2024年6月に読んだ本

今月は8冊読みました〜
今回読んだ中では蛭田亜紗子さんの窮屈で自由な私の容れものと、高瀬隼子さんのおいしいごはんが食べられますようにが特に面白かったです!

言葉にできない心情を、情景やその成り行きで語る感じの描写好きだ〜!


1.0602 小川洋子
掌に眠る舞台
舞台がテーマの短編集。さぞ絢爛豪華な世界なのだろう…と思ったけれど、舞台と言っても様々だ。
儚い郷愁を感じさせ、温かいけれど通り過ぎて来た物を感じては切ない「指紋のついた羽」や「ユニコーンを握らせる」。
淡々としているけれど異様で、ルールを守るという制約の所為で禁欲的な色気を感じる「装飾用の役者」が私は特に好きです。
ヒグチユウコさんのイラストが入った装丁も素敵で、小川洋子さん独特の世界観を堪能するのに最適な一冊。素敵過ぎるので飾っちゃお〜。

 

2.0605 矢部嵩
保健室登校
全部読み切った事を誰かに凄く褒めて貰いたい。とんでもない怪作です。
個人的に合わなかったので酷評に思えるかもしれませんが、間違いなく天才だと思う。
けれど、キツくてしんどくてゲロのミックスジュースを一気に飲まされる感じがする。いや何を読まされたんですか?これ?
本当に人にお勧めできないけど、未知の世界への扉を開きたい方に…。
第一話のクラス旅行まではよくある系のホラーね(腕組み頷き)って思ってたんですけど話が進むにつれて話が分からなくなるよ。
カジュアルに人のモツが出て来たり、はたまた歌のレッスンとしてうどんを嘔吐したりと、本当に人を選びます。
グロは大好物だから任せろ!って人もなんというか、そうじゃない不快感があるんです。
文章も謎のリズム感があってキモい。なんだろう、本当にキモいんです。下手とかじゃなくて、会話が成り立ってないのに成り立ってる事になっている(?)
すげぇもん読んだなとは思ったけど、もう二度と読みたくない…。

 

3.0606 村田沙耶香
信仰
新たにカルト宗教始めて儲けようぜ、と誘われる所から物語は始まる。
主人公はいわゆる原価厨で、まわりが良い良い言っているブランドの服や財布を「いや布やん」と水を差しまくり夢クラッシャーとして嫌われている。
そんな主人公が私も現実以外を見てみたいと逆にカルトに入ってみようとするが…ってお話しです。
オチがね〜好きですね〜!!こういうのにはやっぱり向き不向きがあると思う。
カルトだけまあ悪く言われがちだけど(私も正直関わりたく無いけど)ブランドも推しも、本当に極論勝手に価値を見出した何かから勝手にエネルギーを貰ってるだけだからな…。
仏壇に位牌飾るかバック飾るかアクスタ飾るかだけの違い…。
冷静になり過ぎるとマジで生きてる張り合いがないというか、虚無になるので深く考え過ぎないほうが幸せかもネ…⭐︎ってなった。
生存という短編シリーズもディストピア感マシマシで好きでした。
多分あの世界だと私はせかせか働くのも無理だし野生に還るのも無理なので真っ先に死ぬと思います。
村田沙耶香さんの考える多様性のエッセイも凄く分かるな〜と思いました。世の中は白と黒だけじゃないので、決め付ける事で後から色々と後悔しないようにしたいと思った。自分にも、他者に対しても!!

 

4.0612 西尾維新
美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星
西尾維新作品は中学生の頃に戯言シリーズと世界シリーズを読破済みです。ノベルスに憧れる時期ってありますよね。あれです。
性癖てんこ盛り⭐︎ですが西尾維新節は控えめで読みやすい学園ミステリだなと思いました。
キナコさんのイラストも作品の雰囲気にあっていてとても素敵。
癖の強い美少年が沢山出てくるのでとんがった美を味わいたい時にオススメ。穏やかな雰囲気なので、暴力とか流血ってテンションじゃないけど、ゆるく西尾維新を摂取したい時に良いかもです。

 

5.0620 米澤穂信
春期限定いちごタルト事件
今度アニメ化する小市民シリーズの第一巻。
家族に米澤穂信先生のファンがいるのでこの機会に読めやと脅されまして…。
主人公である小鳩くんと小山内さんは「小市民」を目指して高校デビューをするのですが、その都度現れる謎を解いてしまい平凡からどんどん遠ざかってしまう…というのがあらすじ。
日常系ミステリで、気軽に読める感じのお話です。メインの謎はちょっと重たいけど、ココアの謎には笑ってしまいました。ココアを作ったことがある人ほど分からないの、いいな笑
小鳩くんと小山内さんの過去が知りたくなるし、この恋人関係でも依存関係でもないけど事情を知り合っていて協力関係…ってのコナンと哀ちゃんぽくってちょっとイイナ、、、と思いました。

 

6.0621 米澤穂信
夏期限定トロピカルパフェ事件
丸く収まって良かった〜⭐︎トロピカル〜🏝️って思ってたら、やってくれるじゃねえの…小山内さん…!!!
小鳩くんも引く復讐鬼、小山内さん。ハードな事件すぎてこの事件をトロピカルと呼ぶのは抵抗がある。
続きがあると知った上なので終わり方にえーっ!?と振り回されています。
お話の作りというか、二人の力関係が伝わって来たり、珍しい小鳩くんが見れるシャルロットだけはぼくのものが特に好きでした。

 

7.0625 蛭田亜紗子
窮屈で自由な私の容れもの
女による女のためのR18文学賞出身の作家さんが好きなので以前から読みたかった。
女の生き方に関する話が5話収録されている短編集です。
『ブルーチーズと瓶の蓋』は家庭における食による支配って、飢えさせるとか逆に塩分過多でターゲットを殺す…みたいなのを想像しがちだけど、普通のメニューでも出されるものを食べるしかない側からすると確かに不自由なのかも、と思った。
子供じゃないんだから食べたいものは作るなり買えばいいじゃんってのはあるけど、先にカレーが出されたら今から餃子包みます、はまあ現実問題通らないよな…。
基本家事に関しては自分がやる側なのでその感覚が抜け落ちていた。気付けてよかった。
『教会のバーベルスクワット』は大人の恋愛小説だなあ、と思った。自分の体が変容するのは思春期で体験したけれど、そうか妊娠すると信じられないほど感覚が変わる人も多いのかと今更気付く。
『保健室の白いカーテン』は私も週5・8時間労働が出来ない体になってしまったので色々考えてヴ、、、っと辛くなった。
森林限界のあなた』は最初当然のように男性だと思っていたけど、ある描写で気付いてから
人と人の距離みたいなものにはっとなった。
いくら好きでもやっぱり何も伝えずに愛し合うのは無理なんだなとも思ったし、愛してるの傲慢さに眩暈もした。
『コンバッチ!』は凄く生命力を感じた!
アラサーなのに好きな事で大成したいと夢見てる自分痛ェな〜、と突如虚無に襲われる事もあるんですが、少しは進んでると騙し騙し頑張ろうと思います。
何もやってない自分よりは何かやってる自分のが好き。
全体を通して気付きや、見て見ぬ振りをしている感情を揺さぶられてとても良かったです。蛭田先生の作品いっぱい読みたい!

 

8.0626 高瀬隼子
おいしいごはんが食べられますように
第167回芥川賞受賞作。ホッコリしたタイトルに反してエグめの人間関係が描写されていると話題だった作品。
私、め〜っちゃ好きです!この作品!!!!
日常の中にある、仕方ないんだけどやっぱりムカつく事に対する苛立ちと矛盾がきめ細かく描かれていると思う。
体が弱くて繊細な感じで、残業は体調を崩すから出来ないと自他共に認められている芦川さんを中心に話は展開する。
芦川さんの分、残った社員達は残業をするのだがキチッとしていて真面目な押尾さんは芦川さんが苦手。
そんな押尾さんは同僚で要領が良い二谷さんと
残業後ご飯を食べに行き、「芦川さんにいじわるしませんか」と提案する。
二谷はそれを了承するも、実はつい先日からなんとなく芦川さんと付き合い始めたばかり。
意地悪というとモラハラパワハラを思い浮かべるけれど押尾さんがするのは芦川さんに任せるには微妙に難しい仕事を回す位。(あの人は出来ないから〜で配慮されていたが本来は芦川さんがやる仕事)
繁忙期に入り、殺伐とした中でも芦川さんは帰る。そこまではいいのだけれど、彼女は同僚を労るために定時で帰っては家でホールケーキを焼いて、配る。
その流れがお決まりとなった中、芦川さんの机に無惨な姿になった彼女のお手製スイーツが置かれるようになって…という話。
体壊して、休み取るのも申し訳なくて余計に病んだ経験があるので芦川さんの立場も分かるのですが、押尾さんの気持ちが痛いほど分かる。
あの人良い人だから許してあげたくなる、って側になりてぇよ。私はいつもあの人良い人だからやってくれるよね側だもん。
人に丁寧に扱われる側になりたいなぁ。
押尾さん視点だとわりとありふれた日常ものなのかな、と思うけれど二谷さんの視点が意味わかんな過ぎて怖いよ。
一見押尾さんに近い感性なのかなと思うからこそ怖いです。絶対にこの人、おいしいご飯が食べられますようになんて思ってないので。

 

2024年5月に読んだ本

5月は9冊読めました!
今月は好きな作家さんを中心に読みました。
6月はまだ知らぬの作家さんの作品も読みたい所存。


1.0504 高瀬隼子
うるさいこの音の全部
好きな作家のSNSを見ると稀に「こんな事を平気で言えちゃう人なんだ…」みたいな、作品を鑑賞するにあたって余計なノイズが生じる事がある。
だから作家の事は知りたくないって人も多いと思うし、作家は自我を一切出すな!!!という過激な読者もいる。
個人的にはこの素敵作品を作った人の考え方とか好みを知りたいな~ってのがあるので作家の自我好き。合わないなと思ったら作品だけ見てわざわざSNSを見なければいい。
本作は文学賞を受賞した兼業作家が、仕事場での扱いが変わる居心地の悪さや、作家として望まれている受け答えをしている内に「自分」が何処にあるのか分からなくなる恐怖を描いていると思った。
高瀬隼子先生も、もしかしたらこんな経験をしたのかもしれない。そんな風に邪推してしまうのだけれど、そういう目で見てしまうのが作家とフィクションの切り離しをこちらこそ出来てなくてごめんね、というか。
この作品は受け取り手側への先入観に対する告発なのかなぁと思った。
作家を苦しめる共犯者にされているような、なんというか、読んでいて凄いしんどかった。
「作者なんだからこの作品と同じ思想なんでしょ」「いいえ違います」「でもあなたの中になければ出て来ない発想なのでは」
なんて詰められたら自分はどう答えるべきなのだろう。

 

2.0512 実業之日本社アンソロジー
彼女。 百合小説アンソロジー
昨今、同性愛というものは割とフツーに受け入れられていると思う。(私はストレートだけれど、魅力的な女性は一生見ていたいし、好きになるのに性別はあまり関係ないと思っている)
だから特別扱いするのもアレだけれど、それでも百合=女性同士の恋愛って良いよね…と思ってしまう。
女性ならではの湿度高めな感情と、どうしても気になってしまう周囲からの容姿のジャッジなど、楽しい事ばかりではないけれど、でも好きだ。
この本の感想を色々と見て来たのですが、冷たいお話が多くて百合好きとしておこ!みたいな人もいて、当然ながら人が百合に求めているモノって違うんだな…と思いました。

『椿と悠』 織守きょうや
ザ・学生同士の百合ってお話。
お互いが好きなのに言葉に出来なくて、すれ違う少女二人が愛らしくてもどかしかった。
ただちょっと失恋したら髪を切るって思い込みに付いていけなくて「?」ってなった。

『恋澤姉妹』 青崎有吾
↑の話と全然世界観が違ってビックリしてしまったけれど、好きです。
最強の暗殺者として育てられた恋澤姉妹(孤児の時に引き取られた同胞であり血縁関係はない)を見たものは数少ない。
そんな恋澤姉妹に師匠を殺された主人公が恋澤姉妹のエピソードを聞いていく話。
恋澤姉妹と主人公師匠ペアの関係が情報収集をしていく内に分かっていくのが面白い。
全体的にヒャッハー!な世界観なのも荒野に芽吹く強き花を思わせて好きでした。

『馬鹿者の恋』 武田綾乃
相手の方が私の事を好きで。だから私の方が上で。
意地になって好きって言えない少女に訪れる最高のバームクーヘンエンド。
人の愛は有限なのだという事を残酷なまでに知らしめるこういう話大好き♡

『上手くなるまで待って』 円居挽
スポ根文芸バトルじゃねーか!!
百合じゃないと思うけど(師弟愛だと思う)熱くて好きです。
どちらかというと一種の創作論として面白かった。

『百合である値打ちもない』 斜線堂有紀
オデ、斜線堂先生の作品、スキ。
凄く現代的で考えさせられる愛の話だと思った。
配信者同士(プロゲーマーでチーム組んでる)の百合カップルで容姿に差がある二人のお話なんだけれど、ファンの間では百合営業してるけどそもそも釣り合ってないという誹謗中傷はしょっちゅう。
そんな中誰にも、恋人にも言わずに、ただ隣にいてもいい権利を得る為に整形をする主人公。
整形後に変わる世界と、何も触れない恋人の本当の気持ち…。
世界は残酷だけれど、二人の繋がりに泣いてしまった。辛いけど、本当に読んで良かった。

『九百十七円は高すぎる』 乾くるみ
日常の謎と濃厚な百合。
大体が謎成分で占められている本作だけれど、
好きな人になりきりたいとか、お揃いの物を持ちたいっていう、そういうじっとり描写が合間合間にあって、一つ一つはさりげないけれどその感情は重いんだろうなってのが分かって良かった。

『微笑の対価』 相沢沙呼
メディウムとマツリカシリーズで、ミステリなのになんかキャラ描写が童貞臭いオタク感マシマシで苦手〜と思ってましたがド直球で恋愛ものだと雰囲気も合わさりとても良かったです。
愛する人の為に死体を埋める話は良い。
互いにお姫様だと思って尽くしてしまう描写が良かった。愛に振り回されている感が良い。

 

3.0514 朝井リョウ
桐島、部活やめるってよ
有名過ぎる作品なので今更かなーと読んでなかったのですが読んで良かったです。
でもこれは学生の時に読んだ方がブッ刺さるのかなぁと思います。
やりたい事があるタイプの陰キャ礼賛作品だなぁと思ったので…。
どうしても学校という狭い箱庭の中では容姿が良くて話が面白くてオシャレで自信があってスポーツも出来る人間が支配層に立つけれど、17才という大人でも子供でもない季節に踏み入れると、他者の表面的な所で測れない人間の深さみたいなものに気付き始める。
大人になっても容姿が優れてればもうなんでもいい!!!って人もいるし、現にルッキズムは根強い思想だけれど、生きるって千差万別で私はその役割から降りたから放っといてくれと思うんだけれど、学校という土俵ではそいつらがルールで、嫌でも上とか下とかを感じ取ってしまう。
一番自分と立場の近い前田くん・上位カーストながらバランス感覚が鋭い実果に共感しながら読みましたが、様々なタイプの学生が出るのできっと自分の立場に近しい登場人物がいるはず。
小説では一章ずつ主人公が変わる形式だったので、大絶賛されている映画版ではそれぞれの心情をどう表現したのか気になります。

 

4.0515 金原ひとみ
憂鬱たち
金原ひとみ先生の間違いなく純文なんだけどぶっ飛んでてエンタメしてて、頭おかしくてエロティックな文章好きだなぁ。
今日こそは精神科に通わないと…と自覚はしつつも色々と限界が来ている女主人公と、それを
邪魔する男二人がカオスなやり取りをする短編集です。
毎話男二人の役割が変わるので、一話目がドエロだったから次の話はもっと過激になっちゃうのかしら〜!キャー!って思ってたら意味不明なシチュエーションになってブッたげました。
主人公の流されてるけど、馬鹿にされたくないから謎に意地を張ってしまい、破茶滅茶な言動を取るけど根は融通効かない真面目な感じが本当に理解出来てしまって憂で鬱。

 

5.0519 坂木司
和菓子のアン
和菓子×日常ミステリ×少女の成長ストーリー。
登場人物達が皆優しいので読んでいてあったかい気持ちになる。
最近尖ったお話ばかり読んでいたので凄くホッコリしたし、だからといってホッコリ一辺倒ではなく続きが気になる求心力もあるお話だった。
デパ地下にある和菓子屋さんで働き始めたぽっちゃりなアンちゃんが、和菓子を買い求めるお客様の背景にあるストーリーに触れてどんどん成長していくお話。
沢山和菓子が登場するのですが、なるほど和菓子は味だけじゃなくて季節や歴史を感じながら食べる為に色々と考えられて作られているんだなぁとめちゃくちゃ勉強にもなりました。
好きな事だから、お勉強は苦手だけど知りたいなと思えるアンちゃんが可愛い。そして、容姿のせいで自己肯定感が低いアンちゃんだけれど、それに負けない強さを身に付けていくのが逞しい。
人気シリーズなのも分かるなぁ。続きが読みたいです!

 

6.0520 有隣堂YouTubeチーム
有隣堂が作る企業YouTubeの世界
神奈川県を中心に展開している有隣堂という書店がある。文庫本を買った時に選べるカラバリ豊富で上質なブックカバーが好きで好きでわざわざ通っていた事がある。
そんな有隣堂が手掛けているYouTubeチャンネルがあって、これが面白いのである。
性別年齢問わずどんな人がどんな本を読んでいるのか気になって読書系のチャンネルをよく見ているのだけれど、その流れで見つけた。
元々有隣堂を知っていたので本紹介…してないな!?店に置いてないものをなぜかオススメしてるな!?と逆王道を突っ走っていて驚いた。
毒舌だけど安心感のあるブッコローというぬいぐるみのMCと個性的で「好き!」を布教したい有隣堂社員の掛け合いが面白い。
食品や文具といった身近な紹介が多く、本に興味がない人でも楽しめると思う。
そんなチャンネルをどういう気持ちで立ち上げたのか…を動画内でもたまに出てくる広報の郁さんが描いている一冊。
一書店員としても感じている、昔ながらの書店業態だけではもう時代についていけないという焦り…。
未来を見据えてどう行動したのか、その考えの一端に触れられて良かったです。
あと個人的にブッコローは毒舌ではなく「素直で嘘をつかない」からそう見えるだけって言葉にハッとしました。
忘れがちなんですけど、本や文具って一般的にそこまで興味がない人には本当に興味を持たれないものなんですよね…。そこを忘れていたので、感覚が一般的で話が面白いMCを起用したという視点に「た、確かに〜!?」と唸りました。
ファンだけでなくYouTubeでの広報について興味がある方にオススメです。
動画は個人的に又吉直樹さん登場回が好きで何度も見返してます。

 

7.0525 凪良ゆう
神さまのビオトープ
死んだ夫が幽霊になって戻って来て、以前のままの暮らしを送る夫婦ふたり。
もちろん周囲には秘密だけれど、それを信じてくれる人もいる。
残された主人公である、うる波が色んな人たちと出会い、様々な愛の形を知る短編集。
優しくない世界だからこそ出会う優しい人達っているよなぁ、と読んでいて苦しくなったり、逆にまだ人の愛って捨てたもんじゃないって希望が湧いたりと、全体的に穏やかなトーンのお話なのだけれどかなり心が揺さぶられた。

 

8.0526 朝井リョウ
何様
桐島〜を読んで「何者」も良かったよな…と思いそのスピンオフを手に取りました。
何者を読んでいなくても楽しめるお仕事短編集だと思いました。
『水曜日の南階段はきれい』は学生のピュアラブ過ぎて震えちゃった。
こんな恋をしたらそりゃ他の女なんかどうでも良くなるよな…と納得しました。
『それでは二人組を作ってください』は何者を読んでいた時に一番不快感が強かった理香が主人公。
周りからの評価が気になるのはとても分かるけど、彼女の場合そもそもの軸がない癖にプライドだけは一丁前で、トライする前に諦めてしまう。
自分と全然違う属性の人間をなんとなく下に見てしまう描写にはウッ…となった。少なからず同族嫌悪もあるのだろう。認めたくないッ嫌だーッ!
『逆算』はアラサーだからこそなんか、そろそろ人生の中間テストというかそういうの意識してしまうの分かるなぁ…。
『きみだけの絶対』は脚本家の烏丸ギンジの甥っ子が貧困家庭育ちの恋人を連れて彼の舞台を見に行く話。なんというか、伝えたいメッセージを届けたい相手はこの場にいないってのスゲ〜現代社会への皮肉よなぁ…と思いました。
セックスをしたいだけじゃない、高校生らしい下手くそな甘え方とか本筋に関係ない描写が好きでした。
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』はずっと良い人で生きてきた人より、昔やんちゃしてた人の方が何故か褒められるあの現象に対するモヤモヤのお話。
善人ではないけれど、真面目寄りで面倒ごとを押し付けられるタイプ…と自分の事を認識しているのであの何故か許される感じ、なんか損した感じでむかつくぜー!
…今から不良にはなれないので何か良いことがあります様に。
『何様』は面接官は本当に面接のプロなんですか?いいや違うけれど、言葉に出来ない誠実な1秒…ってワードに「あ…なんか、知ってるその感覚」って頷いた。
嬉しいって感情だって時と場合によってグラデーションの強度が違う。でも、確実に無視できない感情の根本みたいな発生源があって。
色々と読んでは考えるお話が盛り沢山でしたので、気になる方は是非。

 

9.0530 坂木司
アンと青春
和菓子のアンシリーズ2作目。今回はお菓子という贈り物の場だからこその人間関係の悩みや負の面がピックアップされてる感じ。
前作ほどのHAPPY感はあまりないけれど、アンちゃんと立花さんの関係が加速度的に進んだ〜!!
京都っていうか関西のお菓子と関東のお菓子の違いを意識しながら食べ比べてみたい…。

2024年4月に読んだ本

今月は10冊読みました〜!
実用・教養書と小説のバランスが個人的に良い感じ。
有名過ぎて手に取るタイミングを逃した本もどんどん読んでいきたい所存。


1.0402 頼藤太希・高山一恵
はじめてのNISA &iDeCo
楽天証券SBI証券オルカンかS&P500買っとけ!!!
ニーサの事はめっちゃ情報流れてくるしやってるけどイデコについては全然知らないので手に取ってみました。
今はイデコに回せるほどの稼ぎがないので奨学金が終わったらイデコも視野に入れたいなと思いました。
実家が太くないのに私立美大はいくな(戒め

 

2.0407 川内有緒
目の見えない白鳥さんとアートを見にいく
ずっと前から気になっていてやっと読めた!
このタイトルを見てから、目が見えた時期がある場合、色や形の概念は伝わるだろうから、目の前の作品をいかに具体的に伝えられるかという尺度で「より良い鑑賞」が出来たとなるのかな?と思っていた。
でも、目が見えた事が一度も無い人の場合、正解ってないよな…。じゃあ、どういう事を伝えれば「より良い鑑賞」で、そもそも白鳥さんにとってのアートってなんだろう。って考えていた。
この本を読んで、「美術鑑賞」に正解を求めがちな自分に気付いた。作者の意図をより正確に汲み取れたら勝ち、みたいな。
多分これはツイッターで難解なアニメとかを語る時に発生する知識マウントというか、その流れから来ている気がする。
「美術」は自由なはずなのに、そしてそれを高い学費払って学んだ筈なのに、小説を書いたりしている内に「言いたい事伝わってるかな〜?」と作者の気持ちを答えなさい脳になっているのを自覚した。恥ずかしい。
そして当たり前なのだけれど、同じ絵を見てもその人が辿ってきた経験によって見えるものが違う。
作者の経歴とかを知らずに直感で好き!を大切にしてみたいなと思った。
美術館に行くと、いつも一番最初に作者の経歴や〇〇だから後世で評価されているという案内文を流れで読んでしまい、それを踏まえたフィルターがどうしても生じる。
見る人によって、美術は変わる。そして、当然ながら同じ人間はいない。だから、美術を通してその違いを味わう事がこんなにも幸せで贅沢に感じるのかな。
目が見えない=不便で可哀想という価値観は正しいのか等今一度考える事が沢山ある素晴らしい本だった。
美術館、久しぶりに行きたいな。それも難解すぎてちんぷんかんぷんなやつがいい。

 

3.0411 金原ひとみ
ミーツ・ザ・ワールド
恋愛経験ゼロの腐女子と自分はこの世から消えるべきだと思っているキャバ嬢の友情のお話。
キャバ嬢ちゃんのこの世から消えるべき〜ってのは悲しい事があったとか鬱とか厨二を拗らせているわけではなく、何となくこの世界においては自分は死んでいるのが自然な姿だと思うという考え方に基づいている。
恋愛経験全くないけれど、フワフワ生きてるし一度くらい経験したら考えが変わるかも、なんてノリで腐女子のゆかりは合コンに参加するも無茶をした挙句路上で大量嘔吐する。
その介抱をしたキャバ嬢のライはあまりにも生活能力がないので流れで一緒に暮らす事になるのだけれど、この二人の関わり方がファンタジーだけどリアルで、面白い。
近くにいて、大切な存在だけれど、全く理解出来ない。その生き方のすれ違いみたいなのが分かるなあって思った。
読んでいてすごいアサヒさんに惹かれたけどこういう男を好きになると絶対に大変な事が起きるのは分かりすぎる。

 

4.0414 ペーター・シュタム 松永美穂
誰もいないホテルで
海外文学、中でも新潮クレストを読みたいな〜とふらついていたらとても惹かれるタイトルが。スイス文芸の短編集です。
凄い淡々とした日々と、忍び寄るどこにでもある不穏がじんわりとゆったりとどこまでも広がり続けるも穏やかで不思議な読感。
物語的に二人は幸せなキスをして終わり、でもいいのに何処までも優しくない。けれど日常ってこんなもんだよな…とどこかこう、負の感情を自然と受け入れる体勢が読んでいるうちに出来てしまう。
松永美穂さんの訳が素晴らしくてスッと入って来るのもあるのかな。
シュタムの絵本も読んでみたいし、松永さんの訳なら若干苦手意識のある海外文学も楽しめそう。実りのある一冊でした。

 

5.0416 千早茜
西洋菓子店プティ・フール
凄く可愛らしい表紙でオビに書かれた「甘いものはこんなにも簡単に人を幸福にする」って煽りを見てホッコリ系を読みたいな…と思っていたので読み始めましたが、千早茜先生節が炸裂している。甘いクリームを引き立てるための苦味がとても強い。
連続短編集なので読んでいる内に他者から見た登場人物の印象なども分かって、それが凄くリアル。
お菓子だけでなく、登場人物達のいろんな形の片思いを描写しているのですが、綺麗なだけじゃない思いの描写が本当にゾッとするほど生々しくて素敵。
主人公に恋する男の子から見た世界とか、甘いけれど悲しみのエッセンスも感じられて凄く切なくなった。その彼に恋する女の子の、可愛い爪を施した手でケーキを鷲掴みにしたい欲求とか分かるなぁ…って思った。
あまりにも良かったので千早茜先生ブームが来そう。いっぱい読みたい。

 

6.0419 ブレイディみかこ
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
英国で暮らす白人の父親と日本人の母を持つ「ぼく」。
見た英国にまだ根強く残る差別や、最近になって変わって来ている風潮を「ぼく」の母であるブレイディみかこさんが学生生活や地域での暮らしを通して、生々しくも優しい視点で描いている。
日本も近年かなり経済格差が感じられるようになったけれど、明らかに「貧困!」って感じの人は道を歩いてはいない。
けれど英国では制服が明らかにボロボロだったり給食のフードミール、私立と公立校の全国大会での扱いの差など普通に暮らしているだけで「あっ」とその差を感じてしまう場面が多そうだ。
私にとって小さい頃、学校は世界の全てだった。そして理不尽を受け入れるだけの器はまだ育っていなかった。
だから、人によっては挫けてしまってもおかしくない環境だと思う。それでも、子供達は必死に世界を学んで、受け入れて、折り合いをつけていく。
環境が全く違う国でも、子供達は懸命に生きている。そして、偏見のないピュアさがある。
彼らを見習い、エンパシーを大切にして深く世界と繋がって行きたい。そう思った。

 

7.0423 松井久子
疼くひと
70才の女性に性欲はあるか?って聞かれたら「人によるけど、女性ってそもそも性欲がそんなにないんじゃ…お年も召しているし」って答える人が多いと思う。
あります!!!性欲!!!というのを声高に伝えたい。
女性の場合、誰でもいいからセックスしたい〜♡というのはあまりないと思う。
けれど、好ましいと思った人物と肌を重ねるかもしれないと思った瞬間にスイッチが入る感じ……。
あの官能の喜びと愛に年齢なんて関係ないと思う。
この本は今まで肌を重ねる愉しさを知らなかった70才の脚本家が、そのドラマのファンである56才の男と恋に落ちるお話です。
セックスをするに当たっての、老いに対する容貌の不安や気後れが生々しく描かれている。
でも、そういうフェーズ後の二人のセックスはとても開放的で凄く楽しそうなのだ。
ラスト、途中までは「えぇ〜!?」ってなったけれど、最終的にとても良かった。

 

8.0427 東崎惟子

少女星間漂流記
え〜〜、私これめっちゃ好き〜〜!!!
近未来、荒廃してしまった地球から生き延びた人々は安住の星を探して旅をしている。
優秀な科学者でコミュ力が高いリドリーと、内気だが腕っ節が立つワタリもその一人で、二人は銀河を馬車型の宇宙船に揺られながら様々な星を訪れる。
短編集で一話一話オチがつき、教訓を得たり、ほっこりしたりする。
星新一キノの旅を彷彿させるテイストなのだけれど、主役二人のほどよい百合関係(百合といっても、お互いをパートナーとしてリスペクトし合っていて信頼関係がしっかり築けているのが分かる女友達といった具合で性愛的な描写はない)がそこに合わさって来て、この二人にどんどん愛着が湧く。
ブラック味が効いている悪の星、ホラーみを感じる話の星、紙の本愛にうるっときた本の星のお話が特に好き。
夏の星、凄い日本の島村に漂う風の温度だとか匂いが伝わって来て、「ああ…」ってなった。一巻の終わりのお話として完璧だと思った。
二巻出たら絶対に買う。

 

9.0428 湊かなえ
告白
実は初・湊かなえ作品。
めちゃくちゃ有名な作品で、デビュー作。他に気になる湊かなえ作品はあるけれど、まずはこちらを読まないとダメかなと思い手に取りました。
自身の幼い子供が、クラスの生徒に殺されたと教師がホームルームで告白する事で物語は始まる。
このテーマだけで興味をそそり、次が気になるけれど、章ごとに変わる当事者達の視点から見たこの事件の本音や思惑がとてもナマの人間らしさを感じて面白い。
この子視点だと普通…か?って微妙な違和感も納得しそうになるんだけど、他の登場人物からするとやっぱりおかしかったり。
作品の方向性としては一人の人間の感情の深掘りというよりかは、悪意の育ち方に照準を定めている様に感じました。
犯人は分かっているのですが、答え合わせをしながら読み解くのが面白くて一気に読んでしまいました。
なんというか娯楽としての殺人を凄く堪能させて貰った感。
割とキツめのテーマも扱っているので不快に思う人はいるだろうな…と思いつつも、好きだなあと思いました。

 

10.0430 榎田尤利
犬ほど素敵な商売はない
角川の一般レーベルですが、濃厚な性描写のあるBLです。エッチだった…。
犬として買われた美青年と社長が徐々に惹かれていくタイプのBLなのですが、前半は本当に「犬」として躾けられる描写が続く。
それがまあ本当に性的な接触はゼロなのにお耽美で凄く好きでした。
人ではなく「犬」として心を通わせていく内に、人間の目線では気付かない気遣いだとか信頼に気付き、「犬」としての心地良い暮らしに染まっていくのが一番エッロ、、、と思いました。
BLだとド定番な攫われた受けを奪い返しに行くスパダリ攻めが見れてちょっとコテコテだなとは思いましたが、皆好きだから…。
私もこのパターンは…来るぞ!遊馬!とは思いつつテンション上がりました。

 

2024年3月に読んだ本

今月も7冊と少なめです、、、

引っ越しとか転職とか推し関連で落ち込む事があったりと、、、(切り替えるのがド下手

全然違う会社ですが書店員、続けています。ラノベ担当でしたが暫くは担当を持たなさそうです〜。それでもラノベは気になったものを読んでいきたいと思っております。

 

1.0301 藤崎翔
逆転美人
紙の本でしか出来ないミステリとして話題になっている本。
本の内容としては美女として生まれた主人公がその美しさによって悲惨な事件にあってしまったのを、面白おかしく騒ぎてるマスコミに抗議する為の告発手記、なのですが。
ミステリ部分の仕掛けにも本当にビックリでしたが、その仕掛けを抜きにしても本文の内容が面白い。
美人は得と言われるけれど、その分嫉妬を買いやすく、その美貌を活かせるくらい知力や上手く立ち回れるコミュ力が無ければ奈落へ引き摺り込もうとする腕から逃れられない…というのもなんとなく分かります。
ある1人の女の生涯としても、とても読み応えがありました。おすすめです。

 

2.0305 凪良ゆう
流浪の月
2020年本屋大賞受賞作。
お互いを必要としている二人が、その出会い方の特殊性から誘拐犯とその被害者として世間から扱われる話。
誘拐犯とその被害者の愛というと美女と野獣という童話を思い出す。
ストックホルム症候群といって、加害者である誘拐犯でも、極限状況で優しくしてくれるから被害者は好意を持ってしまう…という例があって、よくその見本として名前が出される事が多い。
容姿が良かったから、という理由で邪魔されない「真の絆」を描きたかったから王子は野獣という姿なんだろう。家族が提唱するベルがケモナーだったという説も面白いけど。
話は戻って、もし、周りにロリコンの誘拐犯とその被害者がいて「私達は正常で、お互いが必要だから一緒にいるんです」と言われても、私は被害者の事を「洗脳されて可哀想に」ときっと憐れむ。
人の心は見えない。だから、私も世間も普通という物差しを片手に、物事を当て嵌め、納得のいく真実を勝手に各々決め付ける。
でも私が一当事者になった時、私以外に誰が私の気持ちなど分かる、と叫びたくなるほど強い気持ちを抱く事もある。
恋愛ではない、でもこの人と一緒にいる時、空気が吸いやすい。そんな必然性のある二人の描写や、心に傷を負った人達の弱った心を描くのが本当に凪良先生は上手い。
読んで良かった。心からそう思える作品でした。

 

3.0306 カレー沢薫
モテの壁
モテ力とはなんだ!?そう、それはコミュ力(ぢから)…。
人と関わるのはとてもエネルギーがいるので、一人が楽というのはめっちゃ分かる。
でも生きるのには働いたり買い物にいったりと絶対に人と関わってしまう。
そんな時に愛嬌があると生きやすくなるというのを色んなアニメやドラマやらを例にカレー沢節が炸裂したコラム集です。
ハイローの事全く知らないけど、琥珀さんがどうかしちまった事だけは知ってるのですが、その琥珀さんの人間臭さが、そりゃ構いたくなってしまうわ!に満ちていて面白い。
完璧すぎてもダメで、ちょっとばかり隙がある方がなんとなく親しみやすいのはSNSとかやってても分かるなぁ〜と思う。
新卒で入った会社の飲み会で、若い女なら歌えて当然だろうとマイクを回されて困った覚えしかない西●カナには勝手にうんざりしていたし、彼女を支持する層とは無縁だと思っていたけど、改めて自分が敬遠してた理由と向き合ってみるのも面白かったです。
モテというと軽薄と思われがちだけど、人に好かれる為に努力する事って尊いよなと思い直すのでありました。

 

4.0312 朝依しると
Vtuberのエンディング、買い取ります。
その昔、ポケモン廃人をやっていた過去があり、めちゃくちゃ対戦が強い美少女Vtuberを筆頭とした「ゲーム部プロジェクト」という企業Vtuberを追っていた事がある。
彼らは解散してしまったが、まだまだVtuber黎明期の話で、今となっては信じられない事案が当時起きていたのだ。
その事案というのが、ブラック過ぎる労働に耐えかねた中の人=魂が続々と辞め、同じ器に新たな魂を入植させた、というもの。
配信もしていたけれど、基本的には台本形式の動画を投稿していたので運営側は扱いに困る魂を捨てて、新たな魂で再出発しても特に問題は無いと思っていたのだと思う。
結果、同じ顔なだけの知らない人に誰も着いていかず、最悪な終わり方を遂げた。
魅せるプレイさえ見れればいい、と見始めた自分でさえ何処かで愛着が湧いて、新しい魂はどうしても受け入れられなかった。
可愛いキャラクターのアバターだけでは、Vtuberとしての生は始まらない。そう私は思う。
特に彼らとやりとりをしたいと思った事はない。でも、作られた創作物ではない、中の人がいるからこその温かみに魅力を感じる。
でも中の人がいるからこそ、卒業や引退、そして炎上は必ず付き纏う。
本作の主人公達はそれぞれの方法で推しの死に向き合っていく。
主人公のやり方は正直理解できないけれど、そういう支え方もあるのだと思う。
加熱する推し活時代、推しに対しての向き合い方を考えるのにも良かったと思います。
推している自分が好きというか、推している時は推しの事しか考えなくていいから「楽」というの、正直分かってしまう。
でも、純粋に好きで、元気を貰えていて、何かしら形にしないとウズウズする〜!という気持ちも本当。
読んでいて辛い気持ちにもなったけど、考えるきっかけになった一冊です。

 

5.0321 綿矢りさ
私をくいとめて
おひとり様の、一人だからこそ外部からの嫌な刺激がない生活。でもそれを受け入れるという事は良い刺激も逃してしまうという事で…。
アラサーの主人公は、久し振りに恋の予感を感じる。けれど燃えるような情熱は全く湧かない。だけれど、この人といると穏やかな気持ちになって楽しいと思う。
積極的に「恋愛!」にはならないけれど、この人にもし違う特定の人が出来たらきっと寂しくなるだろう…という確信。
でも、この思いが成就したら、人生はまるっと変わってくるし、それがとても怖い…ってのは大人ならば共感できると思う。
この作品は変化に怯える大人の繊細な感情が、綿矢りささん特有のユーモア溢れるリズムで描かれている。
優しい気持ちになれて、尚且つサクッと読めます。

 

6.0326 倉橋由美子
大人のための残酷童話
有名な童話を再解釈して、ファンタジーだから許されていた部分を徹底的に残酷に、皮肉に、リアルに描いた短編集。
全体的にエロティックなのですが、下品ではなく官能的で淫靡。そして性特有の話としてのユーモアもある。
解説を読んで、確かに童話って徹底的に感情が排除されていてファンタジーと現実の境目が凄く曖昧で「小説」ではないのだと納得してしまった。
個人的に好きなのは人魚姫をベースにしたお話。上半身が魚で、下半身が人間…までは誰もが思いつくかもしれないけれど、最終的な混ざり方が凄まじかった。
彼女の涙という名の愛液が溢れる度にボロボロと真珠に成るのがメルヘンでありながらも、色々踏まえると残酷なのが良いです。
美も、悍ましさも、気持ち悪さも描写が一級品過ぎて、視覚的に辛かった。でも、それが最高だった。
挿絵の柄澤齊さんの作品も雰囲気に合っていて素晴らしい。

 

7.0331 柳広司
ジョーカー・ゲーム
戦時中の日本軍に属するスパイ組織、D機関が活躍する短編集。
硬派だけど、読みやすくて面白い〜!
スパイものというとアクション、というイメージだけれど本作は謎解きものです。
スパイならではの感性や生き様、また向いている人間…というか化け物の素養の部分の話とか、軍人にして軍人であらぬ思考など、スパイという生き方について知る事が出来た。
事件だけではなく、スパイ組織といえど、軍の一部なので一枚岩というわけにはいかず、面倒事が起きたりするも、そこを華麗に立ち回る本作の中心人物、結城中佐が本当にシブくてかっこいい。
現場には出てこないんだけれど、存在感が凄まじい。ベテランの風格。
色んな形でメディア化されているのも納得な位キャラ立ちがしっかりとしていて、シリーズの続きが読みたくなる。

 

2024年2月に読んだ本

引っ越しの準備やら、ペルソナ3リロードとapexの新シーズンプレイしたり、ハズビンホテルを一気見してたら2月…終わっちゃった…。

今月は7冊と少なめになってしまいましたが読んだ本はどれも面白かったです。

 

1.0205 奥田亜希子
透明人間は204号室の夢を見る
私は二次創作をするオタクだし、見た目も悲しい程にイケていない。
けれど、アニ○イトの前で奇声を上げるタイプのオタクを見ては「あちら側には絶対にならぬぞ…!」と固く誓っている。
あちら側、こちら側、その真ん中というのがこの世には常々あって、それは人によって基準が違う。いくら私が「私は現代社会に馴染めてるオタクなんだ〜!」と主張してもキラキラ世界の人からすれば「オタク、キモ」と一蹴されてしまうだろう。

本書の主人公である美緒も、二人組作って〜!で必ずあぶれる、かなり重症な陰キャである。
最初はまあ地味で、学生時代のノリという狭い世界に馴染めないだけの、フツーに陰なのだろう…と思っていたが、陰仲間である筈の私すら引く程に、美緒はあまりにもホンモノなのだ。

「身の程を知れ」というペンケースのエピソードや、自分のフィールドに人が来た瞬間だけマシンガントークになる描写とか本当に辛くて、こっちが苦しくなる。

そんな美緒だけれど実は学生時代にとある文学賞を取った作家である。けれど、書けない日々に苦しんでいる。本は売れないとどんどん返品されるものなので、どんどん自著は街の本屋から消えてゆく。
人々に忘れられていく中、大型書店で自作を手に取る男が現れ、美緒はこの男がどんな人物なのかを知りたく思い、ストーキングをする事で物語は動きだす。
日々、彼=春臣のポストに書けなくなっていたはずの小説を投函し、透明人間という空想に耽っては自身の意識を彼の部屋に飛ばす。

ある日、SNS経由で知った、春臣の恋人であるいづみが巻き込まれたトラブルを救った事で、美緒は恋人達に急接近する事になって…というのがあらすじです。

この本を読む人の多くは美緒か、輝かしい未来を全く疑わないいづみを眩しく思う地に足がついた春臣に共感するのかな…と思います。私は海のシーンから春臣にグッと共感しながら読みました。
痛くて苦くてしょっぱいお話ですが、凄く好きです。

 

2.0206 山下紘加
煩悩
中学生の頃から嶽本野ばら先生が好きなんですけど、それきっかけでほんタメのあかりんと本の好みが似てるかも!?と思い、彼女がオススメする本はチェックしていたりする。
本書もあかりんのほんタメ文学賞候補作品である。

この本は女友達が題材である。
涼子と杏奈、この二人の関係性は読む人によって意見が別れそうだと思った。二人は親友?百合?それとも母娘?
無防備でやさしい杏奈を、優しい言葉で支配する涼子が気持ち悪いと思いつつも、女友達を繋ぎ止めるのって難しいよねとも思った。
女同士の特別って不思議で、彼氏じゃないのに誰かに取られるのが信じられないくらい許せない事がある。
寂しいから必要なのではなく、彼女じゃないといけない、そんな必然性がある。名前のつけられない歪んだ感情がただただひたすらにグルグルして、ストーリーが進行するわけでもなく、正直とても読み辛いと思った。
けれど、人間の感情ってそういうものだよな…と思う。
タイトルの煩悩はどこにかかっているんだろう。難しい読書体験だった。

 

3.0214 俵万智
あなたと読む恋の歌百首
短歌というものをあまり知らないのだけれど、お店でパラパラ〜っと見たらなんか、短い歌だからこそ、立ち読みでもグッと引き込まれて気付いたら買ってました。
とても良い恋の歌のアンソロジーで、百人の歌人の百通りの愛が載っている。

俵万智さんの、恋愛に関してすごいあけすけで、生活感すらある飾らない気持ちが解説としてとても面白かったです。
恋のあるある集でもあると思うので、夢女の皆さんは推しとどんな恋愛をしたいのか想いを馳せてみても楽しいかもしれない。いや嘘、絶対楽しいです。

私のお気に入りの歌は青井史さんの「月に立つ君のそびらのひとつほくろ告げざらば永久にわれのみのもの」です。
自分だけしか知らないほくろって、イイ。

 

4.0216 葵遼太
処女のまま死ぬやつなんていないみんな世の中にやられちまうからな
凄いタイトルだな…と思い手に取った。
女に生まれると知りたくないもない、商品価値としての女体を実感させられるし…そういうテーマなんかな…って思ったら、難病純愛ものと青春バンドものの両方の性質を併せ持つ♡お話でした。特盛!

読感もよく、気持ちよさと愛おしさと切なさで涙が溢れました。
闘病パートと青春パート、温度感は違くても同じ優しさが流れていて、この一冊でこの二つのテーマを描く必要性がしっかりと感じられました。
プロローグの砂羽視点の、初めてのセックス後、世界がキラキラと輝いて見える描写がとても好き。
だからこそ濃厚セックスのくだりにワンワン泣いちゃった。
クラスで浮いてる奴らでバンド組むの、ベタだとは思うけど大好物です。ギャルとオタクの組み合わせも大好物です。

 

5.0222 畑野智美
ヨルノヒカリ
優しいお話を読みたいな〜と思っていた所、この本をすすめるツイートが流れて来ました。
元々複雑な家庭育ちで、更には母親が亡くなり天涯孤独になってしまった青年と、恋愛感情が分からない手芸屋の女店主の心温まる交流のお話です。

この、ドキドキを感じるわかりやすい性愛じゃないけれど、この人といると優しい気持ちになって、離れたくないなぁ…って気持ち凄く分かる。
お互いの居場所を見つける、優しい距離の縮み方がとても好き。
登場人物皆良い人だけど、ちょっとした欠点だとか生々しいリアルの部分があって優しいだけの御伽話的フィクションじゃないのが良かった。

布を断ち切るあの失敗出来ない、張り詰めた緊張感とか、相手を想って作るお洋服の描写とか、手芸はあまり触ってこなかった分野だけれどその温もりが伝わって来て、この作品に外せない要素だと思いました。

 

6.0225 たかた
クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
次に来るラノベ〜以前からめちゃくちゃ売れていましたがやっと読めた。
2番目と容姿を評価するのどうなんだろう…AKB商法というか、美人過ぎても〜っていうやつなのかなー?って思っていたけど、ちゃんと(世間の評価的に)2番目じゃないと駄目な理由があって良かった。

いわゆる1番ちゃんとの友情や、どうしても比べてくる外野や、それ引っくるめてうまくやろうとしてストレスを抱えているヒロインの内面がしっかりと描かれているのが好き。
主人公は陰だけれど、誰かを見下したりもなく、ちゃんと意思表示もするし、好きなものがあって、それを大切にしているからこそヒロインとの好きなものを分かち合う交流が響いたのも分かる。
高校生らしい青さとキラキラした甘酸っぱい成分を摂りたい人におすすめです。

 

7.0229 杉浦さやか
世界をたべよう!旅ごはん
イラストレーターの杉浦さやかさんのイラストたっぷりな旅行ごはんエッセイ。
読んでいてすごい癒された〜!イラストの色遣いがとてもキュートでまあるい線画と合わさり明るい気持ちになります。
そして、食という身近な日常から世界を知るのって本当に楽しい!
TWGのお茶が好きっていうのもあるけど、シンガポールに行ってみたいな〜と思いました。
つやつやの鶏肉がどーん!とのったチキンライスとっても美味しそう!市場で色々見て回りながらごはんを買うのにもとても憧れる♡

 

2024年1月に読んだ本

2024年1月に読んだ10冊です。

小説以外も今年はいっぱい読んでいくぞ~!

自分の好みに偏りがちなので話題作も読みたいです。

 

1.0105 僕のマリ

常識のない喫茶店

作者さんが働いている「常識のない喫茶店」のエッセイ。

接客をやった事がある人なら分かるあるある集だ。

新年からモヤついた私のエピソードを聞いてほしい。 某電子決済が上手く出来なくて癇癪を起こすおじいちゃんに「お手伝いしましょうか?」って聞いたら「ぶん殴ってやろうか!」と言われ、連れの奥さんはギョッとし副店長が私を庇う為に飛んで来た。

副店長がくるとおじさんは大人しくなって、平和に会計が終わった。なんじゃそりゃ。

女で、おとなしそうで、店員って理不尽な目にめっちゃ合いやすいよな…って常日頃から思っているけれど、これは最近の中でも一番モヤついている。たぶん、殴り返されるとか1ミリも思ってないんだろうな…。

マリさんの働いている店では店員が不快に思ったら客を出禁にしていいし、お喋りや頭髪も自由。客と店員は平等がモットー。

金さえ払えば何してもいいと思ってる加害者にするサービスなんてねぇ!ってのは読んでて凄く共感出来た。それにね、店員が不快に感じる客は他のお客様も不快なんだよ。

基本このエッセイは知り合いの愚痴を文章で聞く感じの作品なので、合う合わないが分かれる上で言うけれど、お客様をランク付けする様な行為や裏であだ名で呼ぶのは下品だなって思っちゃったの…。

私はお店に行く時顔と名前を覚えて欲しくないタイプだからってのはあるかもしれないけど、絶対マリさんの店に行きたくないって思った…。ごめん。

でも、接客はもっと自由になっていいって信念には賛同します。

 

2.0106 三月みどり

エリート

「グッバイ宣言」でライバル役として出た綾瀬が主人公の話。

視点が変わると大分印象が変わるというか、殆どの人は多分レナより綾瀬のが共感出来る存在なんじゃないかなーと思う。

エリート=優等生は、凡人の中で優れた人で天才には決して敵わないけれど、でも「好き」を追い続ける事が生きるという事なんじゃないか?とストレートに問う話は、素直に胸に響きました。

ヘタの横好きかも知れないけど、これからも二次創作を一生続けたいし、自分の脳みその中にある妄想を出来うる限り最高の文章でお届けしたい。

 

3.0112 献鹿狸太郎

赤泥棒

表題作含む三作品で構成された本。

お客様にこの本あります?って聞かれて、印象的な表紙だったのとそのあらすじに絶句して直ぐに手を取った

まず、全体を通して勢いが凄い。「お前の繊細で守りに入った心を掻っ捌いてぶっ殺してやる」っていう風に私は受け取ったんですが、この本を読んだ人はどう思ったのか気になる。

凄い攻撃的な文章なのにシニカルでリリカルでこの本を読む事で初めて知った言葉が当然ですとばかりに居場所を文の羅列の中で得ている。

若い人の作品だ、でもそれは稚拙だからではなく、若い人にしか書けないパワー…って思ったら本当に20代前半の慶應大学院生で漫画家ってなんなんだこの人!?!?この事実が後に語る作品の事を考えると残酷過ぎて泣いちゃった…

「赤泥棒」は女装して女子トイレから使用済みナプキンを盗む主人公菊人と、女子トイレから出てきた菊人をマイノリティだと勘違いしたトランス男性である睦美の交流の話です。

読んでる途中、この作品の感想を書くのにあたって私自身のLGBT観について触れないとダメそう…って思っていたけどなんかもうそういう枠じゃ無いパワー!!!!!って感じのオチで力強いわ、ある意味って思いました。繊細なテーマな筈なんですけどね。

菊人の卑しい最悪な心情描くの上手すぎて、なんかもう嫌なのになんか分かって吐き気を抑えながら読んだので短いのに凄い読むのに時間かかった。過激なグロって訳でもないのに参っちゃったよ。

「青辛く笑えよ」は分かりやすく暴力系な毒親育ちの子が思う愛とは、な話です。

自分も子供の意見は全否定しないと気が済まないタイプの親持ちなので、愛とは相手の顔色を窺いながら築くものと思っている節があるのでトラウマを刺激されて鬱になりました。

「奇食のダボハゼ」は自分では何も創造出来ないのに、センスの良い他人を発掘しては自分のアクセサリーとしてご意見を垂れ流す高校生のお話。

ネットという匿名性が強い場においては、どっかから引用した冴えてる考えをズラッと並べとけば権威的に装えるけど、現実世界に引き摺り出された時、そいつは何の意見も持たない小せぇやつだったみたいなのはあるあるだと思う。

残酷だけど何も持たない人間というのはいて、その人達も才能に満ちた人間達と同じ道を歩かざるを得ないのが人生で…。 ってのを才能に満ちた作者が書いてるのグロテスクな現実過ぎて泣いちゃった。

嫉妬で人間はまっすぐ立てなくなるので、持っている人間は自分が上を向く事だけに注力出来て、いいよなぁと僻む自分がもう本当に嫌。

この本読んで全体的にもう本当に嫌な気持ちにしかならなかったけど、でも間違いなく読んで良かったとも思っている。おすすめです。(半ギレ)

 

4.0114 岩田徹

「一万円選書」でつながる架け橋

いわた書店さんと言えば、カルテでお客様の話を聞いて一万円の予算で本を選んでくれるサービスの先駆者として有名である。

私もチェーン系の本屋で働いているけれど、どうしてもチェーン系の本屋は経営会社が違くても出版社が売りたい物・ベストセラーが多く並び無個性になりがちである。

昨今、それもあってか店主がセレクトした本だけが並ぶ独立系書店が増えているのはご存知だろうか?

誰もにうっすら響くではなく、誰かにドーンと響く、そんな本を私も売り場に並べたい。胸を張って良いと言える本を進めたい。

前も言ったけど本屋は「推し活」なのだ。 いつか自分も選書してみたい。その為に良書を沢山読んで自分のものにしなくてはいけない。これからもがんばるぞ〜!

 

5.0116 佐原ひかり

ブラザーズブラジャー

父の再婚で出来た血の繋がらない弟は心が女性とかでは無く、ファッションとしてブラジャーを愛している。

変だとは思うけれど弟に凄く似合っているなと思う主人公との交流が、すごいぶつかり合うけれど優しくて、でもやっぱり理解してくれない人もいて心が揺さぶられました。

こういう人いるな、っていう解像度が凄まじくて特に主人公の彼氏との揉め方が高校生らしい若い傲慢さとかを感じてチクリと胸が痛んだ。

しんどい場面もありますが、主人公達に芯があるので全体的には明るく爽やかです。 痛みを感じるけども優しい気分になって、とてもおすすめです!

 

6.0117斜線堂有紀

愛じゃないならこれは何

不健全な関係で成り立つ恋愛小説短編集。

「ミニカーだって一生推してろ」は売れないアイドルが唯一のファンに対して凄まじい執着を見せ、ストーカーする話。

アイドルとファンという線引きを守ろうとするファン側と、自身の存在を初めて見つけ出してくれた人にズブズブと依存していく対比がとても良かった。好きです。

「きみの長靴でいいです」は誰もが憧れる女王のようなファッションデザイナーとそのナイトのごとく振る舞う写真家の、夢みたいに美しい世界が写真家側の突然すぎる結婚報告によって崩れる話。

人間の生活は夢ばっかりじゃ無くて現実があって、結婚はその現実でするもので…みたいなお伽話なんてないんだよ!って説教をされてるようで泣いちゃった。

「愛について語るときに我々の騙ること」&「ささやかだけど、役に立つけど」 男2・女1の組み合わせの仲良し3人組の関係が、時を経て変わっていく話。

最初は凄い少女漫画的だな!と思ったけれど、それぞれが求める関係の為に裏で歪な恋人関係になったりと、好きの為に傍目から見るとおかしな行動をとるのが感慨深い。でも誠実な愛なんだよな。

「健康で文化的な最低限度の恋愛」は片思いする人間と会話するために、全く興味がない相手の趣味に合わせ続けた先にあるもの、って話。

好きな人間の為に合わせるってのはあるあるかもしれないけれど、この主人公はかなり覚悟が決まっている。恋に溺れていく度に沈んでいく自我の描写がスゲ〜怖かったです。

一風変わった恋愛小説が読みたいって方にとてもおすすめです。

 

7.0122小池陽慈

ぼっち現代文 わかり合えない私たちのための<読解力>入門

登場人物の気持ちを考えなさい、を文法の説明と共に教えてくれる本。

この本の中で紹介されている荒井裕樹さんの「まとまらない言葉を生きる」って本の「きっと、人には、人の体温でしか温められないものがある。その体温を、単なる「温度」として捉えるのか、それ以上の「何か」として捉えるのか。この「何か」として受け止めようとする力が「文学」なんじゃないか」って一文に凄い感動しちゃって、原書も読まなくてはと思いました。

感情を表す言葉や表現は沢山あるけれど、その向こうの言葉で表せない何かって必ずあって、それをどうにか一番近しい衝動で表すけれどそれが伝わるのって奇跡ですよね。 文学というか、本って本当に対話だよな…。

 

8.0124 逢沢大介

陰の実力者になりたくて!

アニメの影響もあって爆売れな本。

学校にテロリストが突然襲撃してきて、突如活躍する俺…!を世界規模でやるというストーリーで、皆大好き中二病を余す事なくコミカルに描いている。

本の装丁的にシリアスなお話なのかな、ってタイトルしか知らない時は思ったけれど基本中二病に取り憑かれている主人公がそれっぽい事言うとマジでそれで皆尊敬しちゃう…///って感じのギャグ全振りなお話です。

有能お姉様系ヒロインが好きな人ととにかく笑いたい人にオススメ。 笑いのセンスが合わないとこういうタイプの作品は厳しいと思いますが、私は好きです。

 

9.0127 大田比路

政治的に無価値なキミたちへ

この本は早稲田大学政治学の講義を文章で受ける事が出来る本である。

まず前置きが2つあって、私は政治初心者なのでもし極端すぎる思想を間違って抱いていたら教えて欲しいという事、

そして新卒で入った会社がブラックで心身共にぶっ壊した事があるという人間の立場から見た現代日本の疑問点について考えた事を話します。

この本、一番最初にチャート的なものがあるんですよ。普段どれだけ政治に無関心でも気になるトピックに対して○か×かでざっくりとした政治思想が割り当てられる。

私は共同体主義(初めて聞いた〜!)なんだって。 個人が富む為には集団も同じ様に富まねばならない、って考えに凄く共感出来て皆もこれでしょ!って思ったら日本だと保守派が6割以上らしく初っ端から異端か…!?って頭抱えてしまった。

世界と比べて日本の生活はある程度の縛りがある故に良いところもあるけれど、やはり不寛容かもしれない、とうっすら思っていた事のデータ等も載っている。

で、この本を読んで思ったのがやっぱり少子高齢化とか不景気なのはやっぱり日本の富裕層が労働者を人として扱ってないから、一度壊れたパーツは直んないからそこから壊死がどんどん広がっているのかなあって。

貧乏人は努力不足って切り捨てるのは簡単だけど、所詮首輪自慢というか、やらなきゃいけない汚れ仕事は絶対誰かに回ってくるんだから最下層が死んで最終的に金の首輪を付けた貴方がやるのかも。って思った。

緩やかな資本主義は健全な競争を生むのでいいと思うけどなんだかコロナ後あたりから凄く中流世帯の中でも経済格差的なものを感じる様になって、やっと今回私は政治学というものに触れる気になった。

政治について話すとちょっと前までヤベー奴扱いだったけどあまりの不景気故に皆政治に関心が芽生えた気がする。

近年は日本の勤労こそ美徳って精神に僅かながら革命が起きていると思う。心のゆとりが持てる賃金と余暇があれば日本は頑張れるんじゃないかな、と理想主義者が言ってみる。

もう手遅れの段階とかその為の金は!?とか言われたら分かんないし、初心者考えで色々間違ってたらごめんなさい。 でも、明日を生きたいと思える暮らしにしないと、何もかもが上手くいかないと思う。

 

10.0130 帚木蓬生

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

フォロワーさんが読んでいて、白黒付けたがりでメンタルよわよわな自分向きだな…と思い読んでみる事に。

日薬…月日が経つと自然と癒える力

目薬…人の目があると見守られている・期待されていると奮い立つ力

という考え方と、ネガティブケイパビリティ=気分が落ち込んでも持ち堪える力という3点を強く意識出来れば負の思考のループから確かに抜け出すことが出来そうだなと思いました。

弱ってると目先の事しか考えられなくなって、余計に変な事を言ったりして事態を悪化させがちなので希望のある未来のイメージを待てるようになりたい。

正直俺馬鹿だからよぉ…わッかんねぇよ…!!って思う事が割とあったり(源氏物語のくだりとか)具体的に心が強くなる方法を教えてクレメンス、、、と消化不良な所もありました。

でもプラセボとか医学的事実に基づいたお話はとても面白かったです。

2023年に読んだ本

107冊読みました。来年もこれぐらい読みたいです。

どれも素晴らしい作品ばかりでしたが特に好きな作品は

フランケンシュタイン

・七つの魔剣が支配するシリーズ

十二国記シリーズ です!

 

2024はお恥ずかしながら炎上しているのを見て初めて知った世界の常識など、大人として知らなきゃいけない事を勉強したいなと思っています。

政治とか地政学とか宗教とかセンシティブだけど知らないと恥かくし、人を不快にさせたくないし、なにより自分を守るためにも。

 

以下読んだ本リストですが3万字もあるのでお暇なときにどうぞ、、、

 

 

1.0105 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹(訳)
グレート・ギャッツビー ❤️
3章のギャッツビーが登場するまでが読んでてしんどい!(話的に全く盛り上がらない場面が続く)けど、ギャッツビーという男が登場したら夢中で読んじゃったな。
こういう、自分本位の女(決まって蠱惑的なのだ)に振り回される感傷的な男、好きです。
正直嫌な終わり方だけれど、だからこそ記憶に残る傑作なんだろうな〜

2.0120 長野まゆみ
猫道楽 ❤️
河出文庫からでてるけれど、これはガチガチにお耽美BLである。
言葉選びがすごくオタクに好まれそう、隙がない美しさ故に苦手な人もいるだろうなって文章だ。男の色気描写を見習いたいです。
長野さんの作品は基本的にお耽美で少年愛って感じらしいのでそういうエッセンスを摂取したい時にまた読みたい。

3.0125 レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫(訳)
華氏451度 ❤️
本を読む事が禁じられている、ディストピアものとして有名な名著。華氏451度は本が燃える温度。
ブラッドベリは初めてだったんですが、凄い詩人だ。SF、ディストピアときたもんだから殺伐とした文章なのかなと思ったら、心が動く美しい言葉達が並んでる。
こんな言葉を、文章を忘れたくないな、って思った。そして本を読んで満足するんじゃなくて、考えるきっかけにしなくてはと思った。

4.0125 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。 ❤️
古き良き男装逆ハー夢小説風味でこのコテコテテンプレ感が効くッ〜って笑顔になりました😄花とゆめっぽい恋愛描写も好きだ〜
三角関係メインでいくのかな、って感じだけどどっちの男の子も可愛いですね、、続きが楽しみだ!

5.0127 又吉直樹
火花 ❤️
漫才もだけど、表現する事って残念だけど勝ち負けって概念があって、(ここでいう勝ちは売れる=多くの人に支持されるって事で、評価されないけどきっと誰かの心に刺さってる作品や表現は死ぬ程あると思ってるし、そうであってくれとも思ってる)
誰にも認めて貰えないけど、自分の中の信念みたいなのがあって、でもそれを貫くだけでは売れなくて、世の中を見るバランス感覚が必要なんだけど、バランスだけとってても日の目を浴びる事は無いんだよね。
すごい生々しいけど短くて読みやすかったので、純文読みたい人におすすめです。

6.0128 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。2

7.0129 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。3

8.0130 秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。4

9.0131秋桜ヒロロ
悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。5 ❤️
乙女ゲーを元にした世界観、なんですがちゃんと宗教観とかヒロイン周り以外でも世界の動きとかがあって、恋愛以外でも面白いんですよね
そして心の揺れ動きとか、自分の気持ちに気付く流れとかがお手本にしたい位に説得力がある。
秋桜先生、色々とTL作品とかも書かれてるみたいなのでそれも読みたいですね!

10.0205 森見登美彦
夜は短し歩けよ乙女 ❤️
逆張りオタクなので今更読みました。学生時代みんなコレを読んでいた気がする。
森見先生は特徴的な文体と聞いてましたが、確かに凄い癖がある笑でも慣れてくるとこのリズム感が心地良く思えます。
内容としては黒髪の乙女の浮世離れした可愛さを味わう作品だなぁと思いました。彼女の言葉選びがオモチロくてお腹の底から幸せになる。

11.0220 小野不由美
月の影 影の海(上) ❤️
ずっと読む読む詐欺してた十二国記をやっと読みました。強く勧めてくれたフォロワーさんが魔性の子よりまずはって感じだったので月の影〜から。
「ネズミが出るまでしんどいですがそのあとは最高なので!」という定番らしい助言を頂きましたが上巻ネズミでないやんけ〜!😂
ひたすら序盤はか弱くて繊細な陽子が振り回されて可哀想だし、陽子も読者である私も何かも意味不明単語ばかりでまあ、正直しんどかったです。何となく世界観が分かり始めてからは辛いけど物語の広がりを感じて楽しくなってきました。
悪い意味で世界に順応し始めた陽子がワイルド過ぎてカッコイイけど、上巻の締め方辛ッって感じだ。下巻もセットで買ってきたので続けて読みます。

12.0222 小野不由美
月の影 影の海(下) ❤️
壮大な世界が広がって来てから最高にワクワクするのと、陽子が自分の弱さを知ってるからこそ強い人なんだって説得力が上下巻を通して知ってるから凄い泣けてしまった。次は魔性の子を読もうかしら〜

13.0226 小野不由美
魔性の子 ❤️
確かにこれは月の影〜とテイストが全く違うお話しだ十二国記に確かに繋がるけれど、これだけだとホラー小説ですね
不気味な予兆が確信に変わり、大きな禍の波に攫われてゆく様子が淡々としつつも、そこに確かにあって、怖い。騎馬戦がトラウマになりました。
生きにくい人間が夢想する国が、私には見えない。いつだって生きるのが辛いけど、折り合いを付けるべきだと知っているから。
だから高里よりも広瀬の方が弱い人間だと私は思った。

14.0228 小野不由美
風の海 迷宮の岸 ❤️
先に魔性の子を読んでてよかった〜!泰麒の素直で繊細な感情や緊張が痛いくらいに伝わってきて、一気に読んでしまった。
景麒相変わらず言葉足らず過ぎ〜!?!?ってなったけど、そこが彼の魅力なんだろうなってのも読み取れて笑ってしまった
ちなみに驍宗みたいなカリスマ性にみちたキャラクター、凄く好きです。
んで魔性の子があるって事はこれから何か起きちゃうんですよね続きが気になるよ〜!?

15.0302 小野不由美
東の海神 西の滄海 ❤️
尚隆みたいなやる時は絶対キメる系の普段はだらしないメンズ凄い好きだな〜
今回は十二国記内の内乱や国を統べることについてがっつり深掘りしてて面白かった✌️

16.0306 小野不由美
風の万里 黎明の空(上)❤️
陽子、相変わらずかっこよすぎるだろしゅき、、、ってなっちゃった、、、
陽子以外に主に話を動かす少女二人、なんというかこう、不快感があるのだけど、その状態を本人に気付かせる人物達の深さというか、言葉が自分にも突き刺ささってウッってなった。自分ですら好きになれない自分を誰かに愛してほしいって本当に傲慢だよな
異国だろうがファンタジーだろうが、人の営みの基本は変わりなくて、色々と気付かせられる事が本当に多いなぁ。

17.0309 小野不由美
風の万里 黎明の空(下) ❤️
陽子の夢女になっちゃう〜!位には本当に陽子カッコいいなぁ。形だけの礼など不要という、心で人を見ようとする彼女の行動があまりにも高潔すぎてこれが王の器と熱いため息が漏れちゃうわね、、、
祥瓊や鈴は物を知らなかった、いや知ろうとしなかった愚者ではあったけど自身の事を見てくれる人との出会いを経て成長していく様が嬉しくなった。

18.0314 小野不由美
丕緒の鳥 ❤️
王や麒麟ではなく、国に生きる官や民達の暮らしがつぶさに描かれた短編集。
丕緒の鳥十二国記内の祭事を担当する官のお話で、お祭りのディテール感が伝わってきてよかった。祭事という節目毎に、下がっては盛り上がる国の様子をどこか冷めた様子で思う主人公が最後の王との会話で希望を感じ始めたのがよかった。
落掌の獄は国が落ち目の中、禁じられていた死刑を再開するかで悩む司法もの。ミクロ視点では死刑が正解だと思われる、けれどこれからの国を考えるとと葛藤する様は現代にも通じる。
青条の蘭は山を守る事で国を守る事に繋がると気付いた官が、想像以上に腐り切った内政故に上に頼れず、実情を伝える為に凄まじい吹雪の中進んで行く話。民の暮らしと、十二国記内の天からの奇跡が分かる。
風信は農民の為に暦を作る学者の元で働く、家族を無意味な政策の所為で失った少女の話。
未来を信じ抜く力強い温かさに泣けてしまった。
所謂メインどころのキャラは出ないけれど、彼らが治めている国ではこんな事が、こんな民達が生きているんだという、鼓動が感じられて凄くよかった。
民のために国があるってのが全体を通して感じられた

19.0317 小野不由美
図南の翼 ❤️
風の万里〜の時点で珠晶の思い切りと分別のあるところに惹かれるものがあったのですが、めっちゃいいキャラですね!
自分の経験からちゃんと考えて、行動を起こせる人は中々いないので本当に尊敬出来る。
慈悲だけじゃ人は飯食えないパンチ好き♡

20.0415 小野不由美
華胥の幽夢 ❤️
互いを励ます為にちょっとばかり見栄を張る陽子と楽俊の微笑ましいお話から、自身の器を残酷なまでに思いしる話まで、深く沁みる短編集だった
芯を通すって何だろう?ってのを改めて考えさせられました、、

21.0416 長岡マキ子
経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その6 ❤️
珍しく読み続けてるラノベシリーズ。ちゃんと惹かれる理由が分かる主人公とヒロインで、プラトニックな思いの積み重ねが丁寧なので好きです。
主人公と友人一行のオタク描写や女の子側の心理やファッション描写もディテールが細くてこんな人いるいる、って頷きながら読んでしまう。

22.0419 アサウラ
小説が書けないアイツに書かせる方法 ❤️
リコリコ履修してないんですが原作者様?なんですね、、完全にタイトル買いです📚
えっちな描写がすごい上手かったのと、忘れてたけど創作物って普通は人に見せるのが恥ずかしいんだよね?(小説書き初めの頃は恥ずかしかったけど、今はもう人に見てもらってやっと作品になると思ってるので恥という概念がないっす)っていうこの感覚、それでも人に見て貰いたいという切実な願望が伝わってきてよかったです。
恋愛だけじゃない、男女の特別な関係性が好きなので最高でした。友人やら家族の関係性はちょっとフィクションが過ぎて好きじゃなかったけど、、、。

23.0422 桃巴
31番目のお妃様 ❤️
成り上がり系令嬢もの。なぜ31番目なのかという設定は面白かったけど、それでヒーローヒロインに心底惚れるかなあ?みたいな説得力が薄いのと、慣用句の誤用がやたら多いのと、いわゆるキンキンキンキン構文(擬音のみ)で情景を描写するのが気になった。

24.0426 鵜飼有志
死亡遊戯で飯を食う。 ❤️
好きな小説5本あげろと言われたら高見広春先生のバトル・ロワイアルがまず入る。
一クラス40人以上いる人間の人となりや今迄の生活が殺し合いの中で自然と入ってくる重厚さ、そして間違いなく青春小説でもあるところが堪らなく好きなんです。
更にはこの設定でまた別のクラスがというifを想像してしまうくらいには隙のないゲーム設定。そして、死への恐怖や極限状態で見せる普段とは違う顔!というのがデスゲームものの醍醐味なんですが、なんとこのラノベ、とても死が!軽い!でもそれがいい!です。
デスゲームなのにとてもテンポよくサクサク進む。人が死んでも全然ドラマチックじゃない。そういうものか、と割り切れる文体と不思議な世界観があって、主人公のなんだろう、モノに例えると水みたいな確かにあって、弱いけど、強いみたいな、感性がこの雰囲気を作り出してるんだろうけど、私は好きです。

25.0429 震電みひろ
彼女が先輩にNTRれたので、先輩の彼女をNTRます ❤️
憧れの先輩を最初から下の名前で呼ぶのと、個人的な連絡先を最初から知ってるのが気になり過ぎて話が頭に入ってこなかった。
いやサークル一緒で高校一緒なのは分かるんですけど、なんか過去親しくなったエピソード出てくるかと思ったら一生出て来なくて最後まで納得いかなかった。
今度は浮気彼女ちゃんの造詣が女を知らん人がかき集めた本当にテンプレ嫌な女でおもろいし、そもそもなんでそんな女と付き合っとんねんという、こう「本当に悔しい」に対してのカタルシス薄過ぎて合わなかった、、

26.0507 小野不由美
黄昏の岸 暁の天 ❤️
魔性の子の裏で皆力を合わせてたんだな〜という答え合わせが出来て嬉しかった。
この世界での決まりについて踏み込むところや、蓬莱での政を善のために広げたい陽子の熱意とか読んでてグッとくる場面が盛り沢山でした♡
初登場の氾王、凄く我が強くて好き😂
李斎がとても好きなので主人公として彼女の人間臭い心情が知れて良かったな。情に訴えて例え相手方がこの所為で滅んでも、戴を救いたい
という強い気持ち。彼女が何を重んじていたのかやっと分かるシーンとか、凄く刺さったなー。これから長い話になるんだろうけど、白銀の〜も楽しみだ!

27.0507 藤谷千明
オタク女子が、4人で暮らしてみたら。 ❤️
すごい軽い読み口のエッセイなんですが。自分にとって快適な暮らしとは何かを改めて考えるにはいい本だと思いました。
絶対共同生活とかムリ!って言う親友が老後資金について真剣に考えてたりアラサーって本当に色々と後戻り出来ない考えなきゃいけない事だらけでめんどくせー!ってなりますが、今の時代たくさんの選択肢があっていいよね。とも思います。

28.0510 衣笠彰梧
ようこそ実力至上主義の教室へ ❤️
はちゃめちゃ売れてるだけあって面白いな〜と思いました。特殊なエリート学園での青春もので、一巻段階ではまだまだ全容が分かりませんがこれ伏線だなーってのが匂ってて素直に続きが気になる。
今の所真っ当な青春描写多めですが成績や態度が生活水準に絡んでくるので今後中々に地獄になりそうで楽しみ〜

29. 0517 エドガー・アラン・ポー 
黒猫/モルグ街の殺人(光文社文庫小川高義訳) ❤️
モルグ街がミステリの元祖小説という事でずっと読みたかった。そりゃねーんだわというオチだけど、一応ミステリはしていると思う。伏線ちゃんとあるし。
モルグ街以外の短編の方が個人的には読み応えがあった。古典的な恐怖小説は陶酔じみているが、比喩表現がとても美しいとおもった。黒猫と早すぎた埋葬好き。遊戯王ではない。

30.0517 久追遥希
ライアー・ライアー ❤️
夏にアニメ化するのでどんな話かなと。学園×ラブコメ×能力制限下でのなんでもありバトルみたいな。ハッタリと頭の回転だけで〜というコンセプトだけど、主人公の味方側があまりにも優秀過ぎるというか実際にチートしてるのでそもそもゲームが成立してない気が、、
更に絶対主人公一巻が一番弱いのが確定してるのでこのままだといずれ楽勝になってしまうから話がこの先盛り上がっていくのかな?って不安が。
強者から弱者に決闘は挑めない〜って設定もハリボテ強者で実は最弱なら破綻してない?と思うのであった

31.0523 宇野朴人
七つの魔剣が支配する ❤️
ここ最近読んだラノベの中でダントツ、文章の硬さや世界観を構築する語彙が個人的に好みです。
いわゆる魔法界を表現するのに相応しい言葉選びで、それって何?って意識が逸れる事もなく物語に浸る事が出来ます。
かなりハリポタを意識してるんだろうなーってのがあり、既視感はあるけれどハリポタで出来なかった闇が深いけど確実に世界観を構築するにあって生じる問題をテーマに描きたいのは伝わってきます。
主人公が器用貧乏の優秀キャラとして見る目がある人からすると認められてるのも俺TUEEEE感薄めで有難いです。なんかやっちゃいました?より自分の事を理解してる主人公が好き。
そして気高いお嬢様キャラ好きだからシェラちゃんを推してます。登場人物多いけどみんなキャラたってるね。

32.0524 窪美澄
いるいないみらい ❤️
子供という家族についての短編集です。アラサーなので一応色々と思うところがあり読んでみたいとずっと思っていた。
わりと最近まで絶対子供いらないって思ってたのですが、甥っ子を抱いてなんか、こういう人生もあるのかって思って産んでもいいかも、いやでも日本の未来は明るいのか?って右往左往してる現状です。
今の暮らしが好きなので無理に色々考えなくていいのでは、でも世間がそれを許さないのでは、とか悩む事もありますが先送りもまた答えなのだ。とそんな優柔不断な私をも優しく包んでくれるお話達でした。
窪美澄さんの小説初めて呼んだけれど、話し言葉がなんか可愛くて自然で、ぽんって心に沁みて好きだなと思いました。

33.0528 澤井聖一
美しい本屋さんの間取り ❤️
某チェーン店で働いてますが、独立系書店って、いいよねっていう。売り場作りのこだわりや書店員って普段何してんの?ってのが気になる方は是非〜! 行ってみたい本屋さんが増えました!

34.0601榛名丼
レプリカだって、恋をする。❤️
視線一つで、言葉一つで、気付けば好きで。どんどんと近付く距離感の描写が繊細で凄くすき。
過去にもう一人の私をどうする〜みたいな夢小説を書いたのですが、私は偽物(?)の方を消してしまったけど生かすって道もあるんだなぁと。
これだけで綺麗に纏まってるので単巻かな?と思ったら2巻も出るらしくSF的な面での深掘りも楽しみ〜

35.0602 道造
貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 ❤️
次に来るラノベ大賞と言う事で読みました。タイトルしか知らない時、経験人数が多い方が強いからエッチな女騎士とあんな事やこんな事をする感じの話なのかなッ!?って思ってたけど普通に男女の役割が逆転してるタイプの世界観でした。別にエロいから強いとかはない。くそっタイトル詐欺じゃないか!
いわゆる線の細い美男子がモテる中、屈強な主人公は内面が誇り高くて、そのせいで強めな女に性的な意味で目を付けられてる感じ。
最初あまりにもチンコチンコ言い過ぎて「うわー最高に合わない」ってドン引きしてたんですが、第二王女の初陣からは騎士や貴族の誇りについてがかなりクローズアップされててただ下品なだけで終わらないのが良かったです。少年漫画的な熱さがある。

36.0608 河合雅司
未来の年表 業界大変化 ❤️
近い将来の日本が、少子高齢化によってどう生活様式が分かっていくのか、今後生き抜いて行く為に必要な事はなんなのかを教えてくれる本。将来を見据えてどこに住むのかとか、身近で差し迫った問題について分かりやすく書いてあって将来について関心がある人には読んでもらいたいな〜と思った。

37.0611 唯川恵
ため息の時間 ❤️
全ての本がタイトルも書影もわからない様に包まれていて、感想文だけで本を選ぶ梟書茶房にて私が選んだ本です。全て男性視点の恋愛小説短編集です。
全体的に女のしたたかさや男の鈍感さにフォーカスが向いてる様に思えたけれど、ある種のNTRである「分身」ってお話に強い人間性を感じて興奮しました。匿名であるって、エロいな
「父が帰る日」も、老いた父が本当にこぢんまりとした姿なんだろうなってのが目に浮かんでオチで泣いちゃいました。

38.0613 江國香織
真昼なのに昏い部屋 ❤️
貞淑で生真面目な専業主婦と、様々な土地や価値観に触れて成熟しきったアメリカ人の紳士の、精神的不倫小説。いや最終的には致すけども。
大多数の人に「見て」欲しいんじゃなくて、私のことを理解してくれそうな人だけに「見つけて」欲しいみたいな、承認欲求の中でも色々あって、なんか不倫は絶対いかんけど、本当の意味で存在するって言うことを今めっちゃ考えてる。
文体がとても特徴的で最初面食らったのだけど、この語り手のお陰で冷めずに不快にもならずに事の顛末を見届ける事が出来て、すごい不思議な話だなと思った。そしてラストに笑う。性格というか性根が悪い。

39.0615 宇野朴人
七つの魔剣が支配する2 ❤️
新キャラのロッシくんみたいな子、絶対みんな好きやろと思いました。
あとピートくんで何かに目覚める人がいるだろうなぁと思いました。
高貴で強くてお嬢様が大好きなのでシェラちゃんがバリバリ戦って嬉しかったです。(推し)

40.0621 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ
選ばれる女におなりなさい❤️
デヴィ夫人の婚活本です。この手の本の中では売れていて、恋愛もののネタになるかと
基本的にデヴィ夫人の華麗なる恋愛遍歴について載ってます。婦人が死ぬほど勉強して良い男と出会える場に出向ける存在まで成り上がったのは素直に尊敬ですが幼少期から容姿について周囲から褒められてかなり自己肯定感が強い人だというのも分かってとてもじゃないが真似できねぇよ!!!というのが本音です。
ただクソ喪女の自分でも共感出来る事がいくつかあって、趣味の場に出会いを求める事・容姿以外の魅力でも人は恋に落ちるのだから楽しい会話の為に教養を磨く事です。
私は女子高女子大出なので、行動しないと一生彼氏出来んなと思い男女比9:1の趣味の場で今の旦那と会ってます。趣味や価値観が近しいので会話が毎日楽しいです。

41.0622 杉井光
世界でいちばん透きとおった物語 ❤️
話題の本。ネタバレ踏まないで読んで欲しいな、、
タイトルがあまりにもキラキラしてるから自分の好みに合うか不安でしたが、引き込まれる文章。
本に対する愛情や登場人物の優しさ、そしてネタバレになるから言えないけどその全てに読み応えがありました。
同作者さんで話題のラノベである楽園ノイズ、積読してるので読まねば!!

42.0625 飯田一史
「若者の読書離れ」というウソ❤️
今の中高生って何を読むの?というデータと解説が分かりやすくまとめられた本。
実際にラノベ担当してるんですが、ボカロ楽曲系ラノベはめっちゃ売れているんですよね、何が受けているのかとか知れて売り場作りとしても、二次創作者としてもニーズとかが学べました。今度読んでみようかな〜ボカロ系。最近だとド屑といのちの食べ方が売れてると思います。

43.0627 村田沙耶香
丸の内魔法少女ラクリーナ❤️
村田さんはとんでも設定の世界の中で私達の常識とはなんぞや、を炙り出すような作品が多いのですが「無性教室」の愛に性は必要なのかと、思春期の子らが葛藤する話、良かった。
あと初恋を物理的に殺す「秘密の花園」めーっちゃ、良 その感情は分かるけど、正常に狂ってる感じ
「変容」は凄い社会風刺的な話だけど、ゾッとした。エモいって言葉がなんか当然のように受け入れられてるのとか、私は正直嫌なんだけどあのなんか、感覚。そして原始的な本能的な衝動を「理性的でない」と否定される感覚。それらが積み重なった気持ち悪さが味わえる。

44.0628 しめさば
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。❤️
社会人とJKの際どい系のラブコメでしょ!知ってるんだから!って決め付けてたんですが、新しい家族の形のお話だなと思いました。マジで失礼しました。
主人公がJKに手を出そうと微塵も考えない大人で良かった。かなりライトな文章だけどそこが実直に感じられて良かった。

45.0707 カレー沢薫
人生で大事なことは、みんなガチャから学んだ❤️
カレー沢さんは夢女で既婚者だ。私と同じ立場である。
そんな彼女の夫婦エッセイは共感出来る事もあれば正直もっと夫婦の会話しろと思ったり立場は近くても全く違う環境の話が聞けて面白かった。

創作者の自我は作品を読む際にノイズになる人もいるよな〜ってのがあって普段私はプライベートな話題は避けています。
でも、私は好きな創作者さんがどんな経験して何に触れて来たのかとか知りたいのでいっぱい聞かせて欲しいタイプなのでこういうエッセイ嬉しい。
カレー沢さんの推しに対するお金の使い方(ソシャゲガチャ)には正直ど、どうなんだ?って思う所はあるけれど、彼女の考え方は好きだなと改めて思ったのでむしろカレー沢さんと同担の人にこそ読んで貰いたい本でした。

46.0717 宇野朴人
七つの魔剣が支配する3❤️
一年生編のキリが良いところまで読むぞ〜と軽い気持ちで読んでボロ泣きした。人と仲良くなるって難しいよね。
不器用過ぎて上手くいかないけど、心の奥底では他者からの愛を求めている人物にとても惹かれる質があるので、凄い辛くなった。
また今回は凄いサブキャラ達の深掘りがされてこの世界観がまた強固なものになってきた感じがして良かったです。戦闘描写も本当に絶望感を感じて上手いなぁ〜ってなった。
後半以外基本冒険譚と戦闘描写中心の巻なのにまったく中弛みしなくて、宇野先生の筆力に唸らされてばかりです。

47.0730 桜木紫乃
ホテルローヤル ❤️
桜木さんの小説を読むのは初めて。文体が凄い簡潔だからか突き放すような冷たさがあって正直あんまり好きではない文体。
けれど本書の内容である、ラブホテルを舞台にした人との「正と生と性」の仄暗い感情を描写するのにとても合っている。
人の感情はびっくりするほど掘り下げてないのに、じっとりとした嫌な感じが生々しく付き纏う。怖い、でもそれがいい。
閉塞感のある日常生活だけど、そこに愛を感じた「バブルバス」が一番好きなお話です。

48.0801 高岡未来
わたしの処女をもらってもらったその後。❤️
タイトルがTLモノっぽいけど、メディアワークス文庫なので一般レーベルです
大人の恋愛ABCって感じのライトな恋愛小説で読後感が良かった
上手くいき過ぎてフィクション感は強いものの、物理的に接点を増やそうと頑張る男性の描写が健気でかわいいなと思いました

49.0802 東崎惟子
竜殺しのブリュンヒルド ❤️
人外と人間の「愛」が好きな人にとてもおすすめです 
劇重感情の芽生えや生まれの差で決して交わることのない思いとか、凄い種としての溝を感じてゾクゾクした。ダークファンタジーが好きな人は是非

50.0804 茜たま
伯爵令嬢は犬猿の仲のエリート騎士と強制的につがいにさせられる ❤️
漫画の広告をネットで見た事があるんですよねTLが読みたくて売り場うろついてたら原作は小説なのかと手に取ってみました。
ケンカップルが好きな人におすすめ。妊娠したのが翌日に分かるのだけ基本ナーロッパ世界なのにそこだけ科学進んでてちょっと気になったけど
そしてTL小説ってモロ語や直球すぎるワードは使わないのにちゃんとエッチで凄いですよね。勉強になります〜

51.0807 村上春樹
風の歌を聴け ❤️
恥ずかしながら余りにも難解というか、ストーリーがぶつ切りの連続でどう読んでいいか分かりませんでした
多分、妊娠させてしまった恋人が自殺してしまって、その傷を癒す為に里帰りして、その先で出会った4本指の少女に惹かれるも、彼女は友人の恋人でしたって話でいいの、かな?
こういう読み方でいいのか、そもそも正しい読み方ってあるのかな?正しい読み方が無いのが正解なのかな?
そこも含めてちょっと難しい一場面一場面はとても詩的で美しいのですが小説というものに物語を求めてる自分には合いませんでした

52.0813 宇野朴人
七つの魔剣が支配する4❤️
2年生編突入〜 各キャラの成長を感じる描写が多く、次巻からの戦闘描写が楽しみ!
血を安売りしない文化はハリポタでもありましたが、あんまりそのパートナー探しとかは深掘りされてなかったけど、ななつまは学生のうちから子供を残す事を推奨する世界線なんだな、、でも優秀な魔法使いは死にがち理論は分かるな
子供を残す事、という風習をきっかけに女性陣の恋愛模様が荒れに荒れて楽しい〜
シェラちゃん、強いだけじゃなくてエッッッッッでムホホってなりました積極的で、でも理知的な言い訳しちゃうの、良い

53.0817 東崎惟子
竜の姫ブリュンヒルド ❤️
竜殺し〜で話が綺麗に完結してるのですが、世界観が好きなので読みました
竜も同一個体ではないので色々な考え方があって当然なんだけれど、前作のが竜があまりにも「聖」なので今作の邪竜っぷりには驚いた
前作の異種族との関係性が好きでハマったので今作は人間関係に重きが置かれているからそこまでだったんですが、世界観の作り込みは素晴らしいなと思いました

54.0820 三宅香帆
推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術 ❤️
タイトルまんまの本ですね!
SNSで見掛ける感想は「それなー!」で溢れているけど、それで終了させず、自分だけの推しの記憶を鮮明に残しておく為に形に残すのって大事だよな〜
萌え語りだけでなくレポートや創作にも使えるコツや心構えが参考になります💯

55.0821 五条紀夫
クローズドサスペンスヘブン ❤️
登場人物が全員死んでる、天国での謎解き
ミステリなんだけどそんな特殊設定だから凄くカラッとしているというか良い意味でユーモアに満ちてて軽い
皆記憶を失っているから登場人物達と一緒に頭を悩ませ謎を解いて行くのが楽しい〜
犯人の動機以外はめちゃくちゃ面白かった

56. 0822 宇野朴人
七つの魔剣が支配する5 ❤️
名前とイラスト付きのキャラがぽんぽん死ぬ
惜しみなくみんな「今」を生きていて好きだな
今回の敵であるエンリコが命を狙われる戦いの中でも目的の為に命を投げ撃てる生徒を褒める教師としての風格があって良い
あとなんでオリバーの母が死ななければいけなかったのかとかが分かってきて物語の続きが気になる

57.0825 宇野朴人
七つの魔剣が支配する6 ❤️
好きなサブキャラがまたも死ぬ、、、😭
でもこれが魔法使いとして生きる事、ってのが美しく気高く描かれていて好きだなぁ

58.0826 宇野朴人
七つの魔剣が支配する7 ❤️
リヴァーモアの、邪教の神父めいた威厳〜って描写と骨使いっていう胡散臭さから勝手にペルソナ2のパオフゥみたいな容姿で想像してたんですが、タイプの違う胡散臭さだったドラキュラ伯爵より?かな
小説って文章だけだからこそ勝手に足りないビジュアル面は想像しちゃうよね〜ってのを久し振りに体感した ラノベの口絵文化は一生続いて欲しい 答えは欲しいけど、想像力が羽ばたくこの自由さよ
巻を通して違うタイプの(学生らしい力が均衡した作戦や腕っぷし勝負からの圧倒的な力を見せるバネッサ)戦闘描写盛り沢山で読み応えがかなりあった
あと企画である読者のオリキャラ混ぜ込むの上手いな〜と思った 違和感がない

59.0830 高瀬隼子
犬のかたちをしているもの ❤️
読んで鬱になった
私は既婚者でアラサーの癖にまだ子供を持つことに対して現実感が薄いけど、甥ができたり、周りがうっすら期待してる事は分かってて、まあでも最終的にこういうのは出来る時は出来るし出来ないもんはできないでええやろと答えを先送りにしている人間です
でも時は待っていてくれなくて、タイムリミットがある事にソワソワしてる
絶対に子供いらねー!でも絶対に子供欲しい!でもないから生き方の選択肢が沢山あって何もかもから逃げ出したい時がある
前置きが長かったけど「わたし」は婦人系の病気のせいで大学生の頃から「子供」について何をしていても意識するようになっている
これって、生き方を狭められる様に感じてしんどいよなって思う
そんな中、浮気した彼氏に子供が出来てしまい育てたいと言われるって話なんだけど、理屈と周りの空気と、感情で、色々と良くも悪くも変わっていくものを見てしんどくなった
テーマは重いけれど、読み口はライトでとても読みやすいと思います

60.0901 宇野朴人 
七つの魔剣が支配する8 ❤️
リヴァーモアの、天才だけど自身が求める物に対して自身の力量と才が足りていない〜と自覚している所や、狂気の魔人として後輩目線だとひたすらに書かれていたけど、死者への丁寧な慰霊描写といい、心を許している人間に対しての柔らかな態度といい、すごく人間臭くて優しい人であるのが伝わってきて震えた
うわ〜!こういう男に弱いのよ
上級生組、奪還篇を通してかなり愛着が湧いて来てカッコいい女代表、肉体派なレセディも好きだし、ヒャッハー!で口は悪いけど理屈も情も兼ね備えたティムも好き。口絵のティム美少女過ぎるこれでちんちんついてるのかお得すぎるな
男の娘萌えじゃなかったけど、ななつまはなんかそういう属性持ちの子を好きにさせる強いパワーがある作品ですね

61.0902 宇野朴人
七つの魔剣が支配する9 ❤️
ヴァロワちゃんみたいな虐待とモラハラで育った子って可哀想だけど、フィクション上だとその育ち故の不安定な感じ、あまりにも刹那的で美しく感じてしまうけど、心の栄養が足りてない感じが本当に辛いまた出番があった時は奪うだけじゃないコミュニケーションを知って欲しい
宇野先生は本当に戦闘描写が上手いオリバーが万能型の指揮官なので華のある前衛だけじゃなくて読者が本当に試合の盤面を上から俯瞰してる様に読ませて下さる
リチャードくん、一巻の時クソ噛ませ犬だったけどあまりにもカッコ良い 
あとロッシくんがあまりにもロッシくんでいいな〜と思った。飄々としてる癖に泥臭いポリシーがあるの、良
また所謂地球だけじゃない世界やこの世界における神とはなんぞ?ってのが分かって異種族の人権問題がこう壮大なテーマに繋がってくるか〜と唸っている

62.0906 宇野朴人
七つの魔剣が支配する10 ❤️
オリバーが今の姿になるまでの積み重ねは丁寧に伏線が張られていたけど、ヒーリングが上手いのかはそういう事かとか、復讐があるから色事に対して異常に一線を引いてるのかなって思っていたけど、凄い悲しくなってしまった
剣花団のメンバーの関係が、変わってはまた変わってゆく、その流れというか繋がりに掛ける思いが募っていくのとか、凄く尊く思えて一生皆で仲良く暮らせって思ったけど、それが無理そうなのがしんどい
全体的に心がしんどい巻だったけど、いい先輩してるリヴァーモアが可愛かったです

63.0907 宇野朴人
七つの魔剣が支配する11 ❤️
ここ最近危うい感じを出しているカティの育ちにフォーカスされていて、優しい子であり、賢い子であり、だからこそ全てに優しい世界を目指してその身をを投げ打ってしまうそんなバッドエンドが見えて怖い。
オリバーに止めて欲しいという親御さんの気持ちも、オリバーのそれはカティの生き方だから止めないって気持ちも分かるなぁ
キンバリー以外の街並みや、海路の発達、亜人族の暮らしなどの描写が世界の奥行きを感じさせて面白かったです
今回のエピソード的に全く必要の無かったロッシくんはファンサービスなんですか!?私服可愛いね

64.0908宇野朴人
七つの魔剣が支配する12 ❤️
ピートくんとティムのせいで性癖が狂いました😡 
ピートくんの真っ直ぐ過ぎて怖いくらいの愛情たまんねぇな!!ティム先輩はあんなにツンケンだったのに甘えるの上手で可愛いね😭
リヴァーモア先輩の魔道的に骨やら死体がある場所というかあの工房から離れられなくない?とは思ってたけど職員として出番が継続してくれて嬉しい そして明らかに面倒見がよくなっているのてぇてぇですよ
ななつま界のいわゆる「優しい」人の方が呪いを引き受けやすいってのは人との壁をあえて設けない分、「あるよな〜」とは思っていたけど皆の太陽ガイがそっちに進んでウワー!!ってなっている ガイには幸せになって貰いたいからリタでもカティでもと思うけれど、カティのいわゆる少女的なオリバーへの綺麗な初恋を大切にして貰いたい自分もいる
ななつまはあまりにも公式のカプというか飛び交う矢印が多過ぎて二次創作あんまりないのも納得だ宇野先生の手のひらに踊らされている
宇野先生のTwitterみたらどのキャラもどの組み合わせも好き過ぎるー!との事だったので、どの組み合わせも公式だな(?)よし

65.0916 佐々木敦
ニッポンの文学 ❤️
80年代〜00年代の文学の間で移り変わる「純文学」の傾向とその他のカテゴライズされたSFやミステリなどの小説の立ち位置などがざっくり分かる本
主に村上春樹についての話題が中心で帯のラノベまで〜ってところに惹かれて買ったので少しばかり拍子抜けだったけど面白かった
「なんとなく、クリスタル」含めて色々読みたい本がまた増えた

66.0918 宇野朴人
七つの魔剣が支配するside of fire❤️
先輩達の過去編!退場してしまったオフィーリアやカルロス先輩が出るのが嬉しいねぇ
ティムとオフィーリアの微笑ましいバチバチエピソードもっと見たかったな
ななつま世界の生死観や宗教についてちょっと触れられたのもより深みがあって良かったな
魔法の油彩画〜ってのはここにきて初めて出て来たから新鮮でした いつの世もクリエイターは苦しんでいるね

67.0929 メアリー・シェリー 芹沢恵訳
フランケンシュタイン ❤️
1800年代前半に書かれ、400p以上ある作品なのですがとても読みやすいです。(芹沢恵訳・新潮文庫版)
実はフランケンシュタインは怪物を作った博士の方で、怪物には名前などないってのが有名というかこの前提がないと進めないので言っておきます。
ホラー小説、となってますがこれは誰にも愛されない哀しみの物語だなと思った。
凄く美しいジュネーヴの景色や美しい心の人間達との交流が丁寧に描かれており、本編中々始まんないなって思っていたんですが、
フランケンシュタイン博士はこの素晴らしい世界を人間(しかも白人で実家が金持ちで超絶美少女の婚約者がいる)なので余すことなく感じて生きていけますが、
怪物は人間と交流したいと必死に言葉や紳士的なマナーそして教養を学び、会話を交わすだけなら理知的な男なのに、いざ姿を見られると殺されかけるその対比があまりにも残酷で
現代社会はSNS掲示板などで近しい感性や立場の人と簡単に話したり繋がることが出来るので、一人でいても一人じゃないというかそこまで寂しいと感じる事はないのかなと思うのですが、
当時は目の前の人と話す事で繋がりを感じる生活で、それ以外の繋がりを築く事は手紙くらいで中々難しいですし、1人で生きることの寂しさやただ醜いだけで混ざる事を阻害されるどうしようもない悲しい事実だとかを感じさせてとても辛くなりました

68.0929 小林湖底
ひきこまり吸血姫の悶々 ❤️
秋アニメが始まるので売り場展開参考用に
百合でセクハラギャグ多めな王道なろう系ストーリーって感じです
ヒロインは良い子だし、弱いけど実は最強ってタイプで更にビジュアルも◎なので多分好きな人は好きな感じ
ストーリーも本当に王道なのでお相手の子が慕っている理由とかはなんとなく察しが最初からつくし意外性はないけれど百合が好きならライトに楽しめるんじゃないかなって感じです

69.1002 志端裕
聖剣学院の魔剣使い ❤️
秋アニメ(略)
一昔前のルビがめっちゃ振られる難読厨二ラノベだなと思いました。強調したい事に一々〈こんな感じ!!〉の〈カッコ〉が〈大量に〉付いてて〈個人的には〉クッソ読み辛かったです。
コテコテの厨二設定(魔王とその眷属として蘇ったアンデッドヒロイン、未来都市の下に眠る古代文明とか)が好きな人は好きそう。
頭脳は魔王のショタ×お姉様方なハーレムが作品の軸なんだろうなと思いますが、↑で言ってるように割と独りよがりな設定が多くて置いて行かれがちで、ヒロインの魅力がいまいち伝わって来ないなと思いました
アニメならそう言うところはさらっと流して美少女全振りならあんまり気にならないのかなぁ?うーん個人的には微妙でした

70.1007 田辺聖子
ジョゼと虎と魚たち ❤️
このジョゼと〜というタイトルがあまりにも有名でこのタイトルの長編だけ、と思い込んでいたのですが30p無いほどの短編集だとは!
色んなタイプの、純愛とは少しばかり毛色が違う、淡白だけれど、それでも何故か後ろ髪引かれるような、そんな恋愛短編集です。
凄い短いのに、なんだか肌にしっくりくるような、経験がない出来事なのに女としての自分がこう何故か知ってる感情を描き切っている。
中でも「恋の棺」が一番好きです。寂しさと、この少しばかりの想いがあればいいっていう、現実とロマンチックの狭間を感じて素晴らしかった

71.1008 駄犬
誰が勇者を殺したか ❤️
あらすじを見た時からこれは刺さりそう〜!と思って楽しみにしてましたが、とても良かったです。
タイトル通りの内容なので、ネタバレになっちゃうから多くは語れないんですが、そりゃ皆勇者を好きになるなぁって
ファンタジーやミステリが好きな方におすすめです〜!ファンタジー部分の世界観的な話もとても出来が良かった。
あと作者さんのあとがきで44歳で初めて小説を書いた事、そしてライトノベルでも本屋大賞を狙っているという事が書いてあって嬉しくなってしまった、、、私ももっとラノベ界隈が盛り上がると嬉しいと思っているので

72.1010夕木春央
十戒 ❤️
あの!方舟の!作者様の新作よ〜!!キャーッ!!!という訳で読みました。期待値MAXです。
今回のお話も、孤島とは言え電波も繋がる特殊な状況下で起こる殺人事件で、ひたすらに「やられたな」ってなる。
全てがひっくり返る度でいえば方舟のが凄いのですが、今作は色々分かった上で読むと胃がキュッってなる感じです。
詳しく言えないタイプの作品ですが、所謂ミステリ読みの人こそ唸らせられる作品だと思うのでオススメです。

73.1011 垣谷美雨
七十歳死亡法案、可決 ❤️
少子高齢化が進み、福祉が現役の世代では間に合わない。だから七十歳になったら死んで貰おうという、法案が可決された社会のお話。
自分が高校生くらいの頃、母は身体的障がいのある祖母の介護をしていた。(信号無視の自業自得です)母さんはめっちゃ頑張ってたけど、自力で車椅子も乗れないしでまあ無理があった。
結局ホームが見つかって入れたんだけど、母さんの兄弟が可哀想だって引き取ったものの結局放置されて、認知症になってあんなに世話した母のことを忘れて死にました。財産も使い込まれてて本当に無かった。ばーちゃんが死んだ時、母さんは何を思ったんだろう。
この事もあって私は老いる事が凄く怖いです。人に迷惑掛けたくないって気質が元々強いから、誰かの人生をめちゃくちゃにしてまで生きる位なら死にたい。
でも、自死って一般人がしようとすると酷く怖かったり失敗したらヤバい後遺症が残るしで私は安楽死というものを認めて貰いたいと常々思っている。
そして、自分は「死にたい」けど勿論「死にたくない」人もいる。そして、私はそんな人にまで死んでほしくない。難しい。
本の内容に戻って、主人公である妻が義母の介護に疲れてSOSを出すも、他の家族は家族なのに他人事。
あと二年経てば義母は消えてくれるが、その未来が遠くある日家出してしまう。その後の家族は一体どうする?って話。
家族全員の心理描写があって、誰も分かるなぁってなった。父だけはあまりにもサイコだけども。テメーの親やろがい。
暗くて重いテーマだし、人間の薄汚い性根も丸出しだけど、(お陰で逆にコミカルに感じる点もある)主人公が行動を起こす事で、皆いい方向に動き出し、読後感は良い作品です。
とても読みやすい文体でサラサラ読めますし、社会問題を考える良いきっかけになると思いますので、是非。

74.1012 木陰侘
自分がオカズにされた回数が見える呪いと紳士な絶倫騎士団長 ❤️
秀逸な設定だなと思う。やや天然気味なヒロインだったのでもっと嫌がるヒロインでこの話を見たかった気もする。
えっちな描写は登場人物が多い分バリエーションがあって面白かったです。470pもエロなの純粋に凄すぎる。

75.1013 村田沙耶香
きれいなシワの作り方 淑女の思春期病 ❤️
とんでも設定な作品をいつも書かれている村田沙耶香さんのアラサー女あるある的なエッセイ。
強烈な作品を書かれる方なのでどんな奇天烈な生活を送ってるんだろうドキドキって思ってたけど、「分かる〜」の連発だった。
私も女である自分が好きだけど、女やるならもっとここは頑張るべきだよ!ってのにうるせ〜💢ってなったり、逆に自分でもそこは足掻くんだみたいなのはある

76.1016 太宰治
走れメロス(新潮文庫版)❤️
収録作品⇨ダス・ゲマイネ・満願・富嶽百景・女生徒・駈込み訴え・走れメロス・東京八景・帰去来・故郷
収録作品だと女生徒が一番好き。本を読んだ後、それを手本に「こうあろう」としているのに、また違う本を読むとコロコロ思想が私も変わる。自分というものは何処にあるのだろうか。また、母親が世間に見せる顔を見て、それをなんとなく寂しく感じたりと、自分の内側と対話する少女の心理描写がよかった。
純文読むタイプのオタクがよくオススメする駆け込み訴えもやっと読めた。これは、確かにクソデカ感情。こういう作品を読む度に聖書ってやっぱ読むべきなんかナ、、、ってなる。
いわゆる文豪に詳しくないので、富嶽百景と後半の小説は太宰自身の私小説であってるかな?と思ったけどあってた。ここまで破滅的な生活を送ってても、いや送ってるからこそなのか?人の底に踏み込む文章が本当に素晴らしい。

77.1017 彩瀬まる
花に埋もれる ❤️
奇しくも同じタイトルの夢小説を書いた事があって、どんな内容なのかなとずっと気になっていた本。
短編集で、どのお話も特殊な設定があったりするんだけれど、抱えている寂しさや、愛おしさは現代を生きる人々そのものだった。
性的な描写が結構多いのだけれど、なんていうか空洞を埋める必然性と侘しい官能を感じて凄く好きだった。

78.1019 西岡壱誠
現役東大生が選ぶいま読むべき100冊 ❤️
こういう、立場関係なく人がどんな本を読んできて、どんな本を選ぶのかが分かる本好き
私が読んだ事あっておすすめの本⇨未来の年表・乙嫁語り・凪のお暇・ノルウェイの森
これから読みたい本⇨帰ってきたヒトラー月は無慈悲な夜の女王・これからの正義の話をしよう・砂の女デカメロン・サピエンス全史

79.1020 三月みどり
グッバイ宣言 ❤️
2023年現在、多分中高生が一番読んでるライトノベル。同名のボカロ曲を原作にオリジナルキャラクター(初音ミク等は出てこない)の青春が描かれている。
正直激ヤバ文章力の本を中高生が「良い」ものとして読んでたらどうしようって震えていたのですが、令和らしい砕けた口調ではあるものの、元来のライトノベルらしい、王道で爽やかな読み口の作品でした。
高校生の、自分の底が見えてる現状で夢を持つのは馬鹿らしいと諦めがちな主人公と、明るくて無鉄砲だけれど、強い夢を持つ少女が交流して、最終的に主人公はある夢を持つ、って話です。
夢っていうと自分が主役になる仕事を思い浮かべがちだけれど、そうじゃない夢もあるって考え方を教えてもらった。
序盤めっちゃエペが上手い描写あったけど、爪痕ダブハン代行業者にならなくて本当に良かった。

80.1022 小野不由美
白銀の墟 玄の月① ❤️
病む戴国に麒麟が帰ってきた!っていう所からスタートで、黄昏の岸〜で言っていた様に取り敢えず王である驍宗を探し始める一行。
国が疲弊している描写が続き、正直370p程あるけど物語の進展があんまりない
途中泰麒が「私に策がある」って行動し始めるけど、行き当たりばったり感強くて行動しなきゃ〜って焦りや気持ちは分かるけど、貴方の体は国を背負ってるのよ〜!?ってめっちゃハラハラする。
白銀〜は賛否両論って聞いていたけど、こういう事か。取り敢えず読み切ります。

81.1026 小野不由美
白銀の墟 玄の月② ❤️
420pあるけどやっぱり進展がほぼ無かった。泰麒大好き李斎がまったく泰麒を気に掛けない描写が気になる。

82.1028 星新一
午後の恐竜 ❤️
ssより少し長めな短編集。短い話の中で人間とは、文明とは、という難しいテーマを鋭い視点で書き上げている。記憶を奪われても本能の所でってなる、「戦う人」とファンタジックでありながらこの体の歴史と終わりを感じる「午後の恐竜」が特に好きです。

83.1028 菊池良
タイム・スリップ芥川賞 文学ってなんのため?と思う人のための日本文学入門 ❤️
2022年刊行なので、「推し、燃ゆ」まで名前が載っています。
日本と文学の大きな時代の流れと、芥川賞作家のパーソナリティと、影響された物事がライトに解説されている。思わず読みたくなる紹介の仕方が上手い。
又吉直樹が国語の授業で使う国語便覧で日本文学を学んだって記述で「そんなんあったな!?」ってなった。小さい時から本好きだったけど古典や文豪に全く興味なかった自分を殴りたい

84.1104 小野不由美
白銀の墟 玄の月③ ❤️
王は生きている、というのは本当にうっすらとしているけれど確かな根拠はあった。それでも、挫けてしまいそうな冬の中、ようやく一筋の希望が!という所まで進みましたね!
ちゃんと驍宗様が国の為に、諦めずに生きているという視点が描かれてホッとしました。
ここからの流れ、どうなるんだろう。熱いものになるといいな!!

85.1106 小野不由美
白銀の墟 玄の月④ ❤️
王と麒麟の絆が見たかったから、この長い道のりをしんどいなと思った。
戴に生きる人々は本当に冷たい雪の中飢えている。この長くて短い物語の中で、人々は時には人のどうしようもない悪意のせいで簡単に、惨たらしく死ぬ。名前が付いてても簡単に死ぬ。勿論名もなき民達も死ぬ。
それでも希望を信じて、繋ぐために生きているのが分かって強いな、って思った。
戴麒があまりにも覚悟が決まっているのと、白銀の墟〜でこの世界の「天」とは何かを皮肉めいて描いてるのが印象深かったです。
最後のあの挿絵だけでその後が伝わって来て、胸が熱くなりました。再会後、多くは語られなくても、「この二人ならば」は物語の中で十分過ぎるほど描かれていたと思うので満足です。
幼い頃の戴麒と、冬狩りをしていた頃の驍宗ではきっと駄目で、この障害を経た二人じゃなきゃ、いけなかったんだろうなぁ
もう一度、時間を置いて今度は「天」というものに注視しながら十二国記シリーズを読みたいな。本当に素晴らしい世界観だ。

86.1108 川原礫
ソードアート・オンライン1 ❤️
めちゃくちゃ有名な作品だけど、私はキリトとアスナしか知らないガチミリしら状態で読みました。
本当に酷い偏見なんだけれど、所謂アニメを雑に消化するような層が絶賛しているイメージがあって履修するのが凄い抵抗があった。
けれど、2009年の作品で今も最前線を走っているって事は紛れもない本物だし、私と好きなラノベの系統が似てる人も殿堂入りと言ってるし、何よりシリーズあり過ぎて売り場占拠してるし、私自身が面白いと思わない本はどんどん入れ替えたいと思っているので読むか!と。
結果、読んでとても良かったです。
2009年にこのダイブ型オンラインゲームでデスゲームって凄い革新的だったんだろうなあ。
オンラインだけど、ファンタジーな没入感。けれども命だけはリアル。皆、生活を現代日本みたいに結局役割を持って自由に生きている。
設定だけはラノベ然とした、キャッチーでエンタメ全開ですが(そこが良い)キャラの作りやふとした生活の描写が良かった。
世界観の描写がとても素晴らしくて、これは沢山のifが出て来てもおかしくないと思う。
でも一巻、凄い綺麗に完結してるけどこの後どうするんだろう?なんかよくメインビジュアルにいるけど名前知らぬキャラが出て来てない。現実でアスナを見つけられたらもうオンラインに入る理由はなさそうだけど?続きがある事が気になり過ぎる。

87.1110 石井光太
ルポ誰が国語力を殺すのか ❤️
前にネットニュースでごんぎつねを正しく読めない子ども達っていうのを見たり、SNSをやっていると言葉の意図が全く通じてないなと感じる人と話す機会があったりして前から気になっていた。
本書の内容は「国語力」=豊かな想像力とそれを表現出来る言葉が身についているかを育てるのが家庭環境に大きく左右されるという体験ルポである。
自分語りになってしまうけれど、親が見栄っ張りだったので私は小学校からいわゆる進学校に受験して通っていた。
周りは経済的に豊かで教育熱心な親に育てられている子ばかりだった。小学校時代はディベート大会や朝のスピーチとかで皆自分の言葉で喋っていた。

だからこれが普通だと思っていたんだけれど、大学生になってあまりにも大学が家から遠かったのでバイトが選べずとある飲食店で働いてたのだけど、そこでの経験が割と自分の中で衝撃的だった。
経済的な理由では無く自ら中卒を選ぶ人が結構いたという事。私の感覚だったら勉強がいくら嫌いでも就職する為に高校位は無理矢理通う。
でも、それは私の中の常識であり、彼ら彼女とらの価値観が全く違う。
失礼かもな〜とは思いつつ、「なんで学校いかないの?」って当時17才の子に聞いた事がある。そしたら笑顔で「親に女の子は学校行かなくていいと言われた」って言われた。「行きたくないの?」って聞いたら「分かんない」って言われた。この「分かんない」が本書でいう自分の気持ちを表す能力が低い事なんだと思う。
学校や勉強が嫌いだから、だったら理解できた。多分理由がないわけではないと思う。でもそれが複雑で、それを誰かに伝えるすべがないのかなって思った。こんな感じの子が他にも何人かいて、でもバイトはちゃきちゃきこなすから余計歪みを感じた。
将来子供を持つか分からないけれど、「なんで」というワケを話せる子にするのが一番大切なのかな、と思った。

88.1113 キム・リゲット
グレイス・イヤー ❤️
新時代のフェミニズム文学だ〜!とSNS等で話題になった本作。ネット上だとフェミ(笑)って言われがちだけど、一部の人がヤバいだけで元来の考えに私は共感しています。
世界観は近世ヨーロッパっぽい架空の村。その村では16の時に(出生数が極端に少ない特性がある)男に選ばれなかった大多数の女達は強制的に労働者か娼婦になる。
それだけでも男尊女卑が凄いけど、男は妻に飽きると適当な理由をつけて絞首刑にしてまた花嫁選びに参戦したりする。妻に選ばれても女は家畜扱いの世界線である。
更には16になったら、女には男を誑かす魔力が宿ると言われ、花嫁選びの選定直後、その魔力を消し去るために一年のキャンプが強制されている。
女の子だけのキャンプは過酷だ。食料はあるけれど集団ヒステリーや、花嫁に選ばれた子と選ばれなかった子の隔絶。
血と汚物と泥と蛆に蝿に埋め尽くされる思考とキャンプ地。これらの要素が苦手な方には正直おすすめできない。
主人公のティアニーは息子が欲しかったという父親に仕込まれた技術でなんとか命を繋ぎ続けるが。魔力とは何か、このキャンプの意味は?ってのはまあ、フェミ思考してたらこの時点で分かりそうなんですけどそんな話です。
最高のフェミニズム文学!と聞いていたのでどんなティアニー無双がみれるんだって思っていたけど、顔面パワーで二人の男性の庇護を勝ち取っているのが解せなくて「???」ってなってしまった
いや、強い女なんですけどね!?強い女は男と恋愛するな!一人で生きろ!!!とは全く思わない。でも、このテーマのストーリーでだと正直拍子抜けというか
でも最終的には女達の強いパワーを感じさせる、希望のある終わり方になって良かった〜!と思いました。

89.1116 川田戯曲
ラノベも俺も好きなギャル ❤️
LOVEじゃないけど、めっちゃ価値観合う友人に俺より気の合う奴いるとか言わんといて( ; ; )みたいな独占欲あるじゃないですか。
あの感情がLOVEに変わってゆく描写がとても甘酸っぱくて良いですね。
ギャルだけどオタクというか、本当にラノベが好きなんだなーっていうのが良い。文章という形で物語をじっくり堪能するのが最高って言えるヒロインが可愛いです。

90.1118 住野よる
君の膵臓をたべたい ❤️
ティーンの心理描写で名高い住野よる先生の本を読みたいな〜と前から思っていて、ならば一番の代表作であるこの作品からかなと。
有名過ぎるタイトルから分かる通り、難病ものはあんまり好きくないんだよなと敬遠してたんですが読んで良かったです。
友達でもなく、恋人でもないけれど、お互いを必要としている不思議な関係に温かさを感じた。
基本的に日々を生きる事の楽しさや、自分と向き合う事の大切さについてがメインで、御涙頂戴というシーンは控えめなのでそういうのが苦手な人にもオススメです。
死についての話なのに、若いエネルギーをとても感じられて良かったなぁ。

91.1120 浅倉秋成
俺ではない炎上 ❤️
作った覚えが全くないけれど、自身のSNSだと本人すら錯覚してしまうようなアカウントが、殺人を仄めかしている
更にはそのツイートがバズってしまい、世間から疑惑や嫌悪の目を向けられ逃走する事になる主人公のおじさん。
このアカウントは誰が作ったのか?そもそも俺は、そんなに恨みを買うような人生を送ってきただろうか?といった内容のミステリです。
SNSって怖い!のと、ミスリードにやられた!ってなった。でもそうだよな〜読み返せば絶対分かるポイントあるよなって感じです。
主人公の人物像についても、ただネットに疎いだけの真面目で人望のあるサラリーマンだと彼目線だと思うけれど、蓋を開けてみると?ってのもリアルで、視点一つ変えるだけで受け取り方が違うのもよかった。

92.1123 川原礫
ソードアートオンライン2 ❤️
アスナがどうなったのか気になったので続きをと。でもこの2巻は続きではなくて一巻の合間合間のエピソード集なんですね。
うーん、キリトくんモテモテだけれど強いだけじゃなくてシンプルに優しいもんな。ゲーマーってどうしても男女比の問題で女の人に対しての距離感おかしい人多いから、自ら一線引ける人って紳士よなぁ。
サチとのエピソードが個人的に一番読んでいて胸にくるものがあって、泣いちゃった。キリトの表に出さない優越感とか、サチのキリトの正体を知った上で安心していた所とかスゲ〜人間臭くて良かった。

93.1124 川原礫
ソードアートオンライン3 ❤️
で、でた〜!これがかの有名な「戦闘中にブチ切れて、記憶が飛んだりとか……」か!
↑の台詞だけやたら有名だけど、キリトさん女の子に異常にモテるだけで全然イキリじゃないです。
メインヒロイン、表紙からして変わっちゃうの!?って思ってたけど、変わらずアスナが正妻な漢気カッケーっす。
新規ゲームで、しかも遅れて始めたのにどうチートじみた強さを表現するんだろうって思ったけれど、なるほどって感じの伏線?というか続編らしい技だなと思った。
SAOは4巻までで一旦キリがつくらしいので、そこまでは履修する気でいます。

94.1127 川原礫
ソードアートオンライン4 ❤️
すごく綺麗に完結したなぁ〜!なのでこの後どうなるんだろう?現象再び。
平和な日常も戻って来たし、(SAOの皆でオフ会するシーンめっちゃ良かった)とても素敵なハッピーエンドだと思うので
キリトは相変わらずアスナ命で動いてて、愛する人の為なら何もかも擲てるというのがカッコいいよね。

95.1129 小出和代
あのとき売った本、売れた本 ❤️
紀伊國屋書店新宿本店にて長年書店員をやっていた小出さんの本にまつわるエッセイ。
「これ売れそう!」って予感めいたものとか、書店員あるある満載でずっと頷きっぱなしだったのと、大型書店ならではの経験エピソードも面白かったです。
本屋大賞含め、書店員の仕事は「推し活!」です。自分の推し本が売れると本当にニヤニヤしてしまうというか、本当にいい本だから、是非よしなに!!と売り場作りは常に布教活動である。
あの人が読んでいたから読みたい〜ってエピソードも、本当に深く頷いてしまった。私も好きな作家さんやフォロワーさんのオススメいつも参考にさせて頂いてます。
私のおすすめ、自店舗に通える人以外にも届くといいなと思いながらいつも感想をしたためております。

96.1201 佐伯さん
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 ❤️
良かったです。このラノ5冠はダテじゃない。
ド偏見なんですがこういうタイトルで内容説明系の作品、ヒロインが可愛いだけで中身がないんじゃないかって思ってて読むまでの腰が重かったのですが、フォロワーさんが好きって言ってたのでいい加減読むか!と。結果、もっと早く読めばよかったな〜。
理由もなく天使系甘やかしヒロインがちやほや♡って感じの内容かなって思ってたんですが、違った
距離をあえて作ってくれる人だから互いに信用出来て、徐々に親しくなってゆくっていうお話です。相手の事を知ってゆく過程が丁寧で、一巻の段階では関係は出来つつも恋愛感情は互いに芽生えていない感じです。続きも気になるなぁ〜。

97.1203 朝井リョウ
何者 ❤️
就活をテーマにした小説というと「六人の嘘つきな大学生」を思い出すけれど、あれは全編を通して就活に纏わる不条理を描いていたけれど、この作品は就活を通して自身が「何者」かになれるのかを、残酷な迄に描く。
就活をせずに一人で劇団を立ち上げたものの、公演する度にいまいち振るわない元相棒をダサいと思いながら、主人公は普通の就活をしている。
陽キャだけれど空気の読めるルームメイトに、そんなルームメイトに恋する主人公の片思いしている女性、意識高い系だけど空回りする女性とそのアーティスト志望の癖に何も行動しない恋人。
同い年の彼らと主人公は就活に挑んで行くものの、就活の結果によって彼らの関係性がどんどん変わってゆく&醜い本音が見えてくる。という話。
否定されるのは怖い。だからって、下を見続け安心する人間が「何者」かになれる訳がないだろ、って話である。
偉そうに言ったけどブーメラン突き刺さって流血しています。上だけ見続ける高潔な人間になりてぇや。

98.1206 青山美智子
赤と青とエスキース ❤️
青山美智子さんの作品は初見です。ほっこり系が得意な作風の方〜と聞いていたのですが、まあ泣いちゃったよね!?
レイとブーの関係に対して、ユリさんの「来るのは彼じゃないんだよ、恋なの。不可抗力に、彼じゃなくて恋に振り回されるのよ」って台詞に、あっ、ああ〜ってなった。
恋ってどうしても物理的な距離による障害があるけれど、体の近さじゃなくて心(恋)が近いかなんだな、って改めて気付いて、そんな二人を引き離してやるなよって落ち込んでいたので、ええ、ええ!
短編集ですが、全ての話が繋がっていて、青山先生の世界は優しさに満ち溢れてるなって思って、なんか己の心の汚さに泣いた。
タカシマ先生と砂川先生のお話も、創作をやっている身としては中々に来るものがあって、これからもつくり続ける人でありたいと思いました。

99.1208宇野朴人
七つの魔剣が支配する13 ❤️
剣花団それぞれの「愛」が凄い真摯で、故に重たくて尊くて、しんどいよ〜ってなった😭
ガイが抜ける事で表面化する、繊細なバランスを壊さないでいたいオリバーやカティの気持ちと、とにかく覚悟が決まってるピートやナナオにシェラの気持ちとかのぶつかり合いだとかガイが戻って来てくれた時すごいホッとしたので、やっぱり誰か一人でも欠けてはならないんだな
四年生編は2冊で終わりなんですね!?先輩方とかどうなるんだろう
あと次の巻までに今の勢いだとピートくん誰かの子供産んでそうまである。

100.1210 児玉雨子
##NAME## ❤️
芥川賞候補に夢小説を題材にした作品が入ってる!ってので知っていて、前から読みたかったお話。
実際は夢小説メインのテーマではなく、ジュニアアイドルという生き方と「名前を変える事」についてのお話です。
夢小説やら二次創作BLやら携帯個人サイトとかのワードが出てくるんですが、これオタク文化知らない人は正しく読み取れるのかなってちょっと思ったり。
ジュニアアイドル、実は知りたくなかったけど高校の時のクラスメイトにいた。友達に〇〇ちゃんってさって言われて、そんな事知りたくなかった私はキレた思い出がある。
でも、友人の言い分ももっともで、「凄い可愛いし、モデルやってるって言うから彼女の名前を検索しただけ」で、一番上にスクール水着を着た彼女の写真が出て来てしまう。
本書の中でも語られているけど、就活で賞罰の確認とかで名前を検索されることなんていくらでもある。つまり自分の望んでいなかった過去を「名前」から暴かれる事がある。
私のハンドルネームはピンポイントで調べようと思っても中々出てこないと思うけど、エゴサが出来る名前だったらって考えるとちょっとゾッとする。後ろめたい事はしていないつもりだけど、(そりゃ個人間の好き嫌いやトラブルはあるけれど)自分の知らないところで自分の名前が勝手に一人歩く感覚。こわい。
ジュニアアイドル時代から本名で活動していた美砂乃ちゃんは大人になっても一生「その生き方」しか選べなかったのかなってのが「馬鹿だから」っていう口癖とかから環境が読み取れてしんどい。

101.1216 ブリジット・ヤング 三辺律子(訳)
かわいい子ランキング ❤️
学年の中で一番可愛い子ランキングがある日突然スマホへ一斉に送られてきた。
それから女の子達の生活が悪い意味で一変する。地味で文学オタクなのにナンバーワンになったイヴとクイーンなのにナンバーツーになったソフィー。それに自分は役者として魅力的だけれど太っている事を自覚しているランキング外だったネッサ。
立場は違えど女の子達はランキングに傷付いてしまう。じゃあランキングを作った犯人をとっちめようじゃないか!というヤングアダルト&ルッキズム的なお話。女の子はトロフィーでも所有物でもないぞ〜!!
体の作りが変わってくると小さい頃は同じ生き物として扱われていたのに、なんか急に一部の男性から「個人」ではなく「女体」として扱われるの嫌だよね
ランキングを作った子の軽薄さとか、保護者会で男の子ならよくある事って言っちゃう父親に絶望したけれど、人はまだ人を知ろうとしていないだけなのかなって男の子だけでなく女の子同士の会話でも学んだ。属性や見た目で勝手に決め付けられるの、つらい。

102.1218 梨木香歩
西の魔女が死んだ ❤️
小学生の頃、読書感想文で皆読んでいた記憶がある。やっと読めた。
生きづらさみたいなものを、誰だって抱えていると思う。主人公のまいもそうで、学校に行けなくなってしまう。暫く魔女の様な隠居生活をしているおばあちゃんと暮らす事になり、心を成長させ、穏やかにするお話。
台所の様子や畑が色彩豊かに伝わってきて、匂いまで目の中に飛び込んで来る。読んでいてまいと一緒に心が澄んでいく様だった。
だからこそ、あの事件でおばあちゃんが理解をしてくれなかった悲しみ、逆におばあちゃん側の思いや器の大きさとか、両方分かって難しいな、って思った。
大人になってから読んでも最高だったけれど、確かにこれは若い内に読んだ方がより響くのかもしれないと思った。

103.1221 白井智之
名探偵のいけにえ ❤️
カルト教団VS名探偵ものですって聞いていたのでやったー!ボコボコにしてまえー!って思ったらですよ。ネタバレしないとこれ中々に内容が語りづらい
ダブルバインドの使い方など、本編の構成が色んな意味で素晴らしかったとだけ言っておきます。
あと白井先生の語彙というか言葉のチョイスが好き。笑 
どこか飴村行先生テイストを感じると思ったら影響された作家さんとして挙げていてニヤリとしました。このインタビュー記事で挙げられているときわ書房さん(船橋市)のミステリ特化棚、本当に凄まじいので千葉に来る事があったらオススメです。2階のコミックコーナーも「通」向け過ぎて好きです。

104.1223 藍川京
女流官能小説の書き方 ❤️
女性の性的興奮は、精神的に満たされないとダメという記述にウンウンってなった。
だからこそ男性向けはいっぱい女の子のバリエーションを増やせばいいけど、女性向けは一人の人をじっくり深掘り、お互いが惹かれ合う下準備というか理由が無いとノレないってのが分かるな〜ってなった。
あと自分がエロいって思えない小説はエロくない!ってのに「仰る通りで」となった。エロ小説を書くのに照れがあった時の作品は、ちょっと納得してないのもある。
自分のヘキに素直な作品がやっぱり一番イキイキすると思うし、今後もヘキ全開で書きたいと思います。

105.1225 吉川トリコ
コンビニエンス・ラブ ❤️
まず、装丁が良い意味で同人誌っぽい!うひょ〜!たまんねぇ!
U-NEXTがこんな感じで本出してるの、たまたま大型書店行った時に見掛けて初めて知りました。
アイドルグループ(正確にはダンスグループ)に所属する主人公がコンビニ店員といるとホッとする気がしていつの間にか恋に落ちるけれど、ガチ恋営業を仕掛けているアイドルは恋愛して良いの?ってのが大きなテーマになっている。
ラスト、オタクはそんなに甘くないぞって震えてたらのまさかのオチで笑ってしまった。


106.1228 三月みどり
シェーマ ❤️
「グッバイ宣言」の続編ですが、メインの登場人物は変わって、前作の主人公は教師として導く立場になっている。
主人公があまりにも聖人すぎて途中から感情移入出来なくなってしまった
皆非がある(かなあ?)とはいえ、自分を不登校に追いやった人間を許してまた友人に戻るのは個人的に理解不能です
大人になると嫌いな奴には関わらないが正解な節があるけれど、白黒つけずにグレーな感情にたまには向き合うべきなのかもしれない。

107.1231 亀山ルカ
アフィリエイトで夢を叶えた元OLブロガーが教える本気で稼げるアフィリエイトブログ ❤️
好きで追っている読書系ブロガーさんが月一更新くらいなんですが年に一、二冊本を買えるくらいのお小遣いが貰えるって言っていて「ゆ、夢がねぇ」って思ったけど、毎年こうやってリストを上げてるし、割と見返すし、折角なら形にしようと思って今回このブログを作ってみました。
私は最初からインプット記録のブログを作るぞ〜ってスタートですが、書くことが何も思いつかないけどブログ副業したい人の為のネタ出しとかも書いてあって優しい本だなって思います。
凄い初心者向けだと初心者の私ですら思うので、イケてるデザインにしたい!って方はまた別の本を読み込まないとダメかも。
ちなみにアフィリエイトの審査にはコンスタントな更新とある程度の記事数がないとダメなのでこのブログは現状一円も稼げません。草。でもまあ稼ぐ為ではなく後で自分が見返すのが主な用途なので…。