒麟ではなく、国に生きる官や民達の暮らしがつぶさに描かれた短編集。
丕緒の鳥十二国記内の祭事を担当する官のお話で、お祭りのディテール感が伝わってきてよかった。祭事という節目毎に、下がっては盛り上がる国の様子をどこか冷めた様子で思う主人公が最後の王との会話で希望を感じ始めたのがよかった。
落掌の獄は国が落ち目の中、禁じられていた死刑を再開するかで悩む司法もの。ミクロ視点では死刑が正解だと思われる、けれどこれからの国を考えるとと葛藤する様は現代にも通じる。
青条の蘭は山を守る事で国を守る事に繋がると気付いた官が、想像以上に腐り切った内政故に上に頼れず、実情を伝える為に凄まじい吹雪の中進んで行く話。民の暮らしと、十二国記内の天からの奇跡が分かる。
風信は農民の為に暦を作る学者の元で働く、家族を無意味な政策の所為で失った少女の話。
未来を信じ抜く力強い温かさに泣けてしまった。
所謂メインどころのキャラは出ないけれど、彼らが治めている国ではこんな事が、こんな民達が生きているんだという、鼓動が感じられて凄くよかった。
民のために国があるってのが全体を通して感じられた

19.0317 小野不由美
図南の翼 ❤️
風の万里〜の時点で珠晶の思い切りと分別のあるところに惹かれるものがあったのですが、めっちゃいいキャラですね!
自分の経験からちゃんと考えて、行動を起こせる人は中々いないので本当に尊敬出来る。
慈悲だけじゃ人は飯食えないパンチ好き♡

20.0415 小野不由美
華胥の幽夢 ❤️
互いを励ます為にちょっとばかり見栄を張る陽子と楽俊の微笑ましいお話から、自身の器を残酷なまでに思いしる話まで、深く沁みる短編集だった
芯を通すって何だろう?ってのを改めて考えさせられました、、

21.0416 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その6 ❤️
珍しく読み続けてるラノベシリーズ。ちゃんと惹かれる理由が分かる主人公とヒロインで、プラトニックな思いの積み重ねが丁寧なので好きです。
主人公と友人一行のオタク描写や女の子側の心理やファッション描写もディテールが細くてこんな人いるいる、って頷きながら読んでしまう。

22.0419 アサウラ
小説が書けないアイツに書かせる方法 ❤️
リコリコ履修してないんですが原作者様?なんですね、、完全にタイトル買いです📚
えっちな描写がすごい上手かったのと、忘れてたけど創作物って普通は人に見せるのが恥ずかしいんだよね?(小説書き初めの頃は恥ずかしかったけど、今はもう人に見てもらってやっと作品になると思ってるので恥という概念がないっす)っていうこの感覚、それでも人に見て貰いたいという切実な願望が伝わってきてよかったです。
恋愛だけじゃない、男女の特別な関係性が好きなので最高でした。友人やら家族の関係性はちょっとフィクションが過ぎて好きじゃなかったけど、、、。

23.0422 桃巴
31番目のお妃様 ❤️
成り上がり系令嬢もの。なぜ31番目なのかという設定は面白かったけど、それでヒーローヒロインに心底惚れるかなあ?みたいな説得力が薄いのと、慣用句の誤用がやたら多いのと、いわゆるキンキンキンキン構文(擬音のみ)で情景を描写するのが気になった。

24.0426 鵜飼有志
死亡遊戯で飯を食う。 ❤️
好きな小説5本あげろと言われたら高見広春先生のバトル・ロワイアルがまず入る。
一クラス40人以上いる人間の人となりや今迄の生活が殺し合いの中で自然と入ってくる重厚さ、そして間違いなく青春小説でもあるところが堪らなく好きなんです。
更にはこの設定でまた別のクラスがというifを想像してしまうくらいには隙のないゲーム設定。そして、死への恐怖や極限状態で見せる普段とは違う顔!というのがデスゲームものの醍醐味なんですが、なんとこのラノベ、とても死が!軽い!でもそれがいい!です。
デスゲームなのにとてもテンポよくサクサク進む。人が死んでも全然ドラマチックじゃない。そういうものか、と割り切れる文体と不思議な世界観があって、主人公のなんだろう、モノに例えると水みたいな確かにあって、弱いけど、強いみたいな、感性がこの雰囲気を作り出してるんだろうけど、私は好きです。

25.0429 震電みひろ
彼女が先輩にNTRれたので、先輩の彼女をNTRます ❤️
憧れの先輩を最初から下の名前で呼ぶのと、個人的な連絡先を最初から知ってるのが気になり過ぎて話が頭に入ってこなかった。
いやサークル一緒で高校一緒なのは分かるんですけど、なんか過去親しくなったエピソード出てくるかと思ったら一生出て来なくて最後まで納得いかなかった。
今度は浮気彼女ちゃんの造詣が女を知らん人がかき集めた本当にテンプレ嫌な女でおもろいし、そもそもなんでそんな女と付き合っとんねんという、こう「本当に悔しい」に対してのカタルシス薄過ぎて合わなかった、、

26.0507 小野不由美
黄昏の岸 暁の天 ❤️
魔性の子の裏で皆力を合わせてたんだな〜という答え合わせが出来て嬉しかった。
この世界での決まりについて踏み込むところや、蓬莱での政を善のために広げたい陽子の熱意とか読んでてグッとくる場面が盛り沢山でした♡
初登場の氾王、凄く我が強くて好き😂
李斎がとても好きなので主人公として彼女の人間臭い心情が知れて良かったな。情に訴えて例え相手方がこの所為で滅んでも、戴を救いたい
という強い気持ち。彼女が何を重んじていたのかやっと分かるシーンとか、凄く刺さったなー。これから長い話になるんだろうけど、白銀の〜も楽しみだ!

27.0507 藤谷千明
オタク女子が、4人で暮らしてみたら。 ❤️
すごい軽い読み口のエッセイなんですが。自分にとって快適な暮らしとは何かを改めて考えるにはいい本だと思いました。
絶対共同生活とかムリ!って言う親友が老後資金について真剣に考えてたりアラサーって本当に色々と後戻り出来ない考えなきゃいけない事だらけでめんどくせー!ってなりますが、今の時代たくさんの選択肢があっていいよね。とも思います。

28.0510 衣笠彰梧
ようこそ実力至上主義の教室へ ❤️
はちゃめちゃ売れてるだけあって面白いな〜と思いました。特殊なエリート学園での青春もので、一巻段階ではまだまだ全容が分かりませんがこれ伏線だなーってのが匂ってて素直に続きが気になる。
今の所真っ当な青春描写多めですが成績や態度が生活水準に絡んでくるので今後中々に地獄になりそうで楽しみ〜

29. 0517 エドガー・アラン・ポー 
黒猫/モルグ街の殺人(光文社文庫小川高義訳) ❤️
モルグ街がミステリの元祖小説という事でずっと読みたかった。そりゃねーんだわというオチだけど、一応ミステリはしていると思う。伏線ちゃんとあるし。
モルグ街以外の短編の方が個人的には読み応えがあった。古典的な恐怖小説は陶酔じみているが、比喩表現がとても美しいとおもった。黒猫と早すぎた埋葬好き。遊戯王ではない。

30.0517 久追遥希
ライアー・ライアー ❤️
夏にアニメ化するのでどんな話かなと。学園×ラブコメ×能力制限下でのなんでもありバトルみたいな。ハッタリと頭の回転だけで〜というコンセプトだけど、主人公の味方側があまりにも優秀過ぎるというか実際にチートしてるのでそもそもゲームが成立してない気が、、
更に絶対主人公一巻が一番弱いのが確定してるのでこのままだといずれ楽勝になってしまうから話がこの先盛り上がっていくのかな?って不安が。
強者から弱者に決闘は挑めない〜って設定もハリボテ強者で実は最弱なら破綻してない?と思うのであった

31.0523 宇野朴人
七つの魔剣が支配する ❤️
ここ最近読んだラノベの中でダントツ、文章の硬さや世界観を構築する語彙が個人的に好みです。
いわゆる魔法界を表現するのに相応しい言葉選びで、それって何?って意識が逸れる事もなく物語に浸る事が出来ます。
かなりハリポタを意識してるんだろうなーってのがあり、既視感はあるけれどハリポタで出来なかった闇が深いけど確実に世界観を構築するにあって生じる問題をテーマに描きたいのは伝わってきます。
主人公が器用貧乏の優秀キャラとして見る目がある人からすると認められてるのも俺TUEEEE感薄めで有難いです。なんかやっちゃいました?より自分の事を理解してる主人公が好き。
そして気高いお嬢様キャラ好きだからシェラちゃんを推してます。登場人物多いけどみんなキャラたってるね。

32.0524 窪美澄
いるいないみらい ❤️
子供という家族についての短編集です。アラサーなので一応色々と思うところがあり読んでみたいとずっと思っていた。
わりと最近まで絶対子供いらないって思ってたのですが、甥っ子を抱いてなんか、こういう人生もあるのかって思って産んでもいいかも、いやでも日本の未来は明るいのか?って右往左往してる現状です。
今の暮らしが好きなので無理に色々考えなくていいのでは、でも世間がそれを許さないのでは、とか悩む事もありますが先送りもまた答えなのだ。とそんな優柔不断な私をも優しく包んでくれるお話達でした。
窪美澄さんの小説初めて呼んだけれど、話し言葉がなんか可愛くて自然で、ぽんって心に沁みて好きだなと思いました。

33.0528 澤井聖一
美しい本屋さんの間取り ❤️
某チェーン店で働いてますが、独立系書店って、いいよねっていう。売り場作りのこだわりや書店員って普段何してんの?ってのが気になる方は是非〜! 行ってみたい本屋さんが増えました!

34.0601榛名丼
レプリカだって、恋をする。❤️
視線一つで、言葉一つで、気付けば好きで。どんどんと近付く距離感の描写が繊細で凄くすき。
過去にもう一人の私をどうする〜みたいな夢小説を書いたのですが、私は偽物(?)の方を消してしまったけど生かすって道もあるんだなぁと。
これだけで綺麗に纏まってるので単巻かな?と思ったら2巻も出るらしくSF的な面での深掘りも楽しみ〜

35.0602 道造
貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 ❤️
次に来るラノベ大賞と言う事で読みました。タイトルしか知らない時、経験人数が多い方が強いからエッチな女騎士とあんな事やこんな事をする感じの話なのかなッ!?って思ってたけど普通に男女の役割が逆転してるタイプの世界観でした。別にエロいから強いとかはない。くそっタイトル詐欺じゃないか!
いわゆる線の細い美男子がモテる中、屈強な主人公は内面が誇り高くて、そのせいで強めな女に性的な意味で目を付けられてる感じ。
最初あまりにもチンコチンコ言い過ぎて「うわー最高に合わない」ってドン引きしてたんですが、第二王女の初陣からは騎士や貴族の誇りについてがかなりクローズアップされててただ下品なだけで終わらないのが良かったです。少年漫画的な熱さがある。

36.0608 河合雅司
未来の年表 業界大変化 ❤️
近い将来の日本が、少子高齢化によってどう生活様式が分かっていくのか、今後生き抜いて行く為に必要な事はなんなのかを教えてくれる本。将来を見据えてどこに住むのかとか、身近で差し迫った問題について分かりやすく書いてあって将来について関心がある人には読んでもらいたいな〜と思った。

37.0611 唯川恵
ため息の時間 ❤️
全ての本がタイトルも書影もわからない様に包まれていて、感想文だけで本を選ぶ梟書茶房にて私が選んだ本です。全て男性視点の恋愛小説短編集です。
全体的に女のしたたかさや男の鈍感さにフォーカスが向いてる様に思えたけれど、ある種のNTRである「分身」ってお話に強い人間性を感じて興奮しました。匿名であるって、エロいな
「父が帰る日」も、老いた父が本当にこぢんまりとした姿なんだろうなってのが目に浮かんでオチで泣いちゃいました。

38.0613 江國香織
真昼なのに昏い部屋 ❤️
貞淑で生真面目な専業主婦と、様々な土地や価値観に触れて成熟しきったアメリカ人の紳士の、精神的不倫小説。いや最終的には致すけども。
大多数の人に「見て」欲しいんじゃなくて、私のことを理解してくれそうな人だけに「見つけて」欲しいみたいな、承認欲求の中でも色々あって、なんか不倫は絶対いかんけど、本当の意味で存在するって言うことを今めっちゃ考えてる。
文体がとても特徴的で最初面食らったのだけど、この語り手のお陰で冷めずに不快にもならずに事の顛末を見届ける事が出来て、すごい不思議な話だなと思った。そしてラストに笑う。性格というか性根が悪い。

39.0615 宇野朴人
七つの魔剣が支配する2 ❤️
新キャラのロッシくんみたいな子、絶対みんな好きやろと思いました。
あとピートくんで何かに目覚める人がいるだろうなぁと思いました。
高貴で強くてお嬢様が大好きなのでシェラちゃんがバリバリ戦って嬉しかったです。(推し)

40.0621 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
選ばれる女におなりなさい❤️
デヴィ夫人の婚活本です。この手の本の中では売れていて、恋愛もののネタになるかと
基本的にデヴィ夫人の華麗なる恋愛遍歴について載ってます。婦人が死ぬほど勉強して良い男と出会える場に出向ける存在まで成り上がったのは素直に尊敬ですが幼少期から容姿について周囲から褒められてかなり自己肯定感が強い人だというのも分かってとてもじゃないが真似できねぇよ!!!というのが本音です。
ただクソ喪女の自分でも共感出来る事がいくつかあって、趣味の場に出会いを求める事・容姿以外の魅力でも人は恋に落ちるのだから楽しい会話の為に教養を磨く事です。
私は女子高女子大出なので、行動しないと一生彼氏出来んなと思い男女比9:1の趣味の場で今の旦那と会ってます。趣味や価値観が近しいので会話が毎日楽しいです。

41.0622 杉井光
世界でいちばん透きとおった物語 ❤️
話題の本。ネタバレ踏まないで読んで欲しいな、、
タイトルがあまりにもキラキラしてるから自分の好みに合うか不安でしたが、引き込まれる文章。
本に対する愛情や登場人物の優しさ、そしてネタバレになるから言えないけどその全てに読み応えがありました。
同作者さんで話題のラノベである楽園ノイズ、積読してるので読まねば!!

42.0625 飯田一史
「若者の読書離れ」というウソ❤️
今の中高生って何を読むの?というデータと解説が分かりやすくまとめられた本。
実際にラノベ担当してるんですが、ボカロ楽曲系ラノベはめっちゃ売れているんですよね、何が受けているのかとか知れて売り場作りとしても、二次創作者としてもニーズとかが学べました。今度読んでみようかな〜ボカロ系。最近だとド屑といのちの食べ方が売れてると思います。

43.0627 村田沙耶香
丸の内魔法少女ラクリーナ❤️
村田さんはとんでも設定の世界の中で私達の常識とはなんぞや、を炙り出すような作品が多いのですが「無性教室」の愛に性は必要なのかと、思春期の子らが葛藤する話、良かった。
あと初恋を物理的に殺す「秘密の花園」めーっちゃ、良 その感情は分かるけど、正常に狂ってる感じ
「変容」は凄い社会風刺的な話だけど、ゾッとした。エモいって言葉がなんか当然のように受け入れられてるのとか、私は正直嫌なんだけどあのなんか、感覚。そして原始的な本能的な衝動を「理性的でない」と否定される感覚。それらが積み重なった気持ち悪さが味わえる。

44.0628 しめさば
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。❤️
社会人とJKの際どい系のラブコメでしょ!知ってるんだから!って決め付けてたんですが、新しい家族の形のお話だなと思いました。マジで失礼しました。
主人公がJKに手を出そうと微塵も考えない大人で良かった。かなりライトな文章だけどそこが実直に感じられて良かった。

45.0707 カレー沢薫
人生で大事なことは、みんなガチャから学んだ❤️
カレー沢さんは夢女で既婚者だ。私と同じ立場である。
そんな彼女の夫婦エッセイは共感出来る事もあれば正直もっと夫婦の会話しろと思ったり立場は近くても全く違う環境の話が聞けて面白かった。

創作者の自我は作品を読む際にノイズになる人もいるよな〜ってのがあって普段私はプライベートな話題は避けています。
でも、私は好きな創作者さんがどんな経験して何に触れて来たのかとか知りたいのでいっぱい聞かせて欲しいタイプなのでこういうエッセイ嬉しい。
カレー沢さんの推しに対するお金の使い方(ソシャゲガチャ)には正直ど、どうなんだ?って思う所はあるけれど、彼女の考え方は好きだなと改めて思ったのでむしろカレー沢さんと同担の人にこそ読んで貰いたい本でした。

46.0717 宇野朴人
七つの魔剣が支配する3❤️
一年生編のキリが良いところまで読むぞ〜と軽い気持ちで読んでボロ泣きした。人と仲良くなるって難しいよね。
不器用過ぎて上手くいかないけど、心の奥底では他者からの愛を求めている人物にとても惹かれる質があるので、凄い辛くなった。
また今回は凄いサブキャラ達の深掘りがされてこの世界観がまた強固なものになってきた感じがして良かったです。戦闘描写も本当に絶望感を感じて上手いなぁ〜ってなった。
後半以外基本冒険譚と戦闘描写中心の巻なのにまったく中弛みしなくて、宇野先生の筆力に唸らされてばかりです。

47.0730 桜木紫乃
ホテルローヤル ❤️
桜木さんの小説を読むのは初めて。文体が凄い簡潔だからか突き放すような冷たさがあって正直あんまり好きではない文体。
けれど本書の内容である、ラブホテルを舞台にした人との「正と生と性」の仄暗い感情を描写するのにとても合っている。
人の感情はびっくりするほど掘り下げてないのに、じっとりとした嫌な感じが生々しく付き纏う。怖い、でもそれがいい。
閉塞感のある日常生活だけど、そこに愛を感じた「バブルバス」が一番好きなお話です。

48.0801 高岡未来
わたしの処女をもらってもらったその後。❤️
タイトルがTLモノっぽいけど、メディアワークス文庫なので一般レーベルです
大人の恋愛ABCって感じのライトな恋愛小説で読後感が良かった
上手くいき過ぎてフィクション感は強いものの、物理的に接点を増やそうと頑張る男性の描写が健気でかわいいなと思いました

49.0802 東崎惟子
竜殺しのブリュンヒルド ❤️
人外と人間の「愛」が好きな人にとてもおすすめです 
劇重感情の芽生えや生まれの差で決して交わることのない思いとか、凄い種としての溝を感じてゾクゾクした。ダークファンタジーが好きな人は是非

50.0804 茜たま
伯爵令嬢は犬猿の仲のエリート騎士と強制的につがいにさせられる ❤️
漫画の広告をネットで見た事があるんですよねTLが読みたくて売り場うろついてたら原作は小説なのかと手に取ってみました。
ケンカップルが好きな人におすすめ。妊娠したのが翌日に分かるのだけ基本ナーロッパ世界なのにそこだけ科学進んでてちょっと気になったけど
そしてTL小説ってモロ語や直球すぎるワードは使わないのにちゃんとエッチで凄いですよね。勉強になります〜

51.0807 村上春樹
風の歌を聴け ❤️
恥ずかしながら余りにも難解というか、ストーリーがぶつ切りの連続でどう読んでいいか分かりませんでした
多分、妊娠させてしまった恋人が自殺してしまって、その傷を癒す為に里帰りして、その先で出会った4本指の少女に惹かれるも、彼女は友人の恋人でしたって話でいいの、かな?
こういう読み方でいいのか、そもそも正しい読み方ってあるのかな?正しい読み方が無いのが正解なのかな?
そこも含めてちょっと難しい一場面一場面はとても詩的で美しいのですが小説というものに物語を求めてる自分には合いませんでした

52.0813 宇野朴人
七つの魔剣が支配する4❤️
2年生編突入〜 各キャラの成長を感じる描写が多く、次巻からの戦闘描写が楽しみ!
血を安売りしない文化はハリポタでもありましたが、あんまりそのパートナー探しとかは深掘りされてなかったけど、ななつまは学生のうちから子供を残す事を推奨する世界線なんだな、、でも優秀な魔法使いは死にがち理論は分かるな
子供を残す事、という風習をきっかけに女性陣の恋愛模様が荒れに荒れて楽しい〜
シェラちゃん、強いだけじゃなくてエッッッッッでムホホってなりました積極的で、でも理知的な言い訳しちゃうの、良い

53.0817 東崎惟子
竜の姫ブリュンヒルド ❤️
竜殺し〜で話が綺麗に完結してるのですが、世界観が好きなので読みました
竜も同一個体ではないので色々な考え方があって当然なんだけれど、前作のが竜があまりにも「聖」なので今作の邪竜っぷりには驚いた
前作の異種族との関係性が好きでハマったので今作は人間関係に重きが置かれているからそこまでだったんですが、世界観の作り込みは素晴らしいなと思いました

54.0820 三宅香帆
推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術 ❤️
タイトルまんまの本ですね!
SNSで見掛ける感想は「それなー!」で溢れているけど、それで終了させず、自分だけの推しの記憶を鮮明に残しておく為に形に残すのって大事だよな〜
萌え語りだけでなくレポートや創作にも使えるコツや心構えが参考になります💯

55.0821 五条紀夫
クローズドサスペンスヘブン ❤️
登場人物が全員死んでる、天国での謎解き
ミステリなんだけどそんな特殊設定だから凄くカラッとしているというか良い意味でユーモアに満ちてて軽い
皆記憶を失っているから登場人物達と一緒に頭を悩ませ謎を解いて行くのが楽しい〜
犯人の動機以外はめちゃくちゃ面白かった

56. 0822 宇野朴人
七つの魔剣が支配する5 ❤️
名前とイラスト付きのキャラがぽんぽん死ぬ
惜しみなくみんな「今」を生きていて好きだな
今回の敵であるエンリコが命を狙われる戦いの中でも目的の為に命を投げ撃てる生徒を褒める教師としての風格があって良い
あとなんでオリバーの母が死ななければいけなかったのかとかが分かってきて物語の続きが気になる

57.0825 宇野朴人
七つの魔剣が支配する6 ❤️
好きなサブキャラがまたも死ぬ、、、😭
でもこれが魔法使いとして生きる事、ってのが美しく気高く描かれていて好きだなぁ

58.0826 宇野朴人
七つの魔剣が支配する7 ❤️
リヴァーモアの、邪教の神父めいた威厳〜って描写と骨使いっていう胡散臭さから勝手にペルソナ2のパオフゥみたいな容姿で想像してたんですが、タイプの違う胡散臭さだったドラキュラ伯爵より?かな
小説って文章だけだからこそ勝手に足りないビジュアル面は想像しちゃうよね〜ってのを久し振りに体感した ラノベの口絵文化は一生続いて欲しい 答えは欲しいけど、想像力が羽ばたくこの自由さよ
巻を通して違うタイプの(学生らしい力が均衡した作戦や腕っぷし勝負からの圧倒的な力を見せるバネッサ)戦闘描写盛り沢山で読み応えがかなりあった
あと企画である読者のオリキャラ混ぜ込むの上手いな〜と思った 違和感がない

59.0830 高瀬隼子
犬のかたちをしているもの ❤️
読んで鬱になった
私は既婚者でアラサーの癖にまだ子供を持つことに対して現実感が薄いけど、甥ができたり、周りがうっすら期待してる事は分かってて、まあでも最終的にこういうのは出来る時は出来るし出来ないもんはできないでええやろと答えを先送りにしている人間です
でも時は待っていてくれなくて、タイムリミットがある事にソワソワしてる
絶対に子供いらねー!でも絶対に子供欲しい!でもないから生き方の選択肢が沢山あって何もかもから逃げ出したい時がある
前置きが長かったけど「わたし」は婦人系の病気のせいで大学生の頃から「子供」について何をしていても意識するようになっている
これって、生き方を狭められる様に感じてしんどいよなって思う
そんな中、浮気した彼氏に子供が出来てしまい育てたいと言われるって話なんだけど、理屈と周りの空気と、感情で、色々と良くも悪くも変わっていくものを見てしんどくなった
テーマは重いけれど、読み口はライトでとても読みやすいと思います

60.0901 宇野朴人 
七つの魔剣が支配する8 ❤️
リヴァーモアの、天才だけど自身が求める物に対して自身の力量と才が足りていない〜と自覚している所や、狂気の魔人として後輩目線だとひたすらに書かれていたけど、死者への丁寧な慰霊描写といい、心を許している人間に対しての柔らかな態度といい、すごく人間臭くて優しい人であるのが伝わってきて震えた
うわ〜!こういう男に弱いのよ
上級生組、奪還篇を通してかなり愛着が湧いて来てカッコいい女代表、肉体派なレセディも好きだし、ヒャッハー!で口は悪いけど理屈も情も兼ね備えたティムも好き。口絵のティム美少女過ぎるこれでちんちんついてるのかお得すぎるな
男の娘萌えじゃなかったけど、ななつまはなんかそういう属性持ちの子を好きにさせる強いパワーがある作品ですね

61.0902 宇野朴人
七つの魔剣が支配する9 ❤️
ヴァロワちゃんみたいな虐待とモラハラで育った子って可哀想だけど、フィクション上だとその育ち故の不安定な感じ、あまりにも刹那的で美しく感じてしまうけど、心の栄養が足りてない感じが本当に辛いまた出番があった時は奪うだけじゃないコミュニケーションを知って欲しい
宇野先生は本当に戦闘描写が上手いオリバーが万能型の指揮官なので華のある前衛だけじゃなくて読者が本当に試合の盤面を上から俯瞰してる様に読ませて下さる
リチャードくん、一巻の時クソ噛ませ犬だったけどあまりにもカッコ良い 
あとロッシくんがあまりにもロッシくんでいいな〜と思った。飄々としてる癖に泥臭いポリシーがあるの、良
また所謂地球だけじゃない世界やこの世界における神とはなんぞ?ってのが分かって異種族の人権問題がこう壮大なテーマに繋がってくるか〜と唸っている

62.0906 宇野朴人
七つの魔剣が支配する10 ❤️
オリバーが今の姿になるまでの積み重ねは丁寧に伏線が張られていたけど、ヒーリングが上手いのかはそういう事かとか、復讐があるから色事に対して異常に一線を引いてるのかなって思っていたけど、凄い悲しくなってしまった
剣花団のメンバーの関係が、変わってはまた変わってゆく、その流れというか繋がりに掛ける思いが募っていくのとか、凄く尊く思えて一生皆で仲良く暮らせって思ったけど、それが無理そうなのがしんどい
全体的に心がしんどい巻だったけど、いい先輩してるリヴァーモアが可愛かったです

63.0907 宇野朴人
七つの魔剣が支配する11 ❤️
ここ最近危うい感じを出しているカティの育ちにフォーカスされていて、優しい子であり、賢い子であり、だからこそ全てに優しい世界を目指してその身をを投げ打ってしまうそんなバッドエンドが見えて怖い。
オリバーに止めて欲しいという親御さんの気持ちも、オリバーのそれはカティの生き方だから止めないって気持ちも分かるなぁ
キンバリー以外の街並みや、海路の発達、亜人族の暮らしなどの描写が世界の奥行きを感じさせて面白かったです
今回のエピソード的に全く必要の無かったロッシくんはファンサービスなんですか!?私服可愛いね

64.0908宇野朴人
七つの魔剣が支配する12 ❤️
ピートくんとティムのせいで性癖が狂いました😡 
ピートくんの真っ直ぐ過ぎて怖いくらいの愛情たまんねぇな!!ティム先輩はあんなにツンケンだったのに甘えるの上手で可愛いね😭
リヴァーモア先輩の魔道的に骨やら死体がある場所というかあの工房から離れられなくない?とは思ってたけど職員として出番が継続してくれて嬉しい そして明らかに面倒見がよくなっているのてぇてぇですよ
ななつま界のいわゆる「優しい」人の方が呪いを引き受けやすいってのは人との壁をあえて設けない分、「あるよな〜」とは思っていたけど皆の太陽ガイがそっちに進んでウワー!!ってなっている ガイには幸せになって貰いたいからリタでもカティでもと思うけれど、カティのいわゆる少女的なオリバーへの綺麗な初恋を大切にして貰いたい自分もいる
ななつまはあまりにも公式のカプというか飛び交う矢印が多過ぎて二次創作あんまりないのも納得だ宇野先生の手のひらに踊らされている
宇野先生のTwitterみたらどのキャラもどの組み合わせも好き過ぎるー!との事だったので、どの組み合わせも公式だな(?)よし

65.0916 佐々木敦
ニッポンの文学 ❤️
80年代〜00年代の文学の間で移り変わる「純文学」の傾向とその他のカテゴライズされたSFやミステリなどの小説の立ち位置などがざっくり分かる本
主に村上春樹についての話題が中心で帯のラノベまで〜ってところに惹かれて買ったので少しばかり拍子抜けだったけど面白かった
「なんとなく、クリスタル」含めて色々読みたい本がまた増えた

66.0918 宇野朴人
七つの魔剣が支配するside of fire❤️
先輩達の過去編!退場してしまったオフィーリアやカルロス先輩が出るのが嬉しいねぇ
ティムとオフィーリアの微笑ましいバチバチエピソードもっと見たかったな
ななつま世界の生死観や宗教についてちょっと触れられたのもより深みがあって良かったな
魔法の油彩画〜ってのはここにきて初めて出て来たから新鮮でした いつの世もクリエイターは苦しんでいるね

67.0929 メアリー・シェリー 芹沢恵訳
フランケンシュタイン ❤️
1800年代前半に書かれ、400p以上ある作品なのですがとても読みやすいです。(芹沢恵訳・新潮文庫版)
実はフランケンシュタインは怪物を作った博士の方で、怪物には名前などないってのが有名というかこの前提がないと進めないので言っておきます。
ホラー小説、となってますがこれは誰にも愛されない哀しみの物語だなと思った。
凄く美しいジュネーヴの景色や美しい心の人間達との交流が丁寧に描かれており、本編中々始まんないなって思っていたんですが、
フランケンシュタイン博士はこの素晴らしい世界を人間(しかも白人で実家が金持ちで超絶美少女の婚約者がいる)なので余すことなく感じて生きていけますが、
怪物は人間と交流したいと必死に言葉や紳士的なマナーそして教養を学び、会話を交わすだけなら理知的な男なのに、いざ姿を見られると殺されかけるその対比があまりにも残酷で
現代社会はSNS掲示板などで近しい感性や立場の人と簡単に話したり繋がることが出来るので、一人でいても一人じゃないというかそこまで寂しいと感じる事はないのかなと思うのですが、
当時は目の前の人と話す事で繋がりを感じる生活で、それ以外の繋がりを築く事は手紙くらいで中々難しいですし、1人で生きることの寂しさやただ醜いだけで混ざる事を阻害されるどうしようもない悲しい事実だとかを感じさせてとても辛くなりました

68.0929 小林湖底
ひきこまり吸血姫の悶々 ❤️
秋アニメが始まるので売り場展開参考用に
百合でセクハラギャグ多めな王道なろう系ストーリーって感じです
ヒロインは良い子だし、弱いけど実は最強ってタイプで更にビジュアルも◎なので多分好きな人は好きな感じ
ストーリーも本当に王道なのでお相手の子が慕っている理由とかはなんとなく察しが最初からつくし意外性はないけれど百合が好きならライトに楽しめるんじゃないかなって感じです

69.1002 志端裕
聖剣学院の魔剣使い ❤️
秋アニメ(略)
一昔前のルビがめっちゃ振られる難読厨二ラノベだなと思いました。強調したい事に一々〈こんな感じ!!〉の〈カッコ〉が〈大量に〉付いてて〈個人的には〉クッソ読み辛かったです。
コテコテの厨二設定(魔王とその眷属として蘇ったアンデッドヒロイン、未来都市の下に眠る古代文明とか)が好きな人は好きそう。
頭脳は魔王のショタ×お姉様方なハーレムが作品の軸なんだろうなと思いますが、↑で言ってるように割と独りよがりな設定が多くて置いて行かれがちで、ヒロインの魅力がいまいち伝わって来ないなと思いました
アニメならそう言うところはさらっと流して美少女全振りならあんまり気にならないのかなぁ?うーん個人的には微妙でした

70.1007 田辺聖子
ジョゼと虎と魚たち ❤️
このジョゼと〜というタイトルがあまりにも有名でこのタイトルの長編だけ、と思い込んでいたのですが30p無いほどの短編集だとは!
色んなタイプの、純愛とは少しばかり毛色が違う、淡白だけれど、それでも何故か後ろ髪引かれるような、そんな恋愛短編集です。
凄い短いのに、なんだか肌にしっくりくるような、経験がない出来事なのに女としての自分がこう何故か知ってる感情を描き切っている。
中でも「恋の棺」が一番好きです。寂しさと、この少しばかりの想いがあればいいっていう、現実とロマンチックの狭間を感じて素晴らしかった

71.1008 駄犬
誰が勇者を殺したか ❤️
あらすじを見た時からこれは刺さりそう〜!と思って楽しみにしてましたが、とても良かったです。
タイトル通りの内容なので、ネタバレになっちゃうから多くは語れないんですが、そりゃ皆勇者を好きになるなぁって
ファンタジーやミステリが好きな方におすすめです〜!ファンタジー部分の世界観的な話もとても出来が良かった。
あと作者さんのあとがきで44歳で初めて小説を書いた事、そしてライトノベルでも本屋大賞を狙っているという事が書いてあって嬉しくなってしまった、、、私ももっとラノベ界隈が盛り上がると嬉しいと思っているので

72.1010夕木春央
十戒 ❤️
あの!方舟の!作者様の新作よ〜!!キャーッ!!!という訳で読みました。期待値MAXです。
今回のお話も、孤島とは言え電波も繋がる特殊な状況下で起こる殺人事件で、ひたすらに「やられたな」ってなる。
全てがひっくり返る度でいえば方舟のが凄いのですが、今作は色々分かった上で読むと胃がキュッってなる感じです。
詳しく言えないタイプの作品ですが、所謂ミステリ読みの人こそ唸らせられる作品だと思うのでオススメです。

73.1011 垣谷美雨
七十歳死亡法案、可決 ❤️
少子高齢化が進み、福祉が現役の世代では間に合わない。だから七十歳になったら死んで貰おうという、法案が可決された社会のお話。
自分が高校生くらいの頃、母は身体的障がいのある祖母の介護をしていた。(信号無視の自業自得です)母さんはめっちゃ頑張ってたけど、自力で車椅子も乗れないしでまあ無理があった。
結局ホームが見つかって入れたんだけど、母さんの兄弟が可哀想だって引き取ったものの結局放置されて、認知症になってあんなに世話した母のことを忘れて死にました。財産も使い込まれてて本当に無かった。ばーちゃんが死んだ時、母さんは何を思ったんだろう。
この事もあって私は老いる事が凄く怖いです。人に迷惑掛けたくないって気質が元々強いから、誰かの人生をめちゃくちゃにしてまで生きる位なら死にたい。
でも、自死って一般人がしようとすると酷く怖かったり失敗したらヤバい後遺症が残るしで私は安楽死というものを認めて貰いたいと常々思っている。
そして、自分は「死にたい」けど勿論「死にたくない」人もいる。そして、私はそんな人にまで死んでほしくない。難しい。
本の内容に戻って、主人公である妻が義母の介護に疲れてSOSを出すも、他の家族は家族なのに他人事。
あと二年経てば義母は消えてくれるが、その未来が遠くある日家出してしまう。その後の家族は一体どうする?って話。
家族全員の心理描写があって、誰も分かるなぁってなった。父だけはあまりにもサイコだけども。テメーの親やろがい。
暗くて重いテーマだし、人間の薄汚い性根も丸出しだけど、(お陰で逆にコミカルに感じる点もある)主人公が行動を起こす事で、皆いい方向に動き出し、読後感は良い作品です。
とても読みやすい文体でサラサラ読めますし、社会問題を考える良いきっかけになると思いますので、是非。

74.1012 木陰侘
自分がオカズにされた回数が見える呪いと紳士な絶倫騎士団長 ❤️
秀逸な設定だなと思う。やや天然気味なヒロインだったのでもっと嫌がるヒロインでこの話を見たかった気もする。
えっちな描写は登場人物が多い分バリエーションがあって面白かったです。470pもエロなの純粋に凄すぎる。

75.1013 村田沙耶香
きれいなシワの作り方 淑女の思春期病 ❤️
とんでも設定な作品をいつも書かれている村田沙耶香さんのアラサー女あるある的なエッセイ。
強烈な作品を書かれる方なのでどんな奇天烈な生活を送ってるんだろうドキドキって思ってたけど、「分かる〜」の連発だった。
私も女である自分が好きだけど、女やるならもっとここは頑張るべきだよ!ってのにうるせ〜💢ってなったり、逆に自分でもそこは足掻くんだみたいなのはある

76.1016 太宰治
走れメロス(新潮文庫版)❤️
収録作品⇨ダス・ゲマイネ・満願・富嶽百景・女生徒・駈込み訴え・走れメロス・東京八景・帰去来・故郷
収録作品だと女生徒が一番好き。本を読んだ後、それを手本に「こうあろう」としているのに、また違う本を読むとコロコロ思想が私も変わる。自分というものは何処にあるのだろうか。また、母親が世間に見せる顔を見て、それをなんとなく寂しく感じたりと、自分の内側と対話する少女の心理描写がよかった。
純文読むタイプのオタクがよくオススメする駆け込み訴えもやっと読めた。これは、確かにクソデカ感情。こういう作品を読む度に聖書ってやっぱ読むべきなんかナ、、、ってなる。
いわゆる文豪に詳しくないので、富嶽百景と後半の小説は太宰自身の私小説であってるかな?と思ったけどあってた。ここまで破滅的な生活を送ってても、いや送ってるからこそなのか?人の底に踏み込む文章が本当に素晴らしい。

77.1017 彩瀬まる
花に埋もれる ❤️
奇しくも同じタイトルの夢小説を書いた事があって、どんな内容なのかなとずっと気になっていた本。
短編集で、どのお話も特殊な設定があったりするんだけれど、抱えている寂しさや、愛おしさは現代を生きる人々そのものだった。
性的な描写が結構多いのだけれど、なんていうか空洞を埋める必然性と侘しい官能を感じて凄く好きだった。

78.1019 西岡壱誠
現役東大生が選ぶいま読むべき100冊 ❤️
こういう、立場関係なく人がどんな本を読んできて、どんな本を選ぶのかが分かる本好き
私が読んだ事あっておすすめの本⇨未来の年表・乙嫁語り・凪のお暇・ノルウェイの森
これから読みたい本⇨帰ってきたヒトラー月は無慈悲な夜の女王・これからの正義の話をしよう・砂の女デカメロン・サピエンス全史

79.1020 三月みどり
グッバイ宣言 ❤️
2023年現在、多分中高生が一番読んでるライトノベル。同名のボカロ曲を原作にオリジナルキャラクター(初音ミク等は出てこない)の青春が描かれている。
正直激ヤバ文章力の本を中高生が「良い」ものとして読んでたらどうしようって震えていたのですが、令和らしい砕けた口調ではあるものの、元来のライトノベルらしい、王道で爽やかな読み口の作品でした。
高校生の、自分の底が見えてる現状で夢を持つのは馬鹿らしいと諦めがちな主人公と、明るくて無鉄砲だけれど、強い夢を持つ少女が交流して、最終的に主人公はある夢を持つ、って話です。
夢っていうと自分が主役になる仕事を思い浮かべがちだけれど、そうじゃない夢もあるって考え方を教えてもらった。
序盤めっちゃエペが上手い描写あったけど、爪痕ダブハン代行業者にならなくて本当に良かった。

80.1022 小野不由美
白銀の墟 玄の月① ❤️
病む戴国に麒麟が帰ってきた!っていう所からスタートで、黄昏の岸〜で言っていた様に取り敢えず王である驍宗を探し始める一行。
国が疲弊している描写が続き、正直370p程あるけど物語の進展があんまりない
途中泰麒が「私に策がある」って行動し始めるけど、行き当たりばったり感強くて行動しなきゃ〜って焦りや気持ちは分かるけど、貴方の体は国を背負ってるのよ〜!?ってめっちゃハラハラする。
白銀〜は賛否両論って聞いていたけど、こういう事か。取り敢えず読み切ります。

81.1026 小野不由美
白銀の墟 玄の月② ❤️
420pあるけどやっぱり進展がほぼ無かった。泰麒大好き李斎がまったく泰麒を気に掛けない描写が気になる。

82.1028 星新一
午後の恐竜 ❤️
ssより少し長めな短編集。短い話の中で人間とは、文明とは、という難しいテーマを鋭い視点で書き上げている。記憶を奪われても本能の所でってなる、「戦う人」とファンタジックでありながらこの体の歴史と終わりを感じる「午後の恐竜」が特に好きです。

83.1028 菊池良
タイム・スリップ芥川賞 文学ってなんのため?と思う人のための日本文学入門 ❤️
2022年刊行なので、「推し、燃ゆ」まで名前が載っています。
日本と文学の大きな時代の流れと、芥川賞作家のパーソナリティと、影響された物事がライトに解説されている。思わず読みたくなる紹介の仕方が上手い。
又吉直樹が国語の授業で使う国語便覧で日本文学を学んだって記述で「そんなんあったな!?」ってなった。小さい時から本好きだったけど古典や文豪に全く興味なかった自分を殴りたい

84.1104 小野不由美
白銀の墟 玄の月③ ❤️
王は生きている、というのは本当にうっすらとしているけれど確かな根拠はあった。それでも、挫けてしまいそうな冬の中、ようやく一筋の希望が!という所まで進みましたね!
ちゃんと驍宗様が国の為に、諦めずに生きているという視点が描かれてホッとしました。
ここからの流れ、どうなるんだろう。熱いものになるといいな!!

85.1106 小野不由美
白銀の墟 玄の月④ ❤️
王と麒麟の絆が見たかったから、この長い道のりをしんどいなと思った。
戴に生きる人々は本当に冷たい雪の中飢えている。この長くて短い物語の中で、人々は時には人のどうしようもない悪意のせいで簡単に、惨たらしく死ぬ。名前が付いてても簡単に死ぬ。勿論名もなき民達も死ぬ。
それでも希望を信じて、繋ぐために生きているのが分かって強いな、って思った。
戴麒があまりにも覚悟が決まっているのと、白銀の墟〜でこの世界の「天」とは何かを皮肉めいて描いてるのが印象深かったです。
最後のあの挿絵だけでその後が伝わって来て、胸が熱くなりました。再会後、多くは語られなくても、「この二人ならば」は物語の中で十分過ぎるほど描かれていたと思うので満足です。
幼い頃の戴麒と、冬狩りをしていた頃の驍宗ではきっと駄目で、この障害を経た二人じゃなきゃ、いけなかったんだろうなぁ
もう一度、時間を置いて今度は「天」というものに注視しながら十二国記シリーズを読みたいな。本当に素晴らしい世界観だ。

86.1108 川原礫
ソードアート・オンライン1 ❤️
めちゃくちゃ有名な作品だけど、私はキリトとアスナしか知らないガチミリしら状態で読みました。
本当に酷い偏見なんだけれど、所謂アニメを雑に消化するような層が絶賛しているイメージがあって履修するのが凄い抵抗があった。
けれど、2009年の作品で今も最前線を走っているって事は紛れもない本物だし、私と好きなラノベの系統が似てる人も殿堂入りと言ってるし、何よりシリーズあり過ぎて売り場占拠してるし、私自身が面白いと思わない本はどんどん入れ替えたいと思っているので読むか!と。
結果、読んでとても良かったです。
2009年にこのダイブ型オンラインゲームでデスゲームって凄い革新的だったんだろうなあ。
オンラインだけど、ファンタジーな没入感。けれども命だけはリアル。皆、生活を現代日本みたいに結局役割を持って自由に生きている。
設定だけはラノベ然とした、キャッチーでエンタメ全開ですが(そこが良い)キャラの作りやふとした生活の描写が良かった。
世界観の描写がとても素晴らしくて、これは沢山のifが出て来てもおかしくないと思う。
でも一巻、凄い綺麗に完結してるけどこの後どうするんだろう?なんかよくメインビジュアルにいるけど名前知らぬキャラが出て来てない。現実でアスナを見つけられたらもうオンラインに入る理由はなさそうだけど?続きがある事が気になり過ぎる。

87.1110 石井光太
ルポ誰が国語力を殺すのか ❤️
前にネットニュースでごんぎつねを正しく読めない子ども達っていうのを見たり、SNSをやっていると言葉の意図が全く通じてないなと感じる人と話す機会があったりして前から気になっていた。
本書の内容は「国語力」=豊かな想像力とそれを表現出来る言葉が身についているかを育てるのが家庭環境に大きく左右されるという体験ルポである。
自分語りになってしまうけれど、親が見栄っ張りだったので私は小学校からいわゆる進学校に受験して通っていた。
周りは経済的に豊かで教育熱心な親に育てられている子ばかりだった。小学校時代はディベート大会や朝のスピーチとかで皆自分の言葉で喋っていた。

だからこれが普通だと思っていたんだけれど、大学生になってあまりにも大学が家から遠かったのでバイトが選べずとある飲食店で働いてたのだけど、そこでの経験が割と自分の中で衝撃的だった。
経済的な理由では無く自ら中卒を選ぶ人が結構いたという事。私の感覚だったら勉強がいくら嫌いでも就職する為に高校位は無理矢理通う。
でも、それは私の中の常識であり、彼ら彼女とらの価値観が全く違う。
失礼かもな〜とは思いつつ、「なんで学校いかないの?」って当時17才の子に聞いた事がある。そしたら笑顔で「親に女の子は学校行かなくていいと言われた」って言われた。「行きたくないの?」って聞いたら「分かんない」って言われた。この「分かんない」が本書でいう自分の気持ちを表す能力が低い事なんだと思う。
学校や勉強が嫌いだから、だったら理解できた。多分理由がないわけではないと思う。でもそれが複雑で、それを誰かに伝えるすべがないのかなって思った。こんな感じの子が他にも何人かいて、でもバイトはちゃきちゃきこなすから余計歪みを感じた。
将来子供を持つか分からないけれど、「なんで」というワケを話せる子にするのが一番大切なのかな、と思った。

88.1113 キム・リゲット
グレイス・イヤー ❤️
新時代のフェミニズム文学だ〜!とSNS等で話題になった本作。ネット上だとフェミ(笑)って言われがちだけど、一部の人がヤバいだけで元来の考えに私は共感しています。
世界観は近世ヨーロッパっぽい架空の村。その村では16の時に(出生数が極端に少ない特性がある)男に選ばれなかった大多数の女達は強制的に労働者か娼婦になる。
それだけでも男尊女卑が凄いけど、男は妻に飽きると適当な理由をつけて絞首刑にしてまた花嫁選びに参戦したりする。妻に選ばれても女は家畜扱いの世界線である。
更には16になったら、女には男を誑かす魔力が宿ると言われ、花嫁選びの選定直後、その魔力を消し去るために一年のキャンプが強制されている。
女の子だけのキャンプは過酷だ。食料はあるけれど集団ヒステリーや、花嫁に選ばれた子と選ばれなかった子の隔絶。
血と汚物と泥と蛆に蝿に埋め尽くされる思考とキャンプ地。これらの要素が苦手な方には正直おすすめできない。
主人公のティアニーは息子が欲しかったという父親に仕込まれた技術でなんとか命を繋ぎ続けるが。魔力とは何か、このキャンプの意味は?ってのはまあ、フェミ思考してたらこの時点で分かりそうなんですけどそんな話です。
最高のフェミニズム文学!と聞いていたのでどんなティアニー無双がみれるんだって思っていたけど、顔面パワーで二人の男性の庇護を勝ち取っているのが解せなくて「???」ってなってしまった
いや、強い女なんですけどね!?強い女は男と恋愛するな!一人で生きろ!!!とは全く思わない。でも、このテーマのストーリーでだと正直拍子抜けというか
でも最終的には女達の強いパワーを感じさせる、希望のある終わり方になって良かった〜!と思いました。

89.1116 川田戯曲
ラノベも俺も好きなギャル ❤️
LOVEじゃないけど、めっちゃ価値観合う友人に俺より気の合う奴いるとか言わんといて( ; ; )みたいな独占欲あるじゃないですか。
あの感情がLOVEに変わってゆく描写がとても甘酸っぱくて良いですね。
ギャルだけどオタクというか、本当にラノベが好きなんだなーっていうのが良い。文章という形で物語をじっくり堪能するのが最高って言えるヒロインが可愛いです。

90.1118 住野よる
君の膵臓をたべたい ❤️
ティーンの心理描写で名高い住野よる先生の本を読みたいな〜と前から思っていて、ならば一番の代表作であるこの作品からかなと。
有名過ぎるタイトルから分かる通り、難病ものはあんまり好きくないんだよなと敬遠してたんですが読んで良かったです。
友達でもなく、恋人でもないけれど、お互いを必要としている不思議な関係に温かさを感じた。
基本的に日々を生きる事の楽しさや、自分と向き合う事の大切さについてがメインで、御涙頂戴というシーンは控えめなのでそういうのが苦手な人にもオススメです。
死についての話なのに、若いエネルギーをとても感じられて良かったなぁ。

91.1120 浅倉秋成
俺ではない炎上 ❤️
作った覚えが全くないけれど、自身のSNSだと本人すら錯覚してしまうようなアカウントが、殺人を仄めかしている
更にはそのツイートがバズってしまい、世間から疑惑や嫌悪の目を向けられ逃走する事になる主人公のおじさん。
このアカウントは誰が作ったのか?そもそも俺は、そんなに恨みを買うような人生を送ってきただろうか?といった内容のミステリです。
SNSって怖い!のと、ミスリードにやられた!ってなった。でもそうだよな〜読み返せば絶対分かるポイントあるよなって感じです。
主人公の人物像についても、ただネットに疎いだけの真面目で人望のあるサラリーマンだと彼目線だと思うけれど、蓋を開けてみると?ってのもリアルで、視点一つ変えるだけで受け取り方が違うのもよかった。

92.1123 川原礫
ソードアートオンライン2 ❤️
アスナがどうなったのか気になったので続きをと。でもこの2巻は続きではなくて一巻の合間合間のエピソード集なんですね。
うーん、キリトくんモテモテだけれど強いだけじゃなくてシンプルに優しいもんな。ゲーマーってどうしても男女比の問題で女の人に対しての距離感おかしい人多いから、自ら一線引ける人って紳士よなぁ。
サチとのエピソードが個人的に一番読んでいて胸にくるものがあって、泣いちゃった。キリトの表に出さない優越感とか、サチのキリトの正体を知った上で安心していた所とかスゲ〜人間臭くて良かった。

93.1124 川原礫
ソードアートオンライン3 ❤️
で、でた〜!これがかの有名な「戦闘中にブチ切れて、記憶が飛んだりとか……」か!
↑の台詞だけやたら有名だけど、キリトさん女の子に異常にモテるだけで全然イキリじゃないです。
メインヒロイン、表紙からして変わっちゃうの!?って思ってたけど、変わらずアスナが正妻な漢気カッケーっす。
新規ゲームで、しかも遅れて始めたのにどうチートじみた強さを表現するんだろうって思ったけれど、なるほどって感じの伏線?というか続編らしい技だなと思った。
SAOは4巻までで一旦キリがつくらしいので、そこまでは履修する気でいます。

94.1127 川原礫
ソードアートオンライン4 ❤️
すごく綺麗に完結したなぁ〜!なのでこの後どうなるんだろう?現象再び。
平和な日常も戻って来たし、(SAOの皆でオフ会するシーンめっちゃ良かった)とても素敵なハッピーエンドだと思うので
キリトは相変わらずアスナ命で動いてて、愛する人の為なら何もかも擲てるというのがカッコいいよね。

95.1129 小出和代
あのとき売った本、売れた本 ❤️
紀伊國屋書店新宿本店にて長年書店員をやっていた小出さんの本にまつわるエッセイ。
「これ売れそう!」って予感めいたものとか、書店員あるある満載でずっと頷きっぱなしだったのと、大型書店ならではの経験エピソードも面白かったです。
本屋大賞含め、書店員の仕事は「推し活!」です。自分の推し本が売れると本当にニヤニヤしてしまうというか、本当にいい本だから、是非よしなに!!と売り場作りは常に布教活動である。
あの人が読んでいたから読みたい〜ってエピソードも、本当に深く頷いてしまった。私も好きな作家さんやフォロワーさんのオススメいつも参考にさせて頂いてます。
私のおすすめ、自店舗に通える人以外にも届くといいなと思いながらいつも感想をしたためております。

96.1201 佐伯さん
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 ❤️
良かったです。このラノ5冠はダテじゃない。
ド偏見なんですがこういうタイトルで内容説明系の作品、ヒロインが可愛いだけで中身がないんじゃないかって思ってて読むまでの腰が重かったのですが、フォロワーさんが好きって言ってたのでいい加減読むか!と。結果、もっと早く読めばよかったな〜。
理由もなく天使系甘やかしヒロインがちやほや♡って感じの内容かなって思ってたんですが、違った
距離をあえて作ってくれる人だから互いに信用出来て、徐々に親しくなってゆくっていうお話です。相手の事を知ってゆく過程が丁寧で、一巻の段階では関係は出来つつも恋愛感情は互いに芽生えていない感じです。続きも気になるなぁ〜。

97.1203 朝井リョウ
何者 ❤️
就活をテーマにした小説というと「六人の嘘つきな大学生」を思い出すけれど、あれは全編を通して就活に纏わる不条理を描いていたけれど、この作品は就活を通して自身が「何者」かになれるのかを、残酷な迄に描く。
就活をせずに一人で劇団を立ち上げたものの、公演する度にいまいち振るわない元相棒をダサいと思いながら、主人公は普通の就活をしている。
陽キャだけれど空気の読めるルームメイトに、そんなルームメイトに恋する主人公の片思いしている女性、意識高い系だけど空回りする女性とそのアーティスト志望の癖に何も行動しない恋人。
同い年の彼らと主人公は就活に挑んで行くものの、就活の結果によって彼らの関係性がどんどん変わってゆく&醜い本音が見えてくる。という話。
否定されるのは怖い。だからって、下を見続け安心する人間が「何者」かになれる訳がないだろ、って話である。
偉そうに言ったけどブーメラン突き刺さって流血しています。上だけ見続ける高潔な人間になりてぇや。

98.1206 青山美智子
赤と青とエスキース ❤️
青山美智子さんの作品は初見です。ほっこり系が得意な作風の方〜と聞いていたのですが、まあ泣いちゃったよね!?
レイとブーの関係に対して、ユリさんの「来るのは彼じゃないんだよ、恋なの。不可抗力に、彼じゃなくて恋に振り回されるのよ」って台詞に、あっ、ああ〜ってなった。
恋ってどうしても物理的な距離による障害があるけれど、体の近さじゃなくて心(恋)が近いかなんだな、って改めて気付いて、そんな二人を引き離してやるなよって落ち込んでいたので、ええ、ええ!
短編集ですが、全ての話が繋がっていて、青山先生の世界は優しさに満ち溢れてるなって思って、なんか己の心の汚さに泣いた。
タカシマ先生と砂川先生のお話も、創作をやっている身としては中々に来るものがあって、これからもつくり続ける人でありたいと思いました。

99.1208宇野朴人
七つの魔剣が支配する13 ❤️
剣花団それぞれの「愛」が凄い真摯で、故に重たくて尊くて、しんどいよ〜ってなった😭
ガイが抜ける事で表面化する、繊細なバランスを壊さないでいたいオリバーやカティの気持ちと、とにかく覚悟が決まってるピートやナナオにシェラの気持ちとかのぶつかり合いだとかガイが戻って来てくれた時すごいホッとしたので、やっぱり誰か一人でも欠けてはならないんだな
四年生編は2冊で終わりなんですね!?先輩方とかどうなるんだろう
あと次の巻までに今の勢いだとピートくん誰かの子供産んでそうまである。

100.1210 児玉雨子
##NAME## ❤️
芥川賞候補に夢小説を題材にした作品が入ってる!ってので知っていて、前から読みたかったお話。
実際は夢小説メインのテーマではなく、ジュニアアイドルという生き方と「名前を変える事」についてのお話です。
夢小説やら二次創作BLやら携帯個人サイトとかのワードが出てくるんですが、これオタク文化知らない人は正しく読み取れるのかなってちょっと思ったり。
ジュニアアイドル、実は知りたくなかったけど高校の時のクラスメイトにいた。友達に〇〇ちゃんってさって言われて、そんな事知りたくなかった私はキレた思い出がある。
でも、友人の言い分ももっともで、「凄い可愛いし、モデルやってるって言うから彼女の名前を検索しただけ」で、一番上にスクール水着を着た彼女の写真が出て来てしまう。
本書の中でも語られているけど、就活で賞罰の確認とかで名前を検索されることなんていくらでもある。つまり自分の望んでいなかった過去を「名前」から暴かれる事がある。
私のハンドルネームはピンポイントで調べようと思っても中々出てこないと思うけど、エゴサが出来る名前だったらって考えるとちょっとゾッとする。後ろめたい事はしていないつもりだけど、(そりゃ個人間の好き嫌いやトラブルはあるけれど)自分の知らないところで自分の名前が勝手に一人歩く感覚。こわい。
ジュニアアイドル時代から本名で活動していた美砂乃ちゃんは大人になっても一生「その生き方」しか選べなかったのかなってのが「馬鹿だから」っていう口癖とかから環境が読み取れてしんどい。

101.1216 ブリジット・ヤング 三辺律子(訳)
かわいい子ランキング ❤️
学年の中で一番可愛い子ランキングがある日突然スマホへ一斉に送られてきた。
それから女の子達の生活が悪い意味で一変する。地味で文学オタクなのにナンバーワンになったイヴとクイーンなのにナンバーツーになったソフィー。それに自分は役者として魅力的だけれど太っている事を自覚しているランキング外だったネッサ。
立場は違えど女の子達はランキングに傷付いてしまう。じゃあランキングを作った犯人をとっちめようじゃないか!というヤングアダルト&ルッキズム的なお話。女の子はトロフィーでも所有物でもないぞ〜!!
体の作りが変わってくると小さい頃は同じ生き物として扱われていたのに、なんか急に一部の男性から「個人」ではなく「女体」として扱われるの嫌だよね
ランキングを作った子の軽薄さとか、保護者会で男の子ならよくある事って言っちゃう父親に絶望したけれど、人はまだ人を知ろうとしていないだけなのかなって男の子だけでなく女の子同士の会話でも学んだ。属性や見た目で勝手に決め付けられるの、つらい。

102.1218 梨木香歩
西の魔女が死んだ ❤️
小学生の頃、読書感想文で皆読んでいた記憶がある。やっと読めた。
生きづらさみたいなものを、誰だって抱えていると思う。主人公のまいもそうで、学校に行けなくなってしまう。暫く魔女の様な隠居生活をしているおばあちゃんと暮らす事になり、心を成長させ、穏やかにするお話。
台所の様子や畑が色彩豊かに伝わってきて、匂いまで目の中に飛び込んで来る。読んでいてまいと一緒に心が澄んでいく様だった。
だからこそ、あの事件でおばあちゃんが理解をしてくれなかった悲しみ、逆におばあちゃん側の思いや器の大きさとか、両方分かって難しいな、って思った。
大人になってから読んでも最高だったけれど、確かにこれは若い内に読んだ方がより響くのかもしれないと思った。

103.1221 白井智之
名探偵のいけにえ ❤️
カルト教団VS名探偵ものですって聞いていたのでやったー!ボコボコにしてまえー!って思ったらですよ。ネタバレしないとこれ中々に内容が語りづらい
ダブルバインドの使い方など、本編の構成が色んな意味で素晴らしかったとだけ言っておきます。
あと白井先生の語彙というか言葉のチョイスが好き。笑 
どこか飴村行先生テイストを感じると思ったら影響された作家さんとして挙げていてニヤリとしました。このインタビュー記事で挙げられているときわ書房さん(船橋市)のミステリ特化棚、本当に凄まじいので千葉に来る事があったらオススメです。2階のコミックコーナーも「通」向け過ぎて好きです。

104.1223 藍川京
女流官能小説の書き方 ❤️
女性の性的興奮は、精神的に満たされないとダメという記述にウンウンってなった。
だからこそ男性向けはいっぱい女の子のバリエーションを増やせばいいけど、女性向けは一人の人をじっくり深掘り、お互いが惹かれ合う下準備というか理由が無いとノレないってのが分かるな〜ってなった。
あと自分がエロいって思えない小説はエロくない!ってのに「仰る通りで」となった。エロ小説を書くのに照れがあった時の作品は、ちょっと納得してないのもある。
自分のヘキに素直な作品がやっぱり一番イキイキすると思うし、今後もヘキ全開で書きたいと思います。

105.1225 吉川トリコ
コンビニエンス・ラブ ❤️
まず、装丁が良い意味で同人誌っぽい!うひょ〜!たまんねぇ!
U-NEXTがこんな感じで本出してるの、たまたま大型書店行った時に見掛けて初めて知りました。
アイドルグループ(正確にはダンスグループ)に所属する主人公がコンビニ店員といるとホッとする気がしていつの間にか恋に落ちるけれど、ガチ恋営業を仕掛けているアイドルは恋愛して良いの?ってのが大きなテーマになっている。
ラスト、オタクはそんなに甘くないぞって震えてたらのまさかのオチで笑ってしまった。


106.1228 三月みどり
シェーマ ❤️
「グッバイ宣言」の続編ですが、メインの登場人物は変わって、前作の主人公は教師として導く立場になっている。
主人公があまりにも聖人すぎて途中から感情移入出来なくなってしまった
皆非がある(かなあ?)とはいえ、自分を不登校に追いやった人間を許してまた友人に戻るのは個人的に理解不能です
大人になると嫌いな奴には関わらないが正解な節があるけれど、白黒つけずにグレーな感情にたまには向き合うべきなのかもしれない。

107.1231 亀山ルカ
アフィリエイトで夢を叶えた元OLブロガーが教える本気で稼げるアフィリエイトブログ ❤️
好きで追っている読書系ブロガーさんが月一更新くらいなんですが年に一、二冊本を買えるくらいのお小遣いが貰えるって言っていて「ゆ、夢がねぇ」って思ったけど、毎年こうやってリストを上げてるし、割と見返すし、折角なら形にしようと思って今回このブログを作ってみました。
私は最初からインプット記録のブログを作るぞ〜ってスタートですが、書くことが何も思いつかないけどブログ副業したい人の為のネタ出しとかも書いてあって優しい本だなって思います。
凄い初心者向けだと初心者の私ですら思うので、イケてるデザインにしたい!って方はまた別の本を読み込まないとダメかも。
ちなみにアフィリエイトの審査にはコンスタントな更新とある程度の記事数がないとダメなのでこのブログは現状一円も稼げません。草。でもまあ稼ぐ為ではなく後で自分が見返すのが主な用途なので…。

2022年に読んだ本

マイベスト3は
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
ゆびさきたどり
正欲 です

 

1. 0103 サン=テグジュペリ
星の王子さま

2. 0106 寺地はるな
ビオレタ

3. 0108 佐々木チワワ
「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認

4. 0111 今村夏子
こちらあみ子

5. 0119 相沢沙呼
マツリカ・マジョルカ

6. 0119 貴志祐介
クリムゾンの迷宮 ❤️
サバイバルゲームホラーもの。約400ページにも関わらず、5時間位で一気に読めました。
空気の乾燥し具合とか、集る蠅の鬱陶しさとか、獲ったばかりの生き物の描写とかありありと伝わってきて、没入感がすごい!
消化不良な点もあるけれど、謎解き的な面もあって好きですね、、、

7. 0125 尾形真理子
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。

8. 0213 角田光代
だれかのいとしいひと

9. 0214 鴨志田一
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

10. 0215 中野信子
シャーデンフロイデ

11. 0217 桜庭一樹 
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない ❤️
⇨凄い衝撃的だった。13才という年齢の「大きさ」がありありと伝わってきて、頼りなくて冷たくて、凄く泣きそうだった。
13才のなぎさの視点だからか、難しくて華美な言葉なんて出てこない。だからこそグロい。
砂糖菓子の弾丸という甘い空想を届ける事で自分で在り続ける藻屑が可哀想で美しくてただただ哀れだった。

12. 0219 凪良ゆう
美しい彼 ❤️
BLなんだけれど、苦手じゃなければ本当にオススメ! この2人じゃなきゃダメというか関係性の移り変わりが本当に緻密で、あたしゃこういう恋愛もの書きたいんだよぉ〜!!!!って感動した、、、

13. 0220 菅野仁
友だち幻想

14. 0221 遠野遥
改良

15. 0221 村田沙耶香
変半身(かわりみ)

16. 0225 齋藤孝
書ける人だけが手にするもの

17. 0226 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロやオレが、お付き合いする話。その4

18. 0302 石持浅海
扉は閉ざされたまま

19. 0307 小川洋子
妊娠カレンダー

20. 0311 入間人間
安達としまむら

21. 0313 若林正恭
社会人大学人見知り学部 卒業見込 ❤️
あまりお笑いは詳しくないんですけど、オードリーに関してはずっと好きです。
それはさておき、若い頃の若林さんの考え方が私に近しくて共感しかなかった笑
一旦沈み込むと止めればいいのに延々と一つの事ばかり考えて執着するところとか。でもそんな自分を否定しないで、社会と向き合う事とかを面白痛快に描かれていて途中鋭い言葉にウッ、となりつつも前向きな気持ちにさせてくれます!

22. 0314 緒莉
狂愛と情愛 二人のアラブ王子に溺れる夜

23. 0317 曽根圭介

24. 0327 町田そのこ
夜空に泳ぐチョコレートグラミー

25. 0403 花房観音
ゆびさきたどり ❤️
官能小説なんですけど、エロいというより色気を感じる文で性は生き様なんだな、とグッと思わせる登場人物の生々しさがよかったなぁ、、、
女の鋭い矜持が感じられて勇気すら貰える

26. 0406 益田ミリ
美しいものを見に行くツアーひとり参加 ❤️
イラストと写真たっぷりの海外旅行エッセイです。益田さんの感想がほっこりするというか、温かい感受性を持っていて素敵だなぁと思った。
根っからの出不精だけど、海外旅行行きたいなー!って気持ちになるなぁ、、英語すら全く出来ないし、お金もないけど、、、

27. 0408 三秋縋
三日間の幸福 ❤️
後半、いくらなんでも上手く行き過ぎだよ〜!なんてのはいくらなんでも野暮すぎる。
この2人には最高の三日間を過ごして欲しいと心の底から思った。久し振りに本で泣いた。

28. 0410 八目迷
ミモザの告白 ❤️
もし、幼馴染が突如としてスカートを履いてきたらどうする?ってお話。
人の中にある偏見と、生理的に受け付けない事に対する折り合いとか、読んでいて感情が私の中でグルグル蠢いた。
ラノベなんだけど、ライトじゃない。一度触れて自分の中で考えを持って読んで頂きたい作品。

29. 0415 米澤穂信
儚い羊たちの祝宴

30. 0420 坂本綾子
お金の超基本

31. 0422 野﨑まど 
〔映〕アムリタ ❤️

32. 0423 野﨑まど
舞面真面とお面の女

33. 0424 野﨑まど
死なない生徒殺人事件

34. 0430 野﨑まど
小説家の作り方

35. 0501 野﨑まど
パーフェクトフレンド

36. 0508 野﨑まど
2
創作とは?人とは?というのを自分の中で改めて考える機会を与えて貰ったのと、天才の手腕に凡人は唖然とするしかなかったな、、、
なんていうか新しい物の見方を教えて貰った気分です。
なんていうか、小難しいことをすらすらと読ませて理解させる(させた気にする)のがうますぎるぞ、野﨑先生。
気になった方は刊行順に読むことを強くお勧めします。

37. 0509 髙坂庵行
よくわかる思考実験

38.0512 朝井リョウ
正欲 ❤️
多数派の中で生きる時、自分が間違ってるか正解が分からないから、確認する。多数派であれば安心だ。そして、自分が少数派だと分かっても安心の輪から抜け出すのが怖くて引けない。
自分はマジョリティだから、正しい。マイノリティは敵だ。
そんな人間がマイノリティに回った時、一体どうするか?苦しくてもマジョリティのフリをするだろう。そうしないと自身の価値観からすればマトモじゃないんだから。
理解されない、って諦めの感情が本書を通して伝わってきて辛かった。
性欲・性癖が特殊な人間の話じゃなくて、自分の芯を持たない人間がそれでも多数派に自分はいる、と奢った時の危うさを警鐘するお話に感じだ。

39.0514 嶽本野ばら
鱗姫 ❤️
中学生の頃に狂ったように読んでいた。やっぱり野ばらちゃんサイコー!

40.0521 村田沙耶香
授乳 ❤️
先生という男、凄い名前を付けることが出来ない何かで埋め尽くしてやりたくなるな、、、 蛾を押し付けるシーンがどんなアダルトな作品よりも性的でびっくりしちゃったな、、、部屋を包む温度が限りなく冷たいというのが感じれてンァ〜ってなった
全編を通して自身の聖域を現実社会から守る女というテーマを感じられた。健全な生き方のエネルギーって強いよなぁ。

41. 0529 最果タヒ
恋人たちはせーので光る

42. 0530 葉月エリカ
初夜の翌日に離婚した没落令嬢ですが、何故か元夫につきまとわれています

43. 0604 益田ミリ
かわいい見聞録

44. 0612 村田沙耶香
生命式 ❤️
村田沙耶香さんはぶっ飛んでる世界観を納得させる説得力が本当にすごい。
21世紀の日本を生きる人間からするとおぞましい文化や価値観も今だからでしかない些細な問題なのか、と思う。

45. 0705 凪良ゆう
憎らしい彼

46. 0708 凪良ゆう
悩ましい彼

47. 0711 凪良ゆう
interlude 美しい彼番外編集

48. 0715 稲田豊
映画を早送りで観る人たち ❤️
共通の話題の為に時間がない現代人は作品を鑑賞するのではなく消費し、娯楽で不快になりたくないから分かりやすいものが好き(要約)って言われると作り手側が読み手に歩み寄らないとそもそも相手にされないんだなぁ…って
割と作者が好きにやっててそれについてこれるやつだけついて来い!ってのが昔はあったと思うけど、もうそれは主流じゃないって事だよね〜…時代が変わると、作品のあり方も変わるんだね

49. 0717 日向夏
薬屋のひとりごと ❤️
所謂女性向けなろうとしてダントツ人気なので気になって読んでみた。
ヒロインである猫猫が女性人気あるのは理解出来るなぁ(賢い・媚びないから美男子に目を掛けて貰える。そして醜女メイクを落とすと本当は可愛い)女の子らしさがありつつもカッコいい女性が私も好きなので…
ミステリ部分も現代日本に生きてる人間からすれば知ってるけど、古代中華風?な世界に上手く落とし込めていると思う

50.0723 小川榮太郎
作家の値うち 令和の超ブックガイド ❤️
紹介されている本の殆どを読めていない事を恥じた。まずは何を読んでいいか分からない自分の為に、人と比べる事で物差しの精度を高めようと今回手に取ってみた。
一度も読んだことのない作家さんを読んでみたいな、、、

51. 0729 相沢沙呼
medium 霊媒探偵城塚翡翠 ❤️
近年のミステリでは賞を総嘗めで有名な作品。期待ぶち上がりでつまんなかったら落胆するだろうなぁ、と大分前に買ったけど積んでた。
以前相沢先生の本を読んだ時、美少女の描写がくどくて、キモいオタクの妄想臭すごいな…って避けてたのもある。
案の定翡翠を好きになれるか…で大分読みやすさが違うと思う。最終的には翡翠を好きになりました。
話自体はすらすら読み易く、ミステリとしてもやられた、と思った。

52. 0807 河合隼雄
こころの処方箋 ❤️
今まで生きて来た経験則から知っているけど、頭に染み込んでない事を優しい言葉で教えてくれる本。
一つ良い事がある時はそれに伴って悪い事がある。そしてその逆も然り。その視点は知ってるけど、改めて心に刻むとちょっと楽しく生きやすくなる。

53. 0809 道尾秀介
向日葵の咲かない夏 ❤️
有名な奴。ネタバレになるので色々言えないお話。でも読んだら即、異様さに気付く。
小学生の頃、本作で読書感想文提出してる子がいたけどなんて書いたんだろうな……。

54. 0814 泡坂妻夫
しあわせの書 名探偵ヨギガンジーの心霊術 ❤️
お話の内容自体は正直…だけど、とにかく拘りが凄い。本でしか出来ない仕掛けだ!

55. 0817 益田裕介
精神科医の本音 

56. 0822 谷本真由美
世界のニュースを日本人は何も知らない

57. 0823 J.K.ローリング
ハリーポッターと呪いの子❤️
今度観劇するので読んでおきました〜!
ドラコが凄い好きなんですけど、彼が学生時代言えなかった事を口にするのがアアアッ〜てなりました…あと誰よその女!ってなるけど、ドラコが愛に真正面から挑む男になってて嬉しかったなぁ…ドラコの話しかしてない…

58. 0826 小川洋子
薬指の標本❤️
透明感がある文章の中で静かな狂気がしんしんと募ってくるのが凄いなぁ…
送った靴だけ履かせて全裸にするって図の口にはしない明確な主従関係、そこだけ切り抜くと凄いけどサラッとしてるんだよね、、、不思議な世界観だ
もう一つの短編は自分を理解すること、そして体に浸透させることの大事さを感じると言うか。柔らかい雰囲気なのに、虚しさとか心がどうしてもぽっかりしてしまう時の悲しみが伝わるなあって。
雰囲気がかなり違う二篇で小川ワールドを楽しめておすすめ。短めで読み易い。

59. 0831 夢野久作
少女地獄(角川文庫) ❤️
角川文庫のてぬぐい柄の装丁可愛いよね。
少女ふぜゐという曲が好きでその元ネタ〜という事でいつか読むぞと早数年。
姫草ユリ子という女、輝いてて、醜くて、でも美しくて、哀れで。好きです。

60. 0831 鳥下ビニール
復讐するまで帰りません!健康で文化的な最高限度の執愛

61. 0906 シャーリイ・ジャクスン
ずっとお城で暮らしてる ❤️
独特の世界観を持つメアリキャットの視点でしか物事を推量れないので「エッ???」ってなる事が多いです。説明されなさすぎてイーッ!ってなるけど、それがまた恐怖というかこの屋敷を取り巻く雰囲気に合っているというか…。
何が起きたのか正直正しく読み取れないんだけど、この作品は誤読というかいろんな解釈を楽しむ作品なのかなぁ、、、

62. 0907 峰なゆか
アラサーちゃん ラストシーズン ❤️
アラサーちゃん本編はアラサー世代の恋愛やセックス・仕事・人生観などドロドロしてるけど共感がぎゅっと詰まった4コマ漫画で、こちらは作者さんのエッセイです
センシティブなモヤモヤに真摯に向き合って、最終的にはばっさり斬ってくれる峰先生大好き😘
男が喘がなかったら女側も不安になるので声出して欲しいにめっちゃ笑いました 改めてセックスって共同作業なんやな、、、って 
男が気持ち良くて喘いじゃうユメショ大好き!!!!!!

63. 0915 島本理生
よだかの片思い ❤️
島本理生さんの本を初めて読ませて頂いたんですが、凄いするすると読みやすい文章なのに、胸が思わず痛くなる言葉選びと台詞に思わず泣きそうになりました。
本作は恋愛小説というよりかは恋愛を通した一人の女性の成長譚です。アザという分かりやすいコンプレックスは無いにしても、多くの人がきっと抱えている自分の弱い所をいま一度頭に浮かべながらよんで貰いたい。

64. 0927 大江健三郎
死者の奢り・飼育(新潮文庫) ❤️
人が人との間に線引きした時、あの温かさは幻だったのか?と思う程に冷め切るのが定説だけれど、その残酷さを描くのが上手い、上手すぎる… 。ノーベル賞作家ですが、文が硬すぎると言うこともなくとても読みやすい…。

65. 0928 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロやオレが、お付き合いする話。その5

66. 1006 田中慎弥
共喰い ❤️
正直、読み辛いというか好きじゃない文体だ…と思いながら頑張って読みました。でも、伝わってくるんですよね女性達の力強さが…。汚水の酸っぱい匂いがうっすらと鼻につく川の町での情景が…。
一緒に収録されている第三紀層の魚は読みやすくて、優しくて、家族の事を考えてちょっと泣きました。

67. 1012 成田悠輔
22世紀の民主主義 ❤️
読み進める度に自分はどんな事を未来に求めてるんだろうって考えるから、読むのに凄い時間掛かるけど普段使わない脳みそと心の声に耳を傾けてる感じがする。
××党がいいとか〇〇党は駄目とか、そういうんじゃなくて根本的に私達の生活を変える為に必要なのは何かな?ってのを提唱する本です。
政治経済わかんないけど、自分なりの考えを持ちたいな〜と思ったので読んだけど、単純に面白いです。

68. 1014 松田青子
女が死ぬ ❤️
女性ならではの感性!!!!って言われたらまあ性自認女だし…当たり前やん…何を今更なんだけど、その視点って誰のもの?って考えさせられるよね
エッセイかな?ってくらいフランクで、でも確かに響く掌編小説集でした〜

69. 1020 谷崎潤一郎
春琴抄 ❤️
男女の恋慕を超えたクソデカ感情大好きなんだよな、、、 
終盤、寄り添って欲しそうな春琴に対して、「理想の師匠を信仰してるから…」って躱す佐助は自ら失明するシーンより狂気だよな、、、って思います

70. 1026 曽野綾子
少し嫌われるくらいがちょうどいい ❤️
知らない相手に向かって、その人向きに書く、ということは私には出来ない。私に出来るたった一つの誠実は、読者にどう思われるかわからないが、出来るだけ正直に、自分の世界をさらけ出し、もし気の向いた読者が1人でもあって読んでいただくことになれば、それが出会いのしあわせだ、と思うことにしたのである。(引用)
何の為に書いてるのか分かんなくなる時、また読み直そうと思った。

71. 1105 ルシア・ベルリン
掃除婦のための手引き書 ❤️
心情描写はほぼない。事実が淡々と描かれているのに胸が詰まる。言葉選びが上手くて、ああこういう人、いる。ってのを感じるのに突き放してくる、とにかくクールだぜ…。

72. 1112 星新一
ボッコちゃん ❤️
中学生の時振り?に読んだ。筒井康隆星新一に育てられた人間だよ。
月の光と妖精、最後の地球人が特に好き。なんて現代的なお話なのだろうと思う。

73. 1125 樺沢紫苑
ストレスフリー超大全 ❤️
メンタルの悩み系の本は数多くあるけれど、基本「辛いよね、、、分かるよ。切り替えようね」みたいな「だからどう気持ちを切り替えるの!?」と具体性に欠ける本が多い中、具体例しか載ってない本です。
なんか悩みがあるって人には取り敢えずコレをおすすめしたい位には良かった。
嫌な事を延々と抱え続けるメカニズムとかも載っていて「うわ、やってる。だからか」ってめちゃくちゃ内省しながら読んだ。

74. 1208 芥川龍之介
蜘蛛の糸地獄変(角川文庫) ❤️
私に学がないだけなんですけど、「奉教人の死」があんまりにも読み辛くて読むのにめっちゃ時間がかかってしまった、、収録作品の中では「地獄変」が一番好きです。

75. 1215 佐藤誠一郎
あなたの小説にはたくらみがない ❤️
表現とは究極の自己救済、って言葉とか創作意欲を高める言葉とか考えに励まされたな〜
具体的にどうこう要素は少なめだけどその要素に置いて秀でてる作品紹介も載ってて読んでみたいなと思いました。

76. 1216 燃え殻
ボクたちはみんな大人になれなかった ❤️
短いのもあるけれど、ああこういうの、分かるなぁ…って共感してスルスル読めちゃった。
平成初期のノスタルジーを感じる描写に、なんだか泣きたくなっちゃった。(自分は平成生まれだけど、あの子供ながらになんとなくこれからの世界が大きく移ろい行くのを肌で感じたというか、)

77. 1217 大木戸いずみ
歴史に残る悪女になるぞ ❤️
所謂なろう系なんだけど死ぬ程肌に合わなかった。キャラの行動原理がとにかく違和感だったりゲームの世界でもないのにレベル概念出てくるのキッッッツってなっちゃった。家に魔道書が無いのは隠されてる…!?(さも意味ありげ)からのよく探したらありましたwこそ勉したら国で一番レベルの魔法使いになりましたwでページ閉じたくなったけど頑張って読んだ…。
肝心の恋愛パートも薄いし誰向けなんだ。

78. 1222 橘玲
バカと無知 ❤️
人は一人では生きていけない。だから集団に属すが、そうすると今度は差別と偏見が経験の中から生まれてくる……。
人間の仕組みとしてそれは仕方ない事だと受け入れて、なるべく広い視野で生きていきたいと思いました。綺麗事は誰も救わない。

79. 1224 三上延
ビブリア古書堂の事件手帖① 栞子さんと奇妙な客人たち ❤️
人が死なないミステリ、なんだけど謎が解けた時のスッキリ感が凄い!
温かな人間ドラマが古本と共に繰り広げられて、凄い人気がある理由が分かったな。北鎌倉というロケーションも梅雨明けの匂いと共に懐かしさを運んできていいなあ。
軽い読み口なのでまた次巻も読書の味変?したくなった時用に買っておこうかな。

80. 1225 レイチェル・カーソン 上遠恵子訳
センス・オブ・ワンダー ❤️
これ読んで、そのままの勢いで植物園に行く位には刺さるものがあった。普段は忘れているけれど確かに覚えてる事が浮かび上がってくるんだ。
小さな頃、凄い寒い中獅子座流星群を見るぞ、って自転車に毛布とレジャーシートを積んで自然公園の芝生の上で家族揃って星を見た事。星は正直全く覚えてないけど…あの寒さや夜道の事はずっと忘れないと思う。
あの時の眼差しを忘れないでいたいな。カメラが趣味で何でもトリミングして見る悪い癖があるので目だけじゃない感覚に身を任すこと。

81. 1227 夕木春央
方舟 ❤️
ネタバレ厳禁な特殊クローズドサークルものミステリ。最後まで全く犯人わからなかったし、動機が凄い。凄いったら凄い。話題作なだけはある…一気読みしてしまった📚

82. 1229 似鳥鶏
叙述トリック短編集 ❤️
方舟読んだらミステリ読みたくなって…笑
この本は手に取ると分かるんですけど、紙の本特有の仕組みがあって最初からワクワクする♪
割と叙述もの読んでるからこけしの話のトリック以外は分かったゾ!
特に背中合わせの恋人が好きでした。小説として甘酸っぱい…。

83. 1231 斜線堂有紀
ゴールデンタイムの消費期限 ❤️
神童と呼ばれた子が大人になるとその輝きを失うというのはよくあるもので、そんな元天才児
達の才能をAIによってリサイクルしようというSF×青春小説です。好きでい続ける事もまた才能なのだと勇気づけられたな。
自分語りだけど、昔は絵で賞を貰ってそういう学校通ってたんですが、本当に井の中の蛙というか、10代半ばで私には才能がないって気付いたしでも今更進路も変えれないしで美大時代マジで虚無だったんですが、結局美術とは関係ない仕事に着いたし、大人になってから表現したいのは感情って気付いて、文章に出会えてよかったなと思ってます。
多分もう身内にしか絵は見せないけど、これからも表現し続けることは何かしらの形で続けたいな。

2021年に読んだ本

そのまんま2021年に読んだ本です。

❤️が個人的に好きだった本
シリーズを一気に読んでるものはお察しの通り面白いです

1. 0202 越谷オサム
陽だまりの彼女

2. 0303 はやみねかおる
めんどくさがりなきみのための文章教室 ❤️
⇨小学生の頃は青い鳥文庫で育ったと言っても過言ではないのではやみね先生が書いてるなら読むしかねぇ!!!ってなった一冊
小説を描いてみたいな〜と思う人におすすめです!とっても優しいです!また読み返したいところには付箋を貼りまくってます。

3. 0307 二丸修一
幼なじみが絶対に負けないラブコメ


4. 0313 宇佐美りん
推し、燃ゆ


5. 0331 ヤマグチノボル
ゼロの使い魔


6. 0405 香坂マト
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います


7. 0617 三浦しをん
きみはポラリス

 

8. 0619 夏色青空
母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ


9. 0623 川上未映子
乳と卵


10. 0701 二語十
探偵はもう、死んでいる


11. 0719 武者小路実篤
お目出たき人


12. 0720 森橋ビンゴ
東雲侑子は短編小説をあいしている


13. 0724 森橋ビンゴ
東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる


14. 0724 森橋ビンゴ
東雲侑子は全ての小説をあいしつづける


15. 0726 相崎窓際
どうか俺を放っておいてくれ


16. 0729 金原ひとみ
蛇にピアス


17. 0801 祐夢
千歳くんはラムネ瓶のなか


18.0810 Tomy
1秒で不安が吹き飛ぶ言葉


19. 0830 伊坂幸太郎
アヒルと鴨のコインロッカー


20. 0830 顎木あくみ
わたしの幸せな結婚


21. 0904 山口悟
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった


22. 0905 葉月エリカ
堕ちる花嫁と二人の夫


23. 0905 宿野かほる
ルビンの壺が割れた


24. 0906 神田暁一郎
ただ制服を着てるだけ


25. 0906 乙一
夏と花火と私の死体

26. 0914 川端康成
眠れる美女 ❤️
⇨横たわる娘たちの体温が伝わる描写が凄まじいです、、、!本当に生々しい。
若さという輝きと老の対比とか、甘美なだけじゃない厳しさも感じられる短編です。

27. 0915 浅倉秋成
六人の嘘つきな大学生


28. 0916 藤本ひとみ 住滝良
消えた自転車は知っている


29. 0919 紅玉ふくろう
チヨダク王国ジャッジメント


30. 0921 小川仁志
むかしむかしあるところに、哲学者がやってきた。


31. 0923 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。


32. 0927 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その2


33. 0927 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その3


34. 0928 七斗七
Vtuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた

35. 1001 村田沙耶香
コンビニ人間 ❤️
⇨強烈な登場人物しかいない!笑
純文学ですが、とても読み易くて短い。尚且つ分かるッ〜!てなる人も多いと思います。
何もでもない自分が社会の決められたパーツに甘んじる事の安心感とか、他人の物差しとかしゃらくせぇ〜!!!って思ってる癖に結局はその物差しに縛られるところとか。

36. 1003 日本の言葉倶楽部
美しい「日本語」の言い回し


37. 1004 栢野すばる
人は獣の恋を知る


38. 1011 三浦しをん
舟を編む


39. 1012 三浦しをん
マナーはいらない 小説の書きかた講座


40. 1013 スティーヴン・キング
死のロングウォーク

41. 1014 服部まゆみ
この闇と光 ❤️
⇨これは事前情報を何も得ずに読んでほしい本です。普段からミステリとか読んでる人には分かっちゃうかもしれないけど、それを上回る程に美しい世界観です。

42. 1016 藤本ひとみ 住滝良
切られたページは知っている


43. 1020 瀬尾まいこ
おしまいのデート


44. 1026 村崎羯諦
余命3000文字


45. 1027 宮口幸治
ケーキの切れない非行少年たち


46. 1028 藤本ひとみ 住滝良
キーホルダーは知っている


47. 1107 榎本博明
隠れ内向と付き合う心理学 何でもないことで心が疲れる人のための本


48. 1109 千葉雅也
ツイッター哲学


49. 1114 吉本ばなな
キッチン


50. 1116 小川洋子
寡黙な死骸 みだらな弔い 


51. 1121 東野圭吾
名探偵の掟

52. 1122 千早茜
正しい女たち ❤️
⇨色んな女が登場する短編集。女の人って男の人よりも人生がガラッと変わる転換期が多い訳で、その苦さとか歳を重ねる事で持つ持論とか、プライドとか。考える事が沢山ありました。

53. 1125 立川浦々
公務員、中田忍の悪徳

54. 1126 雨宮処凛
「女子」という呪い ❤️
ジェンダー学とかフェミニズムについて興味がある人にとてもオススメ。私自身の趣味嗜好的に女という性別に生まれて良かった!とは思ってるけれど、やっぱり生きづらいよなぁ〜と思う事もあったりするので、そのモヤモヤを言葉にして貰うとああ、これが辛かったのかって納得できたり。

55. 1128 斜線堂有紀
恋に至る病 ❤️
⇨めっちゃ流行ってる本。個人的には超純愛ものだと思いました。
人の脆さとかが全力で伝わるので、メンタルが弱ってる時には読まない方がいいと思う。それ程に精神的に残酷。

56. 1202 太宰治
人間失格


57. 1205 吉本ばなな
吉本ばななが友達の悩みについてこたえる


58. 1208 西条陽
わたし、二番目の彼女でいいから。

59. 1210 村上春樹
ノルウェイの森(上) ❤️
60. 1213 村上春樹
ノルウェイの森(下)
⇨生まれて初めてハルキをキメました。取り敢えず代表作かなぁと思い、ノルウェイの森
直子に緑にレイコさんにハツミさんと沢山の女性が出るけれど、全員に共感できる面があったからか凄くのめり込んで読めました。
多分、すっごく気が沈む事があって「死のう」って決意した経験がある人には響くと思う。じゃなかったらやれやれ系小説で一蹴されるのも仕方ないかなあ?でも汚い新宿と、療養所の描写との対比とか、動の現世と静の死後って感じで美しかったな。

61. 1216 恒川光太郎
夜市

62. 1217 恒川光太郎
秋の牢獄 ❤️
⇨ホラー文庫から出てるんですが、恒川先生のお話はファンタジーというか、不思議な出来事を通して人が成長する、はたまたカタルシスを得る。みたいな私的には前向きに思えるお話が多いなぁと思いました。
この短編集では神家没落が一番好きです!人の温かさとか、繋がりを感じる描写がとてもほっこりするが故に……!!!読んで!!!!

63. 1219 みうらじゅん
人生エロエロ


64. 1223 村田沙耶香
地球星人


65. 1225 川田戯曲
推しが俺を好きかもしれない

66.1226 濱野ちひろ
聖なるズー ❤️
⇨獣姦というとアブノーマルな感じがすると思うけれど、本書は動物とセックスをする人とのノンフィクションルポものです。
ズーと呼ばれる動物性愛者の考えるセックスと愛の形に驚くけれど、確かにペットや子供としての役割を押し付けているのは人間で、動物本来との対等な関わり合いとなると性欲というものは切って離せないものだよなぁ、とは思う。
好奇心からでいいので、一度色んな視点でセックスや性暴力について考えてみたい人におすすめ。

67. 1227 辻村深月
噛みあわない会話と、ある過去について ❤️
⇨自分はその人に対して真摯でしたか?と問いかけられている様に思えて居心地が凄く悪くなる短編集。
ナベちゃんのヨメって話が、誰かの一番になりたいが故に傍目から見たら異常って人と添い遂げる話なんですけど本当にこういう結婚をした知り合いがいるので胃が痛くなった。
表には出さないけれど、その人に対して思っている仄暗い思いとか、まあ結局当人には態度でバレバレよって話とかもあったりで身につまされる思いです。

68.1228 水野恵無
冷徹辺境伯の監禁愛


69. 1229 早見和真
店長がバカすぎて


70. 1231 中山可穂
白い薔薇の淵まで